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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

妻島芳郎

2018-04-15 19:23:08 | 日記
1966年

六回のマウンドへ歩きながら、頭の中にフッと思い出したくない意識がわきあがった。こういったことはこの日に限ったことではなく、先発して六回以上投げたときはほとんど起こっている。しかし、いまだに対策がたっていたないことなのである。いまから五年前のノンプロ日本通運に勤務しているころだった。ある日、藤田監督からささやかれた。「なあツマ、お前は初回と六回にくずれるクセがある。その二回をとくに注意したらピッチングがグッと締まってくるんだが・・・」それまで気がつかなかったが、妻島は自分の記録を調べて六回と初回にとくに打ち込まれていることを発見してドキッとした。ことしは東京の五年生。しかしまだ初回と六回のプレートを踏もうとするとき、藤田監督の言葉が聞こえてくるそうだ。「意識しまいと思えば思うほど、意識してしまう」五回まで金光のヒット一本に押えてきた。ところが、六回はボールが浮いて近藤和に右翼線へ痛打され、アスプロにもゴロで中前へ打たれて一、二塁。それまでの安定したピッチングからは考えられないように打たれた。つぎの金光にも右前へ合わされた。しかし、池辺の強肩に救われた。妻島はいう。「スタミナ不足も六回に打たれる原因の一つかもしれない。だが、それにしても六回は打たれるような気がしてならないという先入観をなんとかなくせないものだろうか」腕を組んで考え込んだ。五回までは強打者ぞろいの大洋打線を完ぺきに近い投球で押えた。ストレートを中心に、カーブ、シュートが外角いっぱいにベース上を通過した。六日の近鉄戦(藤井寺)でも先発し、五回までを無失点に押えながら、六回に3点とられた。魔の初回と六回これをどのように切り抜けるかが、いまの妻島の大きな課題だ。

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