今日、班長と2人で昼飯を食っていたら、
工場長が休憩室にやってきて、
「この前の話、あれは消えてないからな」
という。
先週の月曜日、工場長に呼ばれ、
「4月から生産管理に行ってもらいたいけどいいか」
といわれた。
もともと私は、
生産管理として今の会社に入社した。
それがなぜか1年で製造にまわされ、
12、3人の女性を使って製品の仕上げをし、
昨年、成形の現場になった。
いいもわるいもない。
製造現場の仕事は私に合わない。
私は「いいですよ」と答えた。
ところが、班長も副課長もいい顔をしていない。
どちらも私より10歳ぐらい年下だ。
「あれは工場長が勝手に決めたことだから、
あの話はないことと思って下さい」
なんていう。
実際のこと、工場長は親会社から来て、
会社のことをよく知らない。
知らないというのもおかしい、
もう工場長になって3年はたつ。
結局、私が生産管理に戻る話はないことになった。
そんなことで先週は中途半端な想いで過ごした。
(いったい、この会社は誰が経営しているのか)
おそらく具体的に経営の方針を持って
やっている人はいないようだ。
役職についている者が、
狭い自分の責任範囲を
汚れないように必死に守っているだけだ。
他のところは知らない顔している。
そして月に1度の親会社の視察の日だけ
ゴマをすり過ごせばいい。
下の者たちは日々肉体を酷使して、
製品をつくり、出荷しているが、
それらを管理するバカ野郎たちは、
自分の立場だけを考えて会社にいる。
労働組合は去年つくられた。
しかし、ほんとの意味で
私たち労働者のためになってない。
会社側に認められない者たちが、
自分の言い分を
会社側にいうためにつくっただけのことだ。
選挙もなしに役員になり、
われわれの意見も集約しないで、
経営者側と交渉している。
どこかの大きな労組がうちの労組を指導している。
その人をたまに見るが胡散臭い顔をしている。
私は労働組合運動なんていうものも信用してない。
昔、生協で働いていたときいやな思いをした。
会社にいると私は息がつまりそうだ。
それでちゃんと呼吸するために、煙草をやめた。
いったい私の立場はどうなるのだろう。
どうなってもいい。
分かってることは、
会社に居続けなければならない、ということだ。
もうすぐ50歳になる私に、転職はありえない。
家族のため、自分のため、
どんなことがあっても会社に居続けなくてはだめだ。
したたかに…。