花の女王ランの神秘

2002年04月08日 | 植物・花

しかし、自然というものは、まったく不自然だ。

だって、植物であるランがなんの意思で、
花びらを雌バチの形に変形し、
なんの罪も無い雄バチを誘い
花粉を運ばせるという巧妙なことをするんだ。
それもある1種類のハチだけをターゲットにしている。
このハチにしたらたまったものではない。
冗談じゃない。
まるで“結婚詐欺”ではないか。
これは「ハンマーオーキット」というランです。

もっとおれを混乱させるランがいた。
「アンダーグランドオーキット」というランだ。
よりによってなんで花を咲かす植物が地下にいるんだ。
植物は光合成によって生きている、
なんてこたァー、アルコール依存症(関係ないか)
のおれでも知っている。
光合成なんてものは太陽の光があってこそ成り立つ。
その植物がなんで“日陰”の人生を歩むのだ。

ランの種は栄養分をほとんど持たないという。
それでほこりのように小さくて、
風に飛ばされどこへでも行く。
国を越える種もあるという。
地面にたどり着き、芽を出した種は、
地中からラン菌というものを取り込んで、
それを栄養にして育つ。
普通のランはそこまでなんだが、
「アンダーグランドオーキット」は
人生すべてラン菌にすがって生きていくという。
それで太陽の光が必要でなくなり、地下にもぐった。
まるでおれの人生のようです。
ああ…、おれだって太陽の光が欲しい。

それにしても、こいつだって植物だ。
種族繁栄のため種をばら撒かなくてはならない。
地下ということは果実も土の中だ。
それをどうするかというと、
あるねずみの大好きな味に進化させて
種を運ばせることを考えた。
いや、考えるわけはないな。
じゃ、どうしたんだろう。
しかし、このランたちに知性がなかったら、
こんな進化はなかったろう、と思う。
でも花に知性があるのか。

今夜観たテレビ「地球・ふしぎ大自然」(NHK)
でこんなことを考えた。

コメント
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