先日、山奥の秘湯に行きました。
その温泉旅館は開放的な景色を眺めながら入れる露天風呂が人気です。
露天風呂は男女別となっていて、山景色のワイルドさで特に男性浴槽は賑わっていました。
私が露天風呂の暖簾をくぐった時、ちょうど着替えを済ませた方がいらして、お風呂は貸切状態。
ほんと不思議なくらい、女性の露天風呂は私一人の時間が流れました。
秘境の露天風呂はゆったりと時間が流れ、温泉も素晴らしく、ついぼんやりしてしまうのでした。
そうしているうち、30代位の女性でしょうか、やっと入浴者が現れました。
女性が入ってきて、気がついた時には女性は堂々とカメラを構え、浴槽やら風景やらを撮影しているではありませんか!
それは防水カメラで、シャッターを切っても音がしませんでした。
温泉の湯口、温泉にカメラを沈めたりして何かを撮影していました。
男性の浴槽とは壁で仕切られてはいますが、湯口の下からは男女の温泉は繋がっており仕切りはありません。
露天風呂から見える景色を撮影したかと思うと、引きで浴槽を撮影・・・
入浴している間、ずっとカメラを構えたままです。
何十枚撮影するのでしょうか、その女性の態度にだんだん苛立ちを覚えました。
写真を撮りたいなら、一言裸の入浴者に許可を頂いてから撮影するというのが温泉のマナーだと私は思います。
そうでなければ、人を写したか否かにかかわらず盗撮ではないでしょうか。
開放的な気分も一変し、とうとう我慢がならなくなってきました。
「まさか、こちらを撮っているのではないでしょうね?」
私の問いに「まさか!」の一言だけでした。
近年、WEBネタのために、常識をわきまえず撮影したものを公開してトラブルになるケースが多く、その報道もされています。
気軽にデジカメ等で撮影できるので、何も考えることなくシャッターが切れます。
カメラがまだフィルムだった時代は、そうではなかったはずです。
何を伝えたいか、そこにどんな思いがあるのか?
撮影や自由な主張の前に、人としての姿勢、人同士が共存していくことへの思いやりや、生きることの尊厳を心に留めてほしいものです。