徒然留学日記

30にしてドイツ留学を思い立ち、その後結婚。日々経験したこと、感じたことをつづっています

プロジェクト-攻防

2007-06-25 05:51:12 | 勉強
私が参加しているプロジェクトは、毎日ラジオゾンデを飛ばしたり、ライダーを動かしているわけではない。天気予報を元に、convection(対流)がよく起こりそうな日をIOP(Intensive Observation Period)と呼び、その日に観測をする。

IOPかどうかは途中で変更になることもあるけれど4日後まで予報されている。オランダやイタリアなどから来ている人もいるので、「完全OFF日」というのが早めに決まれば一時帰国する人もいる。

いつIOPを行うかは毎朝7時からのオペレーションセンターでのミーティングで決定される(翌日以降のIOPについて)。オペレーションセンターに滞在したとき毎朝私もこのミーティングに参加した。といっても、ドイツ語だったので、あまりよく分からなかったけど。

週末、天気予報的には「ちょっと面白そうな天気になりそうだ」と報告され、1人は「土曜日、IOPにしよう」と言い出したが、別の1人が、

天気予報だけを元にIOPかどうかは決めてはいけない。観測する人たちのことを考えないと

といいだした。観測するときはチームによっては朝4時から翌深夜1時まで観測したりする。さらに、土日くらいは休日にしてもいいのでは?ということらしい。で、IOPにしよう、と言い出した人が、

自分は観測しているチームみんなとコンタクトを取っていて、彼らはとてもモチベーションが高いから大丈夫だ。こんなに興味深い日はもう来ないかもしれない

と。私はかなりこの人寄りで、3ヶ月という短い期間の中、取れるデータは取っておきたい、と考えるので、最終的にこの週末が完全Offになったのは意外だった(天気予報が変わったのかもしれないけど)。

その後、とある観測場所に行った。そこは2人でやっている。彼らはIOPだと朝4時くらいから午後11時くらいまで観測する。

ある日、そのチームからオペレーションセンターにSOSが入った。

誰か手伝える人を回してくれないか

と。たまたま来ていた学生さんが現場に向かった。

その日の夜、SOSを出した人と一緒に夕食を食べた。彼は2人で観測しているから

食事をする時間もない。1時間も自由になる時間が無い

と言い、その日手伝いに来た学生さんに関しては、

戦力になる人が欲しいんだよ。今日教えれば2,3日後に使えるようになるかもしれないけれど、「今」欲しいんだよ。自分はいつか、教授になりたいと思っているから、教えるのはかまわないけれど、「今」は無理

なんか、ものすごい現実を見ちゃった気がする。この彼は陽気なイタリア人だけれど、会ったとき、ものすごく疲れている感じがしていた。その理由を見た、って感じだった。翌日、オペレーションセンターからその彼に連絡をした。

今日も学生、必要?

当然、断っていました。

土曜のBBQのとき、IOPの話になった。

月曜のサイエンスディレクター(日替わり)はAなんだよね。彼さ、IOP好きじゃん

この後、特にだからどう、っていう発言はなかったけれど、やっぱり現場と指令では温度差があるのかしら。

今のところ、毎週末(土日)完全Off日。こういう攻防が繰り広げられているのかしら。でも、今週は完全Off日ではないけれど、IOPをしない日が何日かある予定なので、今週末はどうなるかしら・・・?