おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

アレクサンダー ・ガヴリリュク ロシア3大協奏曲 2018年9月12日

2018年09月13日 | コンサート情報
東京芸術劇場コンサートホール(1999席)が満席でした。

一晩で3曲のピアノコンチェルトをガヴリリュクは演奏しました。

昔、アシュケナージが一晩でブラームス第1番とラフマニノフ第3番を演奏し、ラフマニノフの途中で弦が切れ(確か第1楽章)、第2楽章に入る前にステージ上の全員が一旦袖に引っ込み、調律師さんが登場し皆の注目を浴びながら応急処置をされたことがありました。

一晩で複数のコンチェルトを一人で演奏するのを聴くのはそれ以来です。

プログラムは
チャイコフスキー第1番
プロコフィエフ第3番
ラフマニノフ第2番

チャイコフスキーを聴きながらこの曲を生で聴くのは30数年ぶりだと思い出しました。
聴いていて、ロシア色満載な曲だと今更ながら思いました。
ガヴリリュクの艶やかな音からロシアの風土、文化が伝わってきました。
純粋にロシア音楽を堪能できました。
ただ、オケが随分と慎重で少々不満を感じましたが、曲の最後の最後でテンポも音量もアップし、この時のために押さえていたのかとも思いましたが、そんなに押さえなくともガヴ殿は大丈夫ですけど・・と思ったりしました。

プロコフィエフはオーケストラがノリノリでした。
もう少しオケの音のごわつきがなければスッキリとしていたと思いますし(もっとシャープでドライな方が良かった。木管の音の重なりが厚ぼったかった。)、ピアノとの音量のバランスも指揮者がもっと押さえてくれても良いのでは?と思いながら聴いておりました。

ラフマニノフはガヴリリュクの音に一番合っていると思いました。
美しく滑らかな音が内面の葛藤を描き出すのにピッタリでした。
(でも昨年のBBCプロムスの第3番の方がもっと良かったです)

もちろんガヴリリュクは心地良い音だけではなく悪夢をも描き出す音を持っています。

学生の頃、ジェシーノーマンのリサイタルを聴きに行ったピアノ科の知人が「彼女は音楽のためなら汚い音も出す。でも自分はまだそれができない。」と話していたことがあります。
その知人は足りないものがないくらい素晴らしい演奏をする人でした。その彼女のこの言葉は私には衝撃でした。私はそんな風に音楽を捉えたことがありませんでしたので。

ガブリリュクの演奏を聴くと知人のその言葉を思い出します。
しかしガヴリリュクは決して汚い音は出しません。人間の声とピアノの音ではリアルさに違いがあり、ピアノで本当に汚いとされる音を出してしまっては芸術ではなくなると思います。

ガヴリリュクの凄さのひとつは天国の音も地獄の音も出せることだと思います。その到達度が凄い・・

2018-2019のシーズンは、フィルハーモニア管、シカゴ響、ウィーン響、バーミンガム市響との初共演があるそうです。

コンチェルトは相手あってのものなので、音楽の深さを共有でき、さらに触発される機会が徐々に増えてきていることをとても嬉しく思います!

もっと早くメジャーなオケと共演していても不思議ではないピアニストだと思っています。
共演者へのリスペクトもガヴ殿は素晴らしいです!
数々の経験が将来とてつもない花を咲かせてくれることでしょう。

その日が待ち遠しい・・


全く知りませんでしたが、いただいたチラシの中にギルトブルグのチラシが・・
今年の11月2日にトッパンホールで演奏します。
仕事を休みにして行きます!先程チケット買いました!
今年のイベントはガヴリリュクで終わる予定でしたので11月までは頑張れそうです。
11月27日のヴィルサラーゼも行くことにしました!

わーい!!
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