山咲雛子の日記

毎日何かを好き☆と感じ、感謝して、頑張っています。時間が沢山あったら、ゆっくり自然の中で過ごしたいです♪旅もしたいな♪

ザ・ウィンザーホテル洞爺 あらし山 吉兆

2016年06月10日 | 

「吉兆」とは神社用語で「よいことが起こる前ぶれ」なのだそうです。

ミシュランガイド2012年特別版で★2つ獲得している日本料理店です。

総床面積約二百坪(660㎡)という、ホテル内の料亭としては国内最大規模の「あらし山 吉兆」。

本店京都嵐山の幽玄な風情をそのままに再現し、ホテルの中とは思えない、まさに「吉兆」の世界が広がっています。

本店さながらにしつらえたといわれる竹の門。

そこから先は、世界観が変わります。

打ち水を施した路地や苔むした石灯籠。飛び石伝いに進めば風情ある本格的な茶室、池を配した中庭を手前に、母屋の玄関を入ると、格調高い書院作り、風雅な数奇屋作りなど、部屋毎に異なるお座敷が展開されているそうです。

フロア席に案内されました。

「目出度」は、今回の「マイ・イベント」に合わせ選ばれた掛け軸ですね。

海側の眺めも堪能でき、清々しい印象のお部屋でした。

今回予約したのは「野々宮」(5000円7品:フロア席10%サービス料・消費税8%除く

後日談ですが、「野々宮」コースは、2016年6月30日にて、一旦販売を休止するそうです。

 ◆料理内容◆ 料理長お任せ

*小向附

*煮物椀

*八寸

*焚合

*焼物

*御飯

*菓子

ふかふかのおしぼりと薄味の梅昆布白湯。

スタッフさん一番のおすすめ、純米大吟醸「吉兆貞翁」(300ml 4500円)

岐阜 白扇酒造さん。

吉兆さんでは、この酒蔵の味醂を使っていることからタンク買いしているそうです。

どんな料理でも邪魔することなく、飲みやすいお酒でした。

最初のお料理は「お野菜のあちゃら」。

この小鉢、シンプルなようですが、とても奥が深い料理です。

小松菜の茎をを糸三つ葉位に細く切り、歯ごたえも残しつつ、繊細に切られた大根や柚子や様々なお野菜がそれぞれの個性を出しつつ、それぞれが凄い主張もしない、摩訶不思議なバランスなんです。

毎朝、こんなお野菜が頂けたら、と思うほど気に入りました。

 鱸の下にジャガイモモチが敷かれた「煮物椀」。

「目出度」に合わせ、鶴のお椀となりました。

料理長からの「目出度」のプレゼントは、お赤飯。

(少し食べてしまい撮影しています)

次の「目出度」は、可愛い「オシドリ」の器で運ばれてきました。

雌が茶色、雄が華やかな色。

雄が雌に親愛のポーズを示しているのでしょうか?

私自身、着物やその小物類も「オシドリ」のはいった物が大好きなので、4-5月の歩きの四国お遍路では、ご朱印帳や、杖袋も「オシドリ」が刺繍されたものを選びました。

こんなところでも、お遍路と「マイ・イベント」の出来事が重なってくるのだなぁ~と不思議を感じました。

オシドリの蓋をオープンすると、こんな感じです。

アイナメのお料理が、まるで鯛みたいに身の味が濃くて印象的でした。

一番下のものは「白い出汁巻卵」なのですが、鶏に貝殻の粉を餌として与えると、白い卵を産むんだそうです。

その白い卵をつかって焼くと「白い出汁巻卵」ができるそうですが、味に関しては凄い感動はありませんでした。

餡をかけた湯葉の下には、北海道ならではの温野菜がゴロゴロ入っていました。

食べる早さのタイミングに合わせ、羽釜で炊いた北海道産の白米。

山菜の天婦羅と白身魚の幽庵焼き。

キャベツの浅漬け、しば漬けだけでもご飯が進みました。

〆の冷菓子。

 

食事が終わってみて、豊かな〝北海道の大地と海の恵“と京料理の融合を繊細な心を尽くしてもてなすという、店舗のスタンスを感じました。

今回の食事の食材は、北海道の大地に根ざしたもので、決して華美な食材はなありませんでしたが、ひとつひとつの食材に思いと手間暇をかけて「華」のある料理に仕上げ、一期一会のおもてなしの心を感じるものでした。

真白なプレートに絵を描くような華やかな盛付けのフレンチは、見た目にもわかりやすいのですが、日本料理というのは「茶の道」に通じているのか、その席が開かれる意味に合わせ、掛け軸の選定から、器、それに合う料理の選定・・・地味なことの、細かいことができる包丁の技術の蓄積、日々の鍛練など、気が遠くなりそうなど努力と忍耐の先にこそ、本当の「おもてなし」の精神が息づいていると感じました。

人が求めているのは、勿論生きることを継続するための食事が必須であるけれども、その先にある究極の贅沢は、「調理人が、私(自分)の時間をを大事に思ってくれて、そのためにその方が費やした苦労や経験や蓄積された技術とチャレンジを活かし、季節感と土地の産物をうまく伝える情報発信できる経験があり、その先にある、もてなしの篤い思い」が感じられたら、それは幸福すぎるほどの究極な食への欲求であるといえると思います。

そんなことを感じつつ、日本料理の奥の深さに、そうしてこの価格であたたかいおもてなしを頂いたことに感謝しています。