アマゾンわんわん日記 2018

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ENEM 2014

2015年08月13日 | ブラジル雑記
昨年のENEM(全国統一試験)の学校別の結果が発表になりました。

例年のように上位20位はすべて私立高が占めました。
サンパウロ州5校、リオデジャネイロ州4校、ミナスジェライス州4校、セアラ州3校、ピアウイ州2校、ゴイアス州1校、マットグロッソ ド スル州1校だそうです。

一位はサンパウロのOBJETIVO校です。

公立校はいつものことですが、上位に食い込むことはできずに、22位が最高順位でした。
公立校で最も成績が良かったのはエスピリットサント州のIFES校。
上位10校中、9校が国立、1校が州立の学校でした。
公立校上位10校中、ミナスジェライス州の学校が6校を占め、あとはエスピリットサント州、サンパウロ州、マットグロッソ ド スル州、ペルナンブコ州が1校ずつとなっています。

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アマゾナス州は州別のランキングでは下から2番目。
といっても、州全体の学力が低いというよりも、「特に点数が低い学校があった」ということらしいのですが。

アマゾナスで2014年度のENEMで一番点数が高かったのはラビニエンス校で全国では99位でした。
公立校ではコレージオ ミリタール校で全国では1112位でした。

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今回、GLOBOでは様々な観点からこの結果を分析したのですが、その中で興味深かったのが「生徒の平均在籍年数とENEMの得点の関係」。
分析すると、特に私立校で、高得点の学校ほど生徒の在籍年数が短いのだそうです。
これはどういうことかというと、高校生になると他校の成績の良い生徒を特待生などの扱いにして授業料免除などの形でスカウトしてくるのです。
そうすると、その学校で勉強した期間がたとえ3か月であろうと6か月であろうと、その子の成績はその学校の生徒のものとして現れますから。

多かれ少なかれ、どこの学校でもやっていることです。
しかし、先日、ブラジリアのある学校では、あまりに露骨にこうした操作をしたために保護者の間でも動揺が広がり、学校側が保護者に謝罪するということまであったそうです。

また、学校によっては成績の良い生徒にしか受験をさせないという学校もあるそうで、このENEMの成績がその学校のすべての学力というわけではありません。

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さて、成績が振るわなかった学校。
そのほとんどは農村部にある学校です。

日本ではどんな山間部でもある程度のインフラが整っていますから、それほど通学が困難だというところもないかと思います。
本当に通学が難しいところには寮などの施設が完備されているとかね。

でも、ブラジルの農村部はそうではありません。

アマゾナス州でいえば、朝暗いうちに自分でカヌーを漕いで船着き場まで行き、そこで学校に行くためのボートを待ち、今度はボートで30分から1時間かかってようやく学校へ着くという子がたくさんいます。
先日テレビで見た番組では、朝暗いうちに家を出て、徒歩で川を渡って、ようやくバス停に着き、そこからさらにバスで1時間以上揺られてやっと学校に到着するという子供もいました。

また、どうしても通学が難しいところでは、先生も生徒も学校に泊まり込みます。

こうした場所で勤務してくれる教員も少なく、大学で勉強して正式な資格をもった教員が赴任してきてくれるのもまれだということです。

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都市部の生徒たちは、保護者のマイカーで送り迎え。
先生たちも、きちんと大学、大学院修士課程を出た教員たち。
農村部の生徒たちは、何時間も歩いて、ボートに乗って、またはぼろぼろのバスに乗って通学。
先生は教えることに情熱を持っているだけの教員。

こうした状況の中で、同じ土俵で勝負するなど無理なこと。
今年、こういう問題を取り上げて、その問題を分析し始めたということはブラジルにとってちょっとした進歩なのかな?

コメント (2)
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