磁器装飾アトリエ&教室 ピアットスカーナ(東京)な暮らし

伊フィレンツエ18世紀からの伝統技法で磁器に装飾しています。「自由な発想で普段の生活は魅力的に変えられる」を合言葉に。

世界から注目されたジノリのエジプトサービス:Piattino e tazza con due manici per il Kedive'

2017-12-15 11:01:00 | JAPANの街

《エジプトサービス、ケディヴェ》シリーズ
カップ&ソーサーの年代物を発見しました!

スエズ運河の開通を記念して、エジプト総督がジノリ社ドッチア窯にオーダーした食器セット(1872‐74年)に属するデザインです。



シリーズで最もシンプルなこのカップ&ソーサーは、小さくて可愛い。現代においてさえ、先進的。そう思いませんか?


ジノリ窯のアンティーク食器は、なかなか市場に出ない。ましてや日本で!
「相応しい方のところで愛蔵して頂くには、どうしたらいいだろう?」とフォーカスしていたら、オーナーさん(▼銀座アンティークギャラリー)が写真を許可して下さいました。


写真協力:銀座アンティークギャラリー(帝国ホテルプラザ内)
ご縁を感じた方、是非お問い合わせ下さいね^-^


参考文献:「目の眼」別冊西洋アンティークNo.4
一部引用/要約「スエズ運河開通に伴い、祝賀式典、晩餐会には各国の賓客が次々と訪れる。それにふさわしいサービスが必要なことは至極当然のこと。イスマーイール副王(エジプト5代目総督)はこうした食器セットをジノリ社ドッチア窯に発注した。19世紀後半においては、王室からの大規模なオーダーを受ける事は稀。19世紀は万博や見本市の時代であり、磁器メーカーは博覧会に出品し、購入者はこれらの中から選んで購入するという買い方が一般的であったから、デザインを起こすところから始まる大型サービスのオーダーは正に名誉なこと。ジノリ社はこのプロジェクトに特別チームを編成して着手し、1872年に完成。それから2年間に渡って随時納入された。ディナープレートやコンポートに及ばず、デミタスカップ&ソーサーや調味入れなどの小物に至るまでが一同に揃えらた。」「依然として人気を維持し続けた《エジプトコレクション》は、新しいバージョンも加えられながら、1930年頃までリプロダクションが続けられ。」


参考文献:「イタリア陶磁器の伝統と革新-ジノリ展」
一部引用/要約「スエズ運河の開通により、地中海と紅海はつながった。この出来事は、経済的・政治的に大変影響を及ぼし、エジプトは文化や芸術の分野も含めて国際的な重要性を担うことになった。ジュゼッペ・ヴェルディーによって作曲された「アイーダ」や、豪華な総督のための食器セットも、これら多岐にわたる催しの一環。それぞれの食器の装飾の独自性は、パルメット、飾り紐、パピルス、蓮の花等の古代エジプトの伝統的モチーフから着想を得た形状と装飾における、系統だった統一感の中で培われた。ジノリ窯絵付師のまとめた「ファラオの手本集(1907年)」は、オリジナルを当世風に改訂する作業と時代性を記録しており、復刻版の変遷を知ることもできる。」

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