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ブラジル教育事情 一考

2012年08月21日 | ブラジル雑記
先日IDEB( Índice de Desenvolvimento da Educação Básica )、基礎学力指標の2011年の結果が出ました。

この調査はブラジル全国の公立学校で行い、全国的な基礎学力の指標にしようということで始まったものです。。
2005年から各地で試験的に行われ、2007年からは全国の結果を集めて調査の指標が作られるようになりました。
2022年までには全国すべての市町村が参加することを目指しているそうです。

試験はポルトガル語と数学をベースにしたもので、結果は0点から10点までであらわされます。
試験の始まった2005年には(非公式の数字ですが)3.9点だった平均点が2007年には4.2点まであがりました。
2022年には6点にまであげることが目標だそうです。

今回公開された2011年の結果では、小学校で一番高い点数だったのが、ミナスジェライス州の市立学校、パラナ州の市立学校、ともに8.6点、そしてリオデジャネイロ州の市立学校8.5点でした。
中学2年生では高い順にレシフェ州の国立学校8.1点、そしてその後リオデジャネイロ州の州立学校が2校続き、その次はリオデジャネイロ州の国立学校です。
リオ強し!

中学校では6位7位8位にコレージオミリタールのバイア州サルバドール校、ミナスジェライス州ベロオリゾンチ校、パラナ州クリチバ校が、12位にマットグロッソドスル州カンポグランジ校。
その後もたくさん名前がありましたが、娘たちの学校の名前はなかったわ!
マナウスそんなに低いの?
それともやらなかった?
中学校になると、各地の国立大学の付属校の名前がおおくあがっていました。

高校の結果は出ていませんでした。

娘によると、この試験はかなり学校によりやり方に偏りがあるそうで、優秀な生徒ばかり受けさせたり、試験の時間がまちまちだったりとかなり問題が多いそうで、そのまま結果を鵜呑みにすることはできないとのこと。
また私立校が参加していないので、実際の受験の現場では私立校のほうが優位な現状では、正しい学力の把握にはつながらないのではないかと思います。
まあ、こういう取り組みが始まったことだけでも、評価されるべきかもしれませんが。

TV GLOBOのニュースの中の特集で、各州の最高点数の学校と最低点数の学校を訪ねる企画がありました。
その中で印象に残ったのがバイア州。
最低点数の学校は、ごみごみした市場の片隅にある学校でした。
一般的に高い点数をとった学校は、設備も整って、教師の数も十分な学校。
ミナスジェライス州のある大学の付属校では、生徒の質問にいつでも答えることができるよう、一日中教師が学校にいるのだとか。
日本では当たり前のことでしょうが、こちらでは半日の勤務が一般的です。
一方、点数の低い学校は前述した学校のように教室もない、設備もない、教師もそろっていないようなところが多いです。
マナウス市内でも、学期途中に突然「学校の修繕のため」と、授業が中断されなかなか再開されないまま、長期休暇に入ってしまうというようなことがよくおこります。

日本のように、どこに住んでいても、すべての子供が同じような義務教育を受けることができるというのは、普通のことではないのだと思います。
その中に住んでいると、それが当たり前のように感じ、学校に対して、教師に対して、日本の教育制度に対して、様々な不満や不平が出てきがちです。
でも、こうして、子供が学校に行くために、朝の4時ごろに家を出なくてはいけない、真っ暗な中を何時間も歩いたり、カヌーをこいで登校しなくてはならないという環境が身近にあるところに住んでいると、そこに学校がある、教えてくれる先生がいるのはとてもありがたいことだと感じます。
ブラジルの教育制度、教育行政に関して、多くの問題点はありますが、その中でもこうしてこの広い国土の中で「すべての子供の学力を引き上げよう」という取り組みは、意味のあることだと思います。
その結果が出るのは、もっともっと後のことになるかもしれませんが。

そして、また、世界中ではブラジルのような教育事情の国、そしてブラジルよりももっと悪い教育事情の国が多いのだということを忘れてはいけないと思います。




コメント
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