黒澤明のやさしい目

2020年11月25日 | テレビ

BS1スペシャル
黒澤 明の映画はこう作られた~証言・秘蔵資料からよみがえる巨匠の制作現場~
という番組を録画したものを今夜観た。
あらためて黒澤明という映画監督はすごい人だったんだな、と思いながら観た。
ものを作るということは、あれほど厳しくやらないと良いものは作れないんですね。
その黒澤でさえ、自殺未遂をしている。
あのいろいろな人の証言の中で私は、山﨑努の話が一番よかった。
映画「天国と地獄」のオーディションを25歳の山﨑が受けた。
彼は俳優のくせにそれまで相手役の目が見られなかったそうだ。
黒澤監督が、黒めがねを外して映画のラストシーンの相手役をやってくれた。
その黒澤の目は、どんなことでも受け入れてくれるやさしい目だった。
「おまえが今困っていることは全部分かっている。だがら思い切ってやりなさい」
といわれた。
「僕はあの目に誘われて初めて相手役の目が見られた。うれしかった。
ほんとうにうれしかった。もうオーディションなんかどうでもいいと思った」
もっとたくさん山﨑努は話していたが、言葉を拾いきれません。
その黒澤監督との思い出を話している山﨑努の表情が素敵だった。
この録画は消さないで、ずーっととっておこうかなと、思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする