自転車のサドルの上で・・・

サドルの上での気ままなひとりごと

陶片の温かみ

2010-03-08 | Weblog
 昨日行った出光美術館には陶片ばかりを展示してある部屋がある。
 古窯周辺のいわゆる「もの原」で出土した陶片を窯ごとに整理して展示している。ケースの下部には、引き出しがいくつかあって自由に引き出して鑑賞できる。これが面白い。陶片は焼成の失敗品で、気に入らない作品は窯だしして直ちに叩き割った破片である。
 板谷波山の収集家でもあった出光とは縁深く、ここは多くの作品を所蔵しているが、破片も展示されている。破片の展示はアクリル板を隔てて数センチなので作品(失敗作品)の温かみが感じられる。釉薬の調子が悪いのだが、窯に入れるまではちゃんとしたものであったはずで細かいところをまじかに見ることができる。
 波山の使っていた、陶芸用のかんなやへらなども引き出しにはいっており、波山の息遣いを想像することができた。
 2004年の映画「HAZAN」で榎木孝明が波山を好演していた。波山を良く知ったのはその映画以来のことなのだが、作品をすっかり好きになってしまっている。
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