バストン

2007年02月08日 | 健康・病気

女房が、「こんど小学校でフラメンコを踊る」という。
そのときに、
「バストン(杖・ステッキ)を使った踊りをやるの。
 バストンの練習を公園でするから一緒にいて、
 ひとりで公園で踊っているのは恥ずかしい」という。

近所にある中央公園に行く。
ここんところ暖かい天気が続いている。
今日も“春”といってもおかしくない陽気だ。
小さな子どもたちが駆けずり回っている。
ふいに息子たちの幼かった頃を思い出してしまう。

下がコンクリートのところを選んで女房は練習を始めた。
左足を上げて降ろしたときの音のあとに、
右手に持ったバストンをコンクリートに当てる。
右足を踏みならしたあとにバストンの音を鳴らす。
これがスピードあるリズム展開で繰り返される。

私はすることもなくそんな女房の練習を眺めている。
女房は必死だ。
私の心の中は“崖っぷち”だ。
ウォーキングをしている老人たちが私と女房を見て、
何やっているのだろう?、という視線で通り過ぎる。
走り疲れた子どもたちが近くに寄って見つめている。

あるていど練習した女房は私に「やってみて」という。
「いいよ、おれは…」
「運動と思ってやって」
(なんでおれがやらなくちゃなんねぇんだ)
と思いながらも私はやる。
足とバストンのリズムパターンを女房に教わりやってみる。
むずかしい。

女房が私の気持ちをほぐそうとがんばっているのが分かる。
しかし、私の心は深く谷底に落ち込んでいて
這い上がろうとする気持ちがおきない。
救いようのない“宿六”です。


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陶芸1年

2007年02月07日 | 健康・病気
今日は陶芸教室の日だ。
先週手びねりで皿1枚と
電動ロクロで3つの茶碗を作った。
それの高台を削って作るのだが、これがむずかしい。
高台とは陶器の底のところです。
たくさん削らないとうまくならない。
なにしろいっぱい削って、
多くの経験をつまなければならない。

去年の2月に陶芸教室に入った。
今日で1年が過ぎたということになる。
まだなんにも分からない。
陶芸はむずかしいということだけは知った。

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ちゃん

2007年02月06日 | 健康・病気
今日、久しぶりに山本周五郎の小説を読んだ。
この何週間かおれはすごく落ち込んでいます。
それで手に取ったのが、
人は負けながら勝つのがいい」山本周五郎(学陽書房)という本だった。
おれの数少ない蔵書(なんか大袈裟な言葉だな)の1冊で、
その本の最初にあるのが「ちゃん」という小説です。

重吉というおれみたいな呑兵衛が、
毎月の14日と晦日(みそか)にくだをまきながら長屋に帰ってくる。
この日は勘定日で、職人たちが賃銀を貰う日であり、
またかれらの家族たちが賃銀を持ってくるあるじを待っている日でもある。
夜遅く、長屋がひっそりしているときに、
重吉はよろめいて帰ってきて、戸口のところでへたりこんでしまう。
「銭なんかない、よ」
「みんな飲んじまった、よ」
すると雨戸をそっとあけて、長男の良吉か、かみさんのお直が呼びかける。
「はいってくれよ、おまえさん」
「ご近所へ迷惑だからさ、大きな声ださないではいっておくれよ」
喉をころしてお直がいう。
「ちゃん、はいんなよ」と良吉なら云う。
「そんなところへ坐っちまっちゃだめだよ。こっちへはいんなったらさ、ちゃん」
たいていの場合、お直と良吉で、重吉の片はつく。
しかし、それでも動かないときには、3つになる末娘のお芳が登場だ。
「たん」もちろん父(ちゃん)の意味である。
「へんなって云ってゆでしょ、へんな、たん」

重吉のまわりで、冬は足踏みをしていた。(いい文章だな~)
ある晩、重吉が昏(く)れがたの街を歩いていると女が呼びかけた。
そしてそのお蝶の店で飲む。
中にはいってみると新助がいた。
日本橋両替町の店は、五桐火鉢という物を作っている。
重吉と新助はその店の子飼いの職人だ。
新助はそこで働いていたのだが、五桐火鉢が売れなくなりはじめた頃、
かれは店を出て独立し、流行りの火鉢を作って景気よくなっていた。
売り上げの悪くなった店に残った重吉は、相変わらず貧乏だった。
新助は重吉に店を出て独り立ちすることを勧めた。

こんなふうに書いていくと、終わりまでいきそうだ。
短い小説だから読んでない人にはぜひ読んでもらいたい。
新潮文庫ではどれに載ってるのかな。

おれは、はからずにも読んでいて涙を流してしまった。
過去に何度か読んでいたのにです。
やっぱり周五郎はいい。
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サラリーマン川柳

2007年02月05日 | 健康・病気
第一生命保険が5日に、
サラリーマン川柳コンクールの入選100作品を発表した。
「ベスト10」を選んで5月に発表するようだ。
私も選句してみた。
一番好きなのは「82」番の句ですね。

15  「時間よ」と 二度寝する妻 起きる俺      塚丸
17  飲もうかと 言えば部下すぐ 車です       小玉虫
46  大いびき リモコン切ったら「見てたのに!!」   お手上げパパ
48  絶滅の 危機に瀕する 吸える場所             てんてん
54  飲み屋では 常に情報 漏えい中               酔い太郎
60  ケータイは 携帯してくれ 母さんよ           不通者
62  このオレに あたたかいのは 便座だけ         宝夢卵
66  犬はいい 崖っぷちでも 助けられ             オレも崖っぷち
73  忘れぬよう メモした紙を また捜す           敢山
82  帰りたい 我が家ではなく あの頃に           ノスタル夫
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カレッジ・フォーク

2007年02月04日 | 健康・病気
朝、「イルカのミュージックハーモニー」(ニッポン放送)
という番組の「イルカのふぉーく堂」というコーナーで、
キャッスル&ゲイツの「おはなし」という曲が流れた。
この歌は、私が高校生の頃よくギターを弾いてうたった。

♪ やさしいあなたのそばにいて
  一日中 おはなししたい
  いろんなことや ふたりのことを
  あなたは 知りたいでしょう

こんな歌詞だったかな。
女性とつきあうなんてことが遠い世界のことだった私が、
憧れた曲でした。
あまりにも懐かしくて、涙が出そうになりました。

この曲の他に、
「サボテンの花」チューリップ
「ケンとメリー~愛と風のように~」BUZZ
が流れた。
これも懐かしい。

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女子アナ転落死

2007年02月04日 | 健康・病気
日テレ大杉君枝アナ転落死、自殺か(日刊スポーツ) - goo ニュース

私はこのニュースを2日の夜に知った。
ショックだった。
そのときは、ただマンションから転落死ということだった。
3日の朝、この女子アナウンサーは
線維筋痛症(せんいきんつうしょう)の治療中」ということを知った。
この病気をネットで検索して調べて驚いた。
まだまだ私の知らない奇病があるんだな、と思った。

> 大杉アナは昨年10月の出産後、線維筋痛症に悩まされていた。
> 家族からの連絡によると、首から全身に痛みが走る病気で、
> 医師から「原因は不明」と説明されていた。
> 人によっては痛み止め薬が効かないこともある。
> 大杉アナは、今月11日で生後4カ月になる男児を育てながら、
> 全身の痛みとも闘っていた

> 多くの患者は「詐病」「怠け病」と見られ辛い思いをしてます。
こういうふうにいわれるとしたら辛いですね。

あまりテレビのことに詳しくない私ですが、
大好きな番組「所さんの目がテン!」に出ていたとき、
鈴木(旧姓)君枝アナウンサーを知った。
私はこのアナウンサーが好きでした。

合掌
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ツキコさん

2007年02月03日 | 健康・病気
ある駅前の一杯飲み屋に入ると、ひとりで酒を飲んでいる女性がいた。
肩ぐらいまでの真っ直ぐな黒髪がきれいだ。
背筋をすっと伸ばして酒を飲む姿が、その店に場違いな感じがする。
そのすらりとした背中が他の客すべてを拒否していた。
といってもその店にいることをゆるりと楽しんでいる様子が見える。

そのうち初老の背広を着た紳士がふらっと店に入ってきた。
自然な感じで女性のとなりに坐った。
店主のサトルさんに酒とつまみを頼む。
女性は相変わらず手酌で飲んでいる。
初老の紳士も黙って自分のぐい飲みに酒をついで飲んでいた。

おれは知っている。
女性はツキコさんという名で、紳士はセンセイだ。
おれはふたりに話しかけたかったが、よした。
おれなんかが入り込める隙間はふたりにはない。
おれも黙って手酌で酒を飲み続けた。

ここまで書いたことはつくり話です。
川上弘美さんの「センセイの鞄」という小説を先週読んだ。
よかった。久しぶりにいい小説を読んだ。
主人公のツキコさんとセンセイがよく行った居酒屋に、
私も行きたいと思った。

ツキコさんて、川上弘美さんそのものだな、と思った。
私は彼女とパソコン通信のオフ会で会い、酒を飲んだことがある。
ネットで句会をし、オフ句会も何度かやった。
句会で落ち込んでいるときになぐさめのメールもいただいた。
遠いむかしのことです。

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削除九想話復活

2007年02月02日 | 健康・病気
2003年の7、8、9月の九想話は、
ウィルスに感染したので削除してしまった。
それを今日やっと復活させました。

どこかにそのテキストファイルはあるはずなのですが、
そのCDが見つからない。それで、
アサヒネットのかしの木亭談話室のLogからコピーした。
こういうとき、九想話をアサヒネットにUPしておいたのがよかった。

いや~、大変な作業でした。
すごく時間もかかりました。
復活させても誰も見ないと思うのですが、
九想庵のオーナーとしては、
これまでの九想話が全部そろっていないのは忸怩たる思いだった。
私が京都、淡路島を旅したときのことが書いてある九想話などです。

毎日の九想話もですが、
「これまでの九想話」もぜひ読んで下さい。

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空気を読む

2007年02月01日 | 健康・病気
この頃、「空気を読めないやつ」なんていうことをよく聞く。
その場の雰囲気をつかめない人、という意味だ。

私は“空気を読める”男だと思っている。
その場の“感じ”をいつも非常に意識しすぎる九想は、
“空気”が分かりすぎて苦しいときが頻繁にある。

“空気を読める”ことはいいことなのか?
それは悪いことではないと考える。
しかし、生きていくうえでどうなのか?
ヘタに“空気”など読めないほうがいいのではないか。
その“空気”に合わせる自分がいる。
そして疲れてしまう。

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