アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

空はあるけど、空軍はない

2024年08月13日 | Weblog
 虫も殺さないブータンに、陸軍があった。「ええーっ!」と、動揺しましたよ。軍隊って、「人様を殺めるかもしれない組織」ですよね。
 蟻すら殺さないブータンの人たちが、志願制の陸軍に入る?どうやら、攻め込まれたら一時的に対応する組織のようですがね。
 海軍はありません。海がないから。アハハ。
 空軍もありません。空はありますが、防空はインド軍の仕事。ブータンって、インドより威張っている雰囲気を醸し出しています。極端に言うと、インドは、属国みたいなぁ…。
ブータン陸軍が保有している航空機は、ヘリコプターが7機。固定翼機が1機のみ。世界軍事力ランキング(world global fire)では、ブータンは最下位。兵力ですかぁ?およそ、7,000人だそう。国民の1%が軍人なのですねえ。

 首都ティンプーから、避寒地プナカへ日帰りで行ってきました。ティンプーは標高2,400m。プナカは、標高1,350m。つまり、プナカは暖かい。そのため、かってプナカは、冬期間の首都でした(1995年まで)。
 およそ77kmの、細く曲がりくねった、凸凹道を行きます。日本中探しても、あのような道路はないでしょう。途中、標高3,150mのドチュラ峠を越えます。片側は岩壁、片側は落ちたら数百メートルを一気に落下する崖。危険すぎる道。この道が、ブータンを横断する唯一の幹線道路…!

 日本へも来て下さった現国王の結婚式は、プナカで行われました。つまり、現国王と后になられた方は、この未舗装の幹線道路を通ってプナカへ行かれた。
「ヘリコプターを使わなかったのか」って?私も、そう思いました。ですから、「ブータンにはヘリコプターはないのか?」と、ガイドに質問しました。その回答が、冒頭のようなブータン陸軍に係わるものでした。
 ヘリコプターは、7機あるのに、何故、使用しなかったのか?ヘリコプターで、国王ご夫妻を送迎して墜落しては大変ということのようです。自動車で、がけ下へ転落しても大変だと思いますがね。
 結婚式には世界各国から要人が参列しましたねぇ。パロにあるブータン唯一の空港から、車でプナカへ来られたわけで…パロ~プナカは、もちろん平地の直線道路などない142km。
…崖から転落した車がなかったので良かったです。 

 インドから、陸路ブータンへ入った時の経験ですが、国境のあたりに公衆トイレがありました。私が見た中では、そのトイレの汚さは、世界一でしょう。私でさえ、あの公衆トイレだけは、お許し願いたい。
 道路から、公衆トイレまで茂みを歩くのですが、その獣道、蚊や虫、針をもつ葉がある植物が…。すぐに刺されます。
 大便用のトイレ、床は踏みつけられた便で足の踏み場がない。何故か、壁まで何かが塗ってあるような汚さ。ドアを閉じると真っ暗(電気など通っていません)。便槽から、魑魅魍魎が湧き出してきそう。ブータンの批判じゃないです。ブータンは、大好き。インドとの国境の公衆トイレが、危険かつ怖いってこと。

「水洗トイレじゃないのか」って?その質問、噴飯物ですよ。私の場合、生還できたから、ラッキーでした。 
 結婚式参列の各国の要人、インド~ブータンの道とは、道路が違うので世界一のトイレ立ち寄ることはなかったでしょう。 しかし、142kmの行程です。一度はどこかのトイレに寄ったかと思います。大丈夫だったかなあ。