昨日の夜の11時半から「サクラサク」という映画をやっていた。
私は本を読んでいたので録画した。
それを今日観た。
大手家電メーカーに勤める大崎俊介は、部下からも慕われ上司にもよく思われていた。
しかし、家庭の中は悲惨な状態だった。
妻とはまともな会話はなく、大学を落ちたフリーターの息子の大介は、家に帰ると自室に閉じこもってしまう。
高校生の咲子は毎晩帰りが遅く、俊介の忠告も聞かず何を考えているかわからない。
俊介が会社の仕事に夢中になっていてふと気づくと、家族はバラバラになっていた。
そんなとき、父・俊太郎が老人性痴呆症の症状になってきた。
大雨の夜、俊太郎が徘徊しているところを警察に保護され、その日を境におかしな行動が増えていった。
俊介は、自分を育ててくれた父親を守ろうとがんばる。
だが、妻や子どもたちは知らんぷりのように見えた。
ところが父親よりも早く祖父の老人性痴呆症に気づいていた大介は、おじいちゃんの介護をしていた。
粗相をした祖父の身体を拭いたり、紙おむつを買ってきて祖父に着けてやり、それを処理したりしていた。
家族のことを何も考えないと思っていた息子のやさしさあふれる行動を見て、
家族のことをきちんと見てこなかったのは自分だったと反省する。
ある晩、俊介は父親から遠い過去の思い出を聞く。
「家族と暮らした思い出は、敦賀のあのお寺だけだ。春、桜の花が満開で美しかった」
あいまいな様子で思い出を語る父を見ていて俊介は決意する。
一家は一台のワゴン車に乗り込み、初めての旅に出る。
おじいちゃん役の藤竜也の演技がよかった。
老人性痴呆症になっていく俊太郎を見ていて、私も悲しくなってきた。
私もいつの日かああなってしまうのだろうか?
60過ぎて物忘れがひどくなってきた(現在の私は痴呆症とはちがうと思う?)。
痴呆症になって女房に(できれば)介護されたくない。
老人性痴呆症の演技をしている藤竜也を見ていて、涙が止まらなかった。
原作は、さだまさし、小説を読んでみたいと思う。