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風は東楡の木通りから

クリスチャンフルート吹きパスピエの愛する音楽、猫たち、薔薇の毎日

アメリカでのボランティア活動

2006-05-18 00:28:43 | Weblog
今日はアメリカでのボランティアの話など・・・・。

アメリカ人の親はボランティア活動が好きだ。学校のボランティア活動だけでも放課後のアフタークラス教えたり、遠足の付き添い、課外実習の手伝い、などなどいろいろある。親がボランティアをした時間を記録しておき、後ですべて計算され、教育委員会へ申請すると、その学校に補助金がおりるシステムになっているので間接的でも自分の子供のためになるからと親たちもがんばるのである。

在米中、同じように当時の私達日本人の親たちもボランティア活動にいそしんでいた。日本人学校へ行かず現地の学校へ行く日本人児童はいきなり英語漬けの毎日になるので、そんな時、親がボランティアとして学校に来てくれる事はやっぱりうれしいらしい。また、タウンが開く無料の英会話クラスなどの恩恵に感謝し、地域貢献したいという気持ちもあってのボランティア活動でもある。

リンクしている「めぐろのいぬやしき」さんと私は子供が同じ現地小学校に通っていたので、一緒にアフタークラスでOrigami & Kirigami Classをつくり、折り紙と切り紙を教えていた事もあった。アメリカの子供たちは折り紙に慣れていないからだと思うが、とてもぶきっちょさんのイメージがある。それでも一緒に作り上げた時の彼らの笑顔を見ることや、学校の掲示板を季節ごとに折り紙の作品で飾るのはとても楽しかった。

また、こんなボランティアもあった。老人ホームや、地域の集まり、現地の学校での日本文化の紹介だ。渡米直後の頃は長男をめぐるトラブルで先生とのやり取りに疲れ果て、家にこもる日々が続いた。それを見かねた友達が紹介してくれたのがこの日本文化紹介のボランティアだった。

いろいろな特技を持つ方々に出会った。折り紙、茶道、華道、香道、日舞、書道、琴や尺八、ピアノの演奏に長けている人。すごい虫の写真を送ってくださった愚林日庵人様も日本人文化紹介ですばらしい書道をご披露し、墨絵を得意とする一人である。

でも私の中で一番印象に残っているボランティアは毎月2か所の老人ホームにそれぞれ1回ずつ訪問した事。メンバーは当番せいで毎月何をやるのかを決める。それぞれが趣向を凝らし、お年寄り達にできそうなかわいらしい小物を作ったり、コンサートを開いたりしたものである。折り紙も簡単なものを。手先がうまく使えなくなってしまった人がいるからだ。折り紙に難しい英語は要らない。わからなくなったら全部「like that - このように」といって見せながらやればいいのである。

私は古典芸能の紙きりが好きだったので、kirigamiとして、わかりやすい題材でミッキーマウスの顔を切って見せた。やっぱりその場で作品を切って見せると驚いていた。「たくさん練習したんだろうねぇ」としみじみ言われてしまった。でも正楽さんがするような芸術の域に達する紙きりではなくとっても簡単なものだったのに・・・。

メンバーの中にはパールハーバーの話をされて困ったとか、英語でのコミュニケーションがうまくいかないとかそんなこともあったが、回数が増えるごとに打ち解けて、訪問すると拍手で迎えてくれるまでになった。

お年寄り達が喜ぶのは音楽だ。アメリカの歌やアイルランド民謡(アイルランドからの移民が多かったので)を一緒に歌う時が一番生き生きとしている。日本の季節の歌なども歌って歌詞の意味を紹介すると喜ばれる。音楽は国や文化、言葉を超えて心を一つにしてしまう。すごい!

帰国する時は抱き合って泣いてしまった。いつも私の手を握ってはなさないおばあちゃんは「死ぬまでもう会えないね」といい、あるおばあちゃんは「地球の裏側に行くだけだよ。またいつでも戻ってくればいいんだ。」といってくれた。(残念ながらお金も時間もないのでいけない・・・。)

つたない英語でどこまで喜んでくれたかわからないが、よく毎回私たちを快く迎え入れてくださったと感謝している。今、私の手元にはその方々にいただいた老人ホームの名前の入ったエプロンと布のバックがある。もったいなくて使えない。だからずっと宝物としてしまってある。