今年も出ました女房のお雛様。
いつ彼女が出すのかと、興味深く待っていた私です。
いちおう、毎年女房は出す。そのときに必ずいう。
「私、このお雛様好きなんだ。いい顔してるでしょう。お父さんたちが、お金
がないのに私のために買ってくれたんだ」
わが女房ながら、このセリフは私を泣かします。彼女の両親は、2Kの都営
住宅で女房と弟を育ててきた。私が最初に女房の育った家に行ったとき、あま
りの小ささに驚いた。貧しいながらお父さんたちは、二人の子どもをこんな狭
い家で育ててきたんだな、と思った。
彼女の両親とは、これまで私は22年間付き合ってきましたが、すばらしい
人です。
女房は長女で、かなり両親から愛されて育てられてきた。その証拠が、この
お雛様だと思う。
女房は、今日も買ってきたのですが、雛あられをお雛様にそえます。息子た
ちが小さい頃、朝、前の晩より雛あられを少なくしていう。
「夜、お雛様が食べたのよう。昨日より少なくなっているでしょう」
3、4歳ぐらいまで、息子たちはその言葉を信じていたようです。そしても
う少し大きくなると、そういう母親を冷たく見つめたそうです。アタリマエダ…。
出すのは毎年雛祭りが迫ってからなのに、しまうのは遅い。いつの年だった
か、ゴールデンウィークに引っ込めたことがあった。「どうせうちは男だから、
嫁に行くのが遅れることはない」と女房は、明るくいう。私としては、「2月
の中旬には出して、3月の中旬にはしまったら」というのだが、毎年同じこと
が繰り返されている。
会社の休憩時間、お雛様の話になった。あるおばさんの家では、「檀飾りの
お雛様を買ったけど、最近出すのは、男雛と女雛だけね」とくったくなく笑う。
その他のものは、買った年だけ出したが、それ以降は、男雛女雛以外の人形は、
ず~と押入の箱の中だそうです。家も狭く、出すのがめんどくさいというのが、
ほんとうのところのようです。だったら、最初から男雛女雛だけのものを買え
ばいいのに、と思ってしまう。
みなさんの家では、お雛様はどのようになっているのでしょうか?
我が家の洗濯機もとうとう健康体ではなくなり、2月の吉日に購入した。
まだ、洗濯能力はあったのです。だけど、女房がいうのには、「脱水が弱い」
ということだった。それで自動で洗濯が終わった後、脱水だけを行うようにス
イッチを選択すると、すすぎのためなのか、水が洗濯槽に注がれてしまう。結
局脱水だけができなくて、すすぎから脱水というプログラムになってしまうよう
だ。それで脱水まで進み、終わってみれば洗濯物に水分がかなり残っている。
そういうわけで、洗濯物の乾きが遅い、と女房はいつも洗濯のたびにブーブー
いっていた。
そんな状態だったが、まだ洗濯ができるうちに新しい洗濯機を買う気が、私
はなかった。
しかしある日、ラオックスの洗濯機売場に行くと、「リサイクル法4月から
はじまる」というような張り紙があった。その下に、引き取り価格、冷蔵庫
4,600円、洗濯機2,500円と書いてあり、2月中無料と書いてあった。
(どうせ近いうちに買うなら、今買うか)
と、貧乏根性の私はこころで思ったのです。
6キロ洗える全自動洗濯機で、39,800円でした。
女房は、よろこんでます。
6キロタイプは大きいですね。今まで、2度に分けて洗っていた洗濯物を1
度で洗える。息子たちの洗濯物が多くて、女房がフラメンコ、残業で帰りが遅
いとき洗濯をしていた私も、思わずほくそ笑んでしまいます。
この洗濯機が壊れる頃は、私たちの暮らしはどうなっているんだろう。おそ
らく息子たちはいないんだろうな。私と女房の少ない衣類を寂しく洗っている
のだろうか。
でも、息子がパラサイトシングルで家にいたりして…。