クールジャパンの一典型

　「トヨタ、燃料電池車の特許無償開放」…これは…英断というか快挙というか！素晴らしいです。

　思惑があるからやったんだろうって？思惑があるのは当然。なにもなしに特許無償開放などするわけがない。では、その思惑とは何か？「学力偏差値を上げる」のと同じ発想です。「共に向上しよう」ということです。
　世界一のトヨタの技術を他社に採用してもらって、次世代エコカー市場に拍車をかける。共に歩もう！美しい地球を守るために！素晴らしい。

　だいたいやね、自社の技術は極秘中の極秘のはず。ラーメン屋のダシのレシピだって「企業秘密」などと言って隠し通す。

　無償開放されても、５,６８０件もの特許ですよぉ！実際に使うメーカーが現れるかって？うーっ、ホンダは自社で開発しているし、日産は電気自動車路線だし…。富士重工やマツダは…ＦＣＶへ参入しないかも。と、なるとぉ海外のメーカーが使うかねえ？
　ともあれ、トヨタ、クールだあ！日本人はこうでなくては！

　半世紀前には、オランダのフィリップス社が録音用のカセットテープについて無償で特許を公開しました。これは当時大騒ぎになりました。「フィリップス太っ腹！」と言いたいところですが、実は、日本のソニーが大きく関わっておりました。
　当時、各社が別々の規格で録音テープをカセット化して販売していました。フィリップスは、ソニーに、提携を持ちかけてきました。ソニーは、「特許料を無償にするなら提携してもいいよ」と。

　大判振る舞いの気性…クールジャパンの一典型です。