16日の夜11時ぐらいからこの番組「君が僕の息子について教えてくれたこと」は始まった。
私はその日、実家から183キロほどを車で帰ってきて疲れきっていた。
テレビの前で寝てしまい、目が覚めてぼんやりテレビを眺めていたらその番組が始まった。
13歳の自閉症の少年の書いたエッセイ「自閉症の僕が跳びはねる理由」を
アイルランドの作家が読み、心を動かされてそれを翻訳した。
そしてその本は、イギリスやアメリカでベストセラーとなった。
以下は、「NHK ONLINE」 の番組紹介文です。
> この本を英訳したのは、アイルランド在住の作家デイヴィッド・ミッチェル氏。
> 彼にも自閉症の息子がいる。日本語教師の経験があるミッチェル氏は、
> 東田さんの本を読んでまるで息子が自分に語りかけているように感じたと言う。
> 息子はなぜ床に頭を打ちつけるのか、なぜ奇声を発するのか、
> 息子とのコミュニケーションをあきらめていたミッチェル氏に希望の灯がともった。
> そしてミッチェル氏の訳した本は、自閉症の子どもを持つ、世界の多くの家族も救うことになった。
うまく話せない彼が、文字盤やキーボードを使うと
自分の細やかな気持ちを伝えられるようになることが、私には不思議で感動しました。
私は以前、知的障害者の作業所で働いていたときに5・6人の通所者を担当していた。
担当といっても、作業のときは全員を見ています。
1日が終わってから、担当の子たちの様子を、ノートに記録していた。
それをもとに、これからどのように指導していくか職員たちで考えた。
私の担当している子たちの中に自閉症のT君がいた。
彼は22・3歳だったと思う。
T君のお父さんは、日本の大手電気メーカーに勤めていて、
彼の小学生時代は家族でイギリスに暮らしていたらしい。
なので彼は英語が話せるということだった。
知能は普通にはあったと思う。
口数は少なく、作業所でいつも1人でいたが、私にはよくいろんなことを話してくれた。
彼が、昼休みによく飛び跳ねていた記憶があります。
T君が家ではお母さんに暴力をふるっているということだった。
ときどき、彼が何日も作業所を休むことがあった。
そんなとき私は、彼に「どうしてる?」などと電話をして、作業所のことなどを話した。
T君は今、どうしているだろう?