アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

オーイ ミズシマ イッショニ ニホンへカエロウヨ

2024年08月10日 | Weblog
 パリ五輪、日本の底辺でこっそりテレビ観戦していた私にとっては、「美しさに欠ける大会」でした。「マジカヨ?」と思ったのは、柔道の審判。私は貧相な痩せオヤジではありますが、講道館四段。退職まで、柔道着を着ておりました。私が、「マジッスカ?」ですから、日本の柔道関係者は、皆さん「変だぞ!?」と、思われたかと。
 女子ボクシングの、性別問題。ニュースを聞くのも煩わしい。こんなにゴタゴタするなら、「ボクシングは、性別は無関係。男でも、女でも、ニューハーフでも、クエッショニングでも、何でも良い」と、するしかない。ジェンダーニュートラル。「平和の祭典」も、ヘチマもないです。

 閑話休題。パリ五輪に、ミヤンマーの選手は出場していると思いますか?国軍の空爆などで多くの死傷者が出ている国です。オリンピックに選手派遣はぁ…。と思っておりましたが、ミヤンマー選手、出場しておりましたねえ。
 バドミントン女子シングルスに1名。
 競泳男子100メートル自由形に1名。

 私は、「ビルマの竪琴」に涙を流した世代ということもあって、軍事政権が決めた「ミヤンマー」という呼び名に嫌悪感を感じています。「あの国は、ビルマでなければならない」と、考えているものですから。

 日本政府は…ビルマの軍事政権をいち早く承認し、「ビルマの日本語の呼称をミャンマーと改める」としました。ホント腹が立ちますよ。日本って、そんな国なのかよ!
 その時の日本首相は、就任したばかりの、宇野宗佑さん。水島上等兵は、ビルマの山中でさぞ怒り狂ったことでしょう。

 日本の新聞社は、「軍事政権を認めたくないという態度」は見せてくれました。
 朝日新聞は、「ミャンマー(ビルマ)」と表記。括弧書きじゃなくて、堂々と、「ビルマ」としてくれたらもっといいのに。
 毎日新聞は、「ミャンマー」との表記を原則にしている。しかし、「ビルマ表記も認める」と、している。逃げ腰ではあるが、ビルマの余地を残しているので…まあ…。それにしても、日本政府はふがいない!

 世界的にはどうなっているか…
 アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、タイは、「ビルマ」と呼んでいます。隣国のタイが「ビルマ」と呼んでいる。なんとも心強い。
 EUは、「そんなのどっちでもいい」という考えか、「ビルマ」と「ミヤンマー」の併用。
 BBC、ワシントン・ポストなどの有力メディアは、「ビルマ」。いいぞ、いいぞ!

 軍事政権が、「ミヤンマーと呼べ」と言ったので、ビルマ大好きの私など、意地でも反対しなければなりません。
「ミヤンマー」という呼称をどこから引っ張り出してきたかというと…
 12世紀の碑文に、「ムランマー」と書いてあるのだと。ムランマーが時代と共に変化して(訛って)ミヤンマーになった。つまり、ミヤンマーの呼び名のほうがビルマより古い…。で、ミヤンマーが訛ってビルマになったんだと!時系列を追うと、「ムランマー⇒ミヤンマー⇒バーマ⇒ビルマ」。

 軍事政権の言い分は、
「ビルマは、ビルマ族だけを指し、ミヤンマーは、国内の全民族を指す」だからミヤンマーなのだ!(分かったかコラ!アンティークな老人よ。←これは、言っていません)
 このようなもっともらしい理屈をでっちあげて国際社会に説明。
 歴史的に、ミヤンマーもビルマも同じもの。民族についても、ミヤンマーもビルマも、「ビルマ族を指す」これが正しい。

 結局、「どっちでもいい」ということが分かりましたよ。しかし、軍事政権の言いなりにはなりたくない。「ビルマはビルマ!」です。

「ビルマの竪琴」で、水島上等兵は、僧になって山へ入り、日本軍と一緒に復員することを拒みました。仲間達は、オウムに「 オーイ ミズシマ イッショニ ニホンへカエロウヨ」という言葉を覚えさせました。
 山中に戻ったオウムは、水島上等兵の肩に止まり、このセリフを繰り返しました。しかし、水島上等兵の、「ビルマに留まり、死んでいった仲間達の慰霊をする」という意思は変わりませんでした。