ルース・スレンチェスカさん。
彼女は私にとっては歴史上の人物である作曲家やピアニストに実際にレッスンを受けたり親交があった方です。
その話の興味深いこと。
ホロヴィッツ、コルトー、ホフマン、ストラヴィンスキー、シュナーベル、ペトリ、ラフマニノフ、ラローチャ、バーバー、ギーゼキング、オーマンディ、ヒナステラ。
どんなことがあったかは是非、本で!
ひとつだけホロヴィッツの話をちらっと。
ホロヴィッツがステージから離れていた日々の話。
彼はレコードを聴いて、歌手が歌ったフレーズをイタリアのベルカント唱法のようにすぐにピアノに向かって同じように弾いてみて、声楽のフレージングを器楽のフレージングに変換させようとしていた。しかもすべての声部を。
何千回もレコードを聴き、ひたすら苦しい練習に明け暮れていたと。
驚きです・・
この本はピアニストたちが想像以上の努力を重ねていることを知ることもできます。
バーバーの「弦楽のためのアダージョ」ができた経緯も書かれていて面白いです。
傑作の誕生を目撃した証人になることができて幸せだと。
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バッハの研究と演奏に一生をささげたロザリン・テューレック(Rosalyn Turek)
彼女によると、バッハ演奏は楽器による表現力という意味で20世紀はつまらないことに固執したと感じる。バッハの音楽が内包しているものは楽器の制限を受けない。
ふむふむ。
バッハは楽器云々を超えている。
最後に書かれているのが、演奏家はそれぞれ自分の生きている時代とつながっていなければなりません。それが私の哲学です、と。
イリーナ先生のカルガリーのワークショップの内容をまとめた先生がいらして、それを昨日Google翻訳に頼りまくって読みました。
数ページかと思い印刷しましたら、いつまでもプリンターが止まらないので間違えて設定したかと思いましたがそうではなく、なんと25ページもありました。
イリーナ先生もこうしてまとめて下さる方がいることに感謝していらっしゃいました。
そのレポートの中に、生徒に生きている作曲家の作品を弾かせるという言葉がありました。
クラシック音楽というと過去のものという感覚があるかもしれませんがそうではなく、現代には現代の作品が生きていて、過去の作品には新たな観点や現代の精神を注ぎ込み生き生きと輝かせる(これはエマールの言葉)。
1曲1曲に深く向き合いながら、現在と過去の時間を未来につなぐ。
はぁ~、壮大すぎる・・