~Agiato で Agitato に~

再開後約20年になるピアノを通して、地域やほかの世代とつながっていきたいと考えています。

本年の弾き納め(その2)

2008年12月21日 09時53分03秒 | ピアノ
自分の演奏についての覚書(?)は以上ということで、そのほかのことをいろいろ。

会場につきましたら、Y社のS氏とばったり。
「あれ?仮装さん?」
「今日弾くんですよ」
「ええ?・・(プログラムを見て)あ、ほんとだ。あちこちでお会いしますねえ」
・・・ほんとですよ、もう。11月のベートーヴェンの会、同月の某先生の発表会、そして今回。行く先行く先、いや弾く先弾く先でお会いします。たまたま、S氏担当の先生方と私がお世話になっている先生方が重なっている、ということなんですけどね。


前半は子どもたちの演奏が12人ありました。
ほぼ全員を会場にて拝聴。・・ええ、私、発表会マニアですので(笑)。
小さい子から年齢順に弾かせるというスタイルではなく(プログラムに年齢の記載はありませんでしたが、どうみても年齢順ではなかったです)、曲中心の配列。
ということは、学習年数とか年齢というよりは、その曲に対するそれぞれの完成度というか誠実さが問われるということになり、身のたけにあった曲をきちんと曲として仕上げるという姿勢が伝わってきました。
ここの門下は、(こういう表現が適切かどうかわかりませんが)みっちりとした確実な音を出されます。止まったり間違ったりがなかったわけではありませんでしたが、手に汗にぎるような事態にはならないのは、やはりきちんと練習を積んでどこか安心感のある演奏だったからでしょう。

大人のほうは、みんな堂々の演奏でした・・・ご本人たちはそうでもなかったのかもしれませんが・・・。
靴と靴下を忘れたまつやん(爆)も、なにごともなかったかのように、苦悩と美しさと歌にあふれたシューベルトを展開。
直前まで、暗譜は大丈夫?とこちらまでついいらぬ心配をしてしまっていたかじやんも、一本スジの通ったリストを熱演。
毎日ほどブログで「スケールがスケールが」とブチブチ言っていたよっしー^^も、スケールのミスは実はたいしたことなく、オリジナルの斬新な和音を加えたりして(爆)、ベートーヴェン無事終了。
あとのお二人の大人の方も、内容のある充実した演奏で、袖で聴き入りました。


そのあとは連弾とアンサンブル。
連弾は子ども同士、あるいは子どもと親という組み合わせ。
miwako先生の編曲が3曲、あと生徒さんのテーマに基づいてmiwako先生が作られた曲が1曲あって(これは生徒さんとお母さんが弾かれました)、これがいいんですよ、ほんと。
童謡メドレー(なぜか<白鳥の湖>入り・・笑)なんか、いくつかの曲がミックスされている箇所もあって、〇畑セロリ先生バリの、ウィットもん。自作テーマを曲にしてもらった子なんかうれしかったでしょうねえ。・・・私がいうのも僭越なんですけど、・・・・いい先生だあ~!

アンサンブルは(アコースティック)ギター、パンフルート、バイオリン、エレキギター、テナーサックスとさまざまな楽器が登場。
子どもたちも静かに聴いてました。演奏者はだいたいがおじさまがたなのですが(・・いえ、あの、お、おにいさん、です・・)、ほんとお上手です。ビョー気的音楽好き(あの、リョー気的ではないです、念のため)、の一人として、共感を覚えました。今度どなたか私とも遊んでください、演奏でです、もちろん。
バイオリンは、かじやんさん母娘でベートーベンのロマンス。私が聴いたのはサークルの発表会以来ですけど、娘さん、短期間にすばらしい進歩!お母さんもタイミングをよくはかっていたし、弦の奏法に心くばりした伴奏でした。二人の部分を充実させると、一人で弾く部分もクオリティをあげていかないといけないし、一人の部分も次の二人の部分につながるので(何を言ってるのかよくわからなくてすみません)、伴奏というのは見かけより大変ですよね。私はまずこの日本語における「伴奏」という言葉に抵抗があって、やっぱり自分のなかでは「デュオ」だよなあ、と思ってます。・・対等、もしくは対等以上。丁々発止とやりましょう、ということではないにしても・・。

最後は、miwako先生によるモーツァルトの幻想曲ハ短調。
私も好きな曲なのですが、幻想曲というにふさわしく、いろいろな曲想が次々と出てきて、どうかすると散漫な印象になりますし、モーツァルトのなかでは音が厚い曲なので、これまたどうかすると「ベートーヴェンじゃないんだから」と言われてしまいそうな曲。
そのあたりのバランスというか、これまた私がいうのもおこがましいのですが、ペダルの分量等で時代的な配慮をし、それぞれの想念(曲想)を想念として漂わせながらも底辺でつなげているという、非常に難しいところを見事に表現されていたと思います。

いい発表会でした、ほんとに。


帰りは、子どもたちと合流。おもちゃ屋に行ったり、食事をしたり、大通りのイルミネーションを見て歩いたり。
そうそう楽器店で、こんな本(テキスト)を買いました。
「NHK スーパーピアノレッスン シフと挑むベートーベンの協奏曲」
なんと12月20日の昼が第1回でした(泣)。これすごいです、1番から5番までやるんですけど、小菅優さんがオケパート(3番)弾いたり、ソロパート弾いたり(5番)。もちろん、ほかのレッスン生もすごい方々のようです。


さて、今日からは心を入れ替えて、年末進行ですっ!



本年の弾き納め(その1)

2008年12月21日 08時43分41秒 | ピアノ
今年最終本番、人前での弾き納めをして参りました。

夏場イゾルデでずっとお世話になったmiwako先生門下の発表会(Mのつく先生が4人もおられるので、これからこう表記させてくださいませ)。
イゾルデを弾くのは8月24日の決勝以来、約4ヶ月ぶり。人間というのは欲の深いもので、どうしても以前弾いたものよりは良いものを、と思ってしまいます。実際はこれだけブランクがあると、前回と同じレベルにもっていくのもそれなりのことではあるのですが・・。
そうなると何を目指すか?
まずは前回できなかった技術的な部分のクリアを狙いたい。ひとつはアルペジオの音落ちをなくすこと、もうひとつは右手小指の超レガート奏法、似たようなものとしてオクターブのレガート。
内容的には、決勝の演奏を振り返ると、そこまで緊張していなかったとはいえ、やはり余裕がなく、それはもうひといきフェルマータをのばしたいとか、もう少し間をとりたいとか、そういう時間的な部分に顕著。
あとは、同じ音型がしつこく繰り返される部分を無理に計算して作っていたところがあったのを、もっと自然に流れるように、とくに内声に気持ちが乗るようにしたいと思ったこと。

・・こう書くと結構強欲ですねえ(笑)。
夏場は、手を壊すギリギリで練習していたのであまり無理はできず、技術的な部分の向上は半ば放棄していました。
今回もあまり無理はできないですけど、先日「ヴォカリーズ」のレッスンでM氏の弾き方を見ていて、「ピンときた」というわけではないですけど、「おお」と思うことがありました。それは奏法がどうこうとというよりは、自分のなかで「レガート」のハードルがあまりに低かったということ。低いハードルのまま無理やり音だけ続けようとしていたので、粘性だけが高まって(爆)、なめらかさの改善&進歩はなかったわけです。じゃ、そのハードルはどんなものなのか?と言われても表現しにくいのですが、「ここまでできるのか、ピアノで」と思った時点でハードルぐぐ~っと上昇。
そうなると、夏場にmiwako先生に教えていただいたことも「ああ、なるほどそうだったのか、あの時は私自身のレベルが追いついていなかったんだ」とわかる部分もあり、今回の練習、自分の中ではスキップ状態でした(爆)。ただ、やはりやりすぎると無理がきそうで、そう大量に練習はできませんでしたし、本番はやはり思ったようにはいかず、決勝とここ数日の練習の中間ぐらいのデキでしたが(汗)。
時間的な余裕については、まずは時間制限がないことを意識(といっても決勝では時間オーバーはありえなかったわけですが、予選本選は制限時間ギリギリだったため、ちょっと詰めたくなるところが残ってました)。
あと内声に気持ちをのせる点ですが、練習を録音してみるとまだまだミスしないように弾こうとか、こういう風に弾こうという気持ちが顕著。もともとの楽譜は書き込みでわけわかんなくなっているので、予備にと決勝前あたりでかじやんにもらった同じ版のコピーを取り出して眺めてみました。まっさらな楽譜だと「音そのものは実はどう動きたかったのか?」ということが伝わってくるよう。ガチガチに書き込んだ楽譜も必要ではあるのですが、これはやはり自分の校訂版であるわけなので、一度白紙(?)に戻して見る必要がありますねえ。
ワグナーのオペラのイメージから、リストが作ったピアノ曲のイメージに近づく上でも役立つような。

というわけで、本番はというと、今回やりたかったことの7割くらいの達成率だったかなあ。
夏場から4ヶ月経て、「まだ頭に暗譜は残っているけど、練り上げたイメージが少しゆるくなった」というナイスなタイミングで、「イゾルデを弾いて」とおっしゃってくださったmiwako先生に感謝です!やはりここまできて今年はとりあえず「納まった」という感じです。

それともうひとつ。
弾いているうちにイメージも少し変化するところがあって、今回は着るものも変えたくなりました。
夏場は、コンペだし、汗かくので洗濯できるものがいいし、持ち運びコンパクトなほうがいいし、四十肩で着替えるのも難儀なので、ボリュームのない服(グリーン&暗赤褐色)にしてました。
今回は、発表会だし、汗もそうかかないし、地元だし、四十肩でも友達が手伝ってくれるし(笑)、で少し華やかなものにしました。クリスマス前だし。
ゴールドのトップにレインボーのシフォン布を肩二箇所でピンどめ。
下はブルーだけど玉虫系シフォン地スカート。
miwako先生も似たようなスカートをお持ちだそうで、これは玉虫シスターズならぬ、玉虫師弟(爆)。・・・うちでそういう話をしていたら、息子が聞き違えて、「玉虫レディース?」(殴)と。