昨日の九想話は眠さのため手を抜いてしまったので、
もう少し昨日のライブのこと書きます。
正直いって、早川義夫のライブのことは忘れていた。
職場が変わり新しい仕事を覚えるために、
毎日必死になって働いている。
やっと仕事が終わり、
家に帰ってビーシュでも飲もう、
とぼんやり考えていた。
午後6時50分に会社の駐車場を出たとき、
ケータイがなった。
Sさんからの電話で、今ライブ会場にいる、
ということだった。
所沢市民文化センター「ミューズ」まで
私は車で行った。
もう少し時間があれば家に帰り、
電車で行くのですが、
いけないとは思ったが
車は航空公園わきの道路に停めた。
「ミューズ」は航空記念公園の隣にあるのです。
「ミューズ」には3つのホールがある。
早川義夫のライブは、
一番小さいキューブホールだった。
ここは初めて入った。
急傾斜な客席に三方を囲まれてステージはあった。
なかなかキュートなホールだった。
演劇をやってもいいだろうな、と思った。
私が会場に入るとピアノのわきで、
ひとりの男がサックスを静かに、
ときに熱く吹いていた。
共演の梅津和時だった。
ソロが終わり、梅津がライブの説明をした。
「始まったら最後まで何の語りもなく続く。
休憩はない。アンコールもしない。
なかほどで私のソロのとき、
トイレに行きたい人は行ってくれ」
小柄な早川義夫が現れた。
黙ってピアノを弾き始め、
それに梅津のサックスが重なった。
彼の語るようにうたうのを聴いていて、
「百年の孤独」の味が蘇ってきた。
先日ブロックヘッズで、
早川義夫のCDを聴いたとき、
「百年の孤独」を飲んでいたからだ。
何曲目だったろう。
三曲目ぐらいかな。
「サルビアの花」のイントロが始まった。
私の心は泣く準備に入った。
この曲を聴くと昔の失恋を思い出して
泣けてくるんです。
梅津は、曲ごとに楽器をかえる。
アルトサックス、ソプラノサックス、
クラリネット、バスクラリネット、
あれもピアニカといっていいのかそんなもの。
アルトとソプラノサックスを
同時にくわえて吹くのは衝撃的だった。
早川義夫ワールドといっていい
彼独特の雰囲気の曲たち。
けっして魅力的ではない声だが、
静かな声から迫力のある声量まで
早川の歌唱力に圧倒された。
所沢でのライブ録音が7月にCD化され
発売されるという。
これはぜひ買いたいと思う。
ライブが終わりロビーに出ると、
楽家の常連たちがいた。
結局、みんなで楽家に行った。
それで昨日は…。