おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

遊藝黒白 第3巻 #1「作曲家の意図は、すべて楽譜に!」

2019年10月19日 | 書籍紹介
以前、「遊藝黒白第2巻 音符ではなく、音楽を!」をご紹介しました。

今度は第3巻「作曲家の意図は、すべて楽譜に!」を読み始めました。

トップバッターはダン・タイ・ソンです。
ツィメルマンが優勝した次の回の優勝者がダン・タイ・ソンでしたので、あの頃の衝撃はよく覚えています。

どうやってベトナムで音楽を学ぶ機会があったのだろうと思っておりましたが、この本によりますと、ベトナムはフランスの植民地だったのでフランス経由でクラシック音楽が入ってきていたこと。
地理的に極東での演奏旅行の中継点に位置していたため、演奏家たちがベトナムでよく演奏会をしていた。
ということで、実は音楽的に高い水準にあったのだそうです。

防空壕で練習した話も載っています。

モスクワ音楽院ではイーヴォ・ポゴレリチと同級生だったそうで、ポゴレリチには西側のたくさんの珍しいレコードを聴かせてもらっていたのだそうです。
当時は西側のレコードはミケランジェリとグールドくらいしかソ連にはなかったそうで、ポゴレリチは帰国するたびにソ連では珍しいレコードをたくさん持ち帰ったのだそうです。

コンクールの参加は当初ポーランドでは認めてもらえなかったそうです。
ベトナム人でハノイでピアノを学び、モスクワ音楽院で勉強中という経歴だけだったので事務局が参加を認めたくなかったのだそうです。
しかしモスクワ音楽院で学んでいるのだから相当なレベルに達しているだろうということでチャンスを与えてみようということで参加できた、ということを後で聞いたそうです。

ちなみに、モスクワ音楽院のショパンコンクール参加オーディションに合格したのは彼とポゴレリチと2位になったタチアナ・シェバノワの3人だったそうで。

コンクールでは緊張することはなかったけれど、唯一の不安はオケと共演するのに礼服がなく、その用意ができるかが唯一の不安だったそうです。
礼服は親切な人たちが助けてくれ用意できたそうです。

ダン・タイ・ソンさん、霧島で教えていらっしゃいますが、度々受講している知人の話では、生徒より先に来て部屋の掃除をされているそうです。お人柄が素晴らしいそうで。

ピアノで歌うことについて本には書かれています。
オペラ、歌曲、合唱の歌わせ方の違い。ロシアと他のヨーロッパとの歌い方の違い。

この本も面白そうです!

コメント
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