~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

SBYオケ聴いてきました

2008年12月20日 01時02分42秒 | 交響曲・管弦楽曲等
シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラを聴いてきました。

このオーケストラについての詳しい説明はまたにしますけど、ベネズエラが国をあげて取り組んでいるオーケストラ教育プログラムを代表する存在で、12歳から26歳まで200名を超える若い演奏家で構成されています。
なお、このオーケストラ教育プログラムに参加している子どもたちの75%が貧困層に属しているそうです。

指揮者のグスターボ・ドゥダメルは1981年ベネズエラ生まれ。このオーケストラから育った、世界的な指揮者で、今もっとも注目の集まる音楽家でもあります。

さて本日のプログラムは

ベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」

会場ではいろいろな方とお会いしました。
顔見知りの調律師さん「今日はサブでついてるんですよ」・・・ということは今日は国産Y社のピアノ?ステージを見てみましたら、国産Y社のピアノがのってました。
で、そのピアノを弾くのは、アルゲリッチなんですよ。
トリプルコンチェルトのあとのメンバーはカプソンというイケメン兄弟。チラシの時点でかなり期待。

オケのメンバーが入ってくるときもずっと拍手があって、客席もなかなかいい雰囲気です、今日は。
私、生でアルゲリッチ見たというか聴いたのは初めて。
かなり腰の痛そうな歩きかたでしたけど、椅子にすわるとしゃきんとして、なんというんですか・・・巧い!
わざわざ生のアルゲリッチ聴いててほかになにか感想ないのか、といわれそうですけど、とにかく巧い!それにつきます。
どこも超簡単そうなんですけど、よく見ると、左がめちゃくちゃ速いパッセージだったり、両手で長ーいスケール弾いてたりするんですけど、弾いてるように見えない。指のほんの先のほうででコロコロっとした音で弾いたり、フォルテはフォルテで瞬間にパンと出る(とくにアクションも感じない)。スケールの間もずっとペダル踏んでるのですけど、これが細かいビブラートペダルでよくあんなに足先が動くものだ・・腰とは関係ないんだろうか?と思ってしまうほど。
結構なお年かと思うのですけど、すごいもんですねえ。ここまでの技術だと技術そのものにほれぼれして、ほかの感想を失ってしまいます・・・。

二人のイケメンさんも、巨匠に時々「・・ついてきてるかしら?」的に振り返られたりしながら(笑)、いい演奏をしていました。

で、オケなんですけど、どこか人懐こい演奏で、耳になじむ人肌の音色。いっぽうでうねりというかフレーズが大きく寄せてくる感じで、後半のプログラムに期待が高まります。

・・ここでちょっと脱線なんですが・・・
トリプルコンチェルトではピアノに譜めくりがついてました。アルゲリッチの譜めくりなんてさぞや緊張・・と思いましたが、実際にはピアノは割合ヒマな箇所もあったのか、結構本人がめくってました。
演奏が終わって、ソリスト3人と指揮者が抱き合ったり手をつないだりして極まっている間、譜めくりストは行き場を失い、一時はピアノの後ろの指揮台に腰掛けて待ってましたけど、それもなんだかな、というわけでしょうか、また譜めくり人の椅子に戻ったのです。が、そのときはオケのメンバーも全員起立して、会場からの拍手に応えている状態。譜めくりストは立つにも立てず、椅子にすわったままきまり悪そうな気の毒な状況になってました。・・・私も連弾等の譜めくりをやった時引っこむタイミングを逃してオロオロしたことがあるので、見ていてなんとも気の毒でした。


さて後半プログラム。
まずはステージ上の椅子が増えたのに仰天。
ファーストヴァイオリンの一番手前の列、8プルトありまして、8プルト目は背中壁についてます。
反対側にはコントラバスが12台並んでますけど、それも壁ぎりぎりにびったり。
また、マーラーですから金管、パーカッションも多いので、後方もぎりぎり。
この厚生年金のステージに、これだけの人数が並んだのを私は見たことがありません。私のうしろのお客さんが「100人は軽くいますねえ~」と話していました。
このメンバー、若いせいもあると思いますけど、一人一人のバネがなにしろすごい。そのうえ指揮者のドゥダメルがなんといいますか・・「タイミング」が抜群。
リズムや拍に関しては「リズム感や拍感がすばらしい」という表現になるのかもしれませんけど、そういうことだけではなくて「クレッシェンドやディクレッシェンドのタイミング」「アッチェレランドやリタルダンドのタイミング」「内声の効かせかたのタイミング」「楽器のかませ方のタイミング」、どれもどれもすばらしいタイミングで、これはほんとにものすごい才能なのだな、心底思いました。
あと舞曲的な要素になると、オケの生き生き度がタダモノでない感じ。ベートーヴェンでもマーラーでも、「ここにこんな舞曲的なものが」とびっくりするような箇所がありました。


演奏が終わると、ブラヴォー&スタンディングオベイション。なにかとおとなしいと評される当地のお客さんとしてはびっくりの興奮状態でした(私はいつもどおりなんですけどね・・どういう意味で?)。
アンコール1曲目はバーンスタイン「ウエストサイド・ストーリー」より<マンボ>。チェロやヴァイオリンはくるくる回るし、そのうち楽団員も踊りだすし、メチャ盛り上がり。
2曲目はヒナステラ「エスタンシア」より<マランボ>。途中からオケのメンバーが舞台から降りて客席へ。ここはライヴ会場かっ(爆)
3曲目は・・なんと「君が代」。オケのメンバーも起立して演奏してましたので、客席も多く起立してました。歌う人もいました。

というわけで、とてもオーケストラの公演とは思えないような、盛り上がりかたで、いやほんと堪能いたしました。
拍手しすぎて、手も肩も痛い(泣)・・
明日はピアノ弾けるのか?という前にもう寝ろよ、という話ですね。

おやすみなさい