昨日来、金正日死去の話題で持ちきりですが、個人的に今朝の新聞で読んで目を疑ったのが以下のニュース。
年金財源に交付国債…消費増税後まで負担先送り(読売新聞) - goo ニュース
年金交付国債を発行、国庫負担分に充当 政府方針(日本経済新聞)
日経記事から引用すると、
政府は19日、2012年度予算編成で焦点になっている基礎年金の国庫負担割合を2分の1に維持するための約2.6兆円の財源について「年金交付国債」(仮称)の割り当てで賄う方針を正式に決めた。交付国債は発行額を予算総則で定めるだけで、実際にお金を支出するのは先になる。これに伴い、12年度予算案での新規国債発行額は中期財政計画に定めた44兆円以下となる。
新規国債発行額は中期財政計画に定めた44兆円以下となる…要するにこれが狙いなわけですね。
「問題先送りとの批判を呼びそうだ」みたいにまとめてる記事もあったけど、問題先送り以外の何物でもない。
財政規律のための歯止めであるはずの44兆円枠を形だけ守ろうという。
いやー姑息な手段過ぎてビックリですわ。
ていうか、粉飾でしょ、これ。
民間には内部統制だのなんだの押し付けといて、腹立つな―。
交付国債ってのが素人にはよくわかんないんだけど、ウェブで調べてみると…
交付国債とは(コトバンク)
国が現金を払う代わりに発行する債券。受け取った側が必要な時にその都度、現金化できる。利子が付かず、発行時に全額予算計上する必要がないため、国の財政悪化を当面、防ぐことができるのが利点。国際機関への出資や、預金保険機構による金融機関の破綻(はたん)処理で使われてきた。他人への譲渡は原則的に禁じられている。( 2011-05-13 朝日新聞 夕刊 1総合 )
それを「利点」と言うか?とツッコミたくなる解説ですが…
譲渡性がないわけですね。
そんなリスキーなもの誰が引き受けるんでしょうか?
まあでも邦銀は引き受けちゃうんでしょうね。
我々から集めた預貯金がそんなよくわからん紙っぺらに変わるわけです。
「消費税率引き上げが実現した時点で交付国債を現金化する仕組みだ」って、あわわ、消費増税できるかなんてまだまったくわからないのに。
取らぬ狸の皮算用とはこういうことをいう。
なんだか恐ろしいことになってきてますな…