デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



バイロン『マンフレッド』読了。

ソチ五輪のちなんだロシアをクローズアップしたスターリンの特集番組およびターナーの絵画から、バイロンという名前をひさしぶりに目にした。そういえばバイロンという詩人の名前こそ知っているものの、どんな作品を書いたのは知らずじまいになっていたので、代表作と見なされている劇詩『マンフレッド』を読んでみた。
マンフレッド、、、どんだけ、高飛車で自己陶酔やうぬぼれが強く、孤独と折り合うあまり自らを傷つけて、何者にさえも己の自我に入り込む余地を与えようとしない、一歩退いて見たら痛々しい主人公なんだ(笑)。ただ、読み進めている途中で、初読ながら読んだことのあるような内容だな、と思った。
マンフレッドの言はドストエフスキーの『悪霊』の登場人物キリーロフの言と似ているように思う。たしかドストエフスキーはバイロンの影響も受けていたはずだ。『マンフレッド』の自我意識の絶対化の描写は、ドストエフスキーにとって少ない影響を与えたのかも知れぬと思った。
そう考えるとドン・キホーテ、サンチョ・パンサ、トリストラム・シャンディ、ファウストらとともに、『マンフレッド』の主人公は19世紀中葉から活躍した作家たちが創作したキャラの性格の一つの源流ともいえ、文芸でもって後世の作家や読者に、性格の典型といわしめる人物であろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )