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今日の絵本「Sítio do Picapau Amarelo」

2015年08月27日 | 読書
読書勢いがついているところで、一気に行きましょ~!!

今日はブラジルの児童文学の代表作ともいうべき物語。

Sítio do Picapau Amarelo



Monteiro Lobato 作

これは、一冊の本でなく、シリーズもの。
作者のMonteiro Lobato が 1920年から1947年までの間に書いた23冊の本からできています。

絵本だけでなく、子供向けの舞台や、テレビ番組にもなっていて、今のちびっこから昔ちびっこのおじいちゃんおばあちゃんまで知っているという国民的な物語です。



これは私が一番親しみのあるテレビ版。
娘が小さかった時、いっつも見ていました。

舞台はその名も「Sítio do Picapau Amarelo(黄色キツツキ農場)」。
そこで繰り広げられる 色々な事件が物語になっています。

登場人物もにぎやか。

Narizinho と Pedrinho という二人の子供たちが主人公。
二人はいとこ同士で、Narizinhoは この農場におばあちゃんと暮らしています。
Pedrinhoは町に住んでいて、時々農場を訪れます。

農場の主人は Dona Bento
お菓子作りの名人で、二人に様々な物語を語ってくれる人でもあります。
Dona Bentoの作るお菓子は、伝統的なブラジルのお菓子で、このお菓子の作り方の本も物語とは別に出版されています。

Dona Bentoを助けて農場の切り盛りをしているのがTia Nastácia
黒人の、ブラジルの田舎の典型的な家政婦さん。
子供たちと一緒に事件に巻き込まれます。

それから重要なのが、現実にはない、空想の世界の登場人物たち。

Narizinhoの人形の Emília
人形のくせに、しゃべるは、あるくは、いたずらするは!!
最後には、本当の人間になることができました。
トウモロコシの皮で作った人形の Visconde de Sabugosa (Sabugosa公爵)
物知りですが理屈っぽいのが玉に瑕。
豚の Marquês de Rabicó (Rabicó 男爵)
人に意見してあるくロバの Conselheiro
やさしいサイの Quindim
どうして、ブラジルの話なのに、サイが出てくるんだろうね。

そのほかにも、ブラジルの民話に出てくる一本足のお化けSaciとか、ワニの姿の魔女Cucaとか…



とにかく23冊ともなると、登場人物も多く、にぎやかにぎやか。

ブラジルの田舎の暮らしがそのままという感じの本なのですが、実際にはこのシリーズが発表されると、世間では様々な波紋が起こったようです。

まず、このシリーズ中の何冊かが当時の政治を批判しているということで、作者のMonteiro Lobatoは、政界からにらまれることになりました。
また、ブラジル伝統の妖怪(おばけ)や空想の登場人物が多く出てくるため、カトリックの学校では、図書館にこのシリーズを置くことを禁止したということです。
また、この中で黒人が主として下働きなどの役割で描かれているため、「Monteiro Lobatoは人種差別主義者だ」という批判も受けたそうです。

まあ、批判が多ければば多い分、人に読まれていたんだなと私は理解するのですが。

イタリアやロシアなど、何か国語には訳されているそうですが、残念ながら日本には公式には
翻訳版は入っていないそうです。
まあ、ここブラジルでも、最近はどちらかというと、活字よりもテレビや舞台で親しむ子供のほうが多いのですが。

ブラジルの古き良き時代の姿、懐かしい田舎の生活を生き生きと見ることができる作品だと思います。
ブラジルのお化けってかわいらしいんですよ。
今では、ブラジル人の子供でも、伝統的なお化けを知らない子供も多いしね…






コメント
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