らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

奈良若草山の山焼き

2008-01-14 | 伝統行事

昨日(1月14日)は恒例の奈良若草山の山焼きが行われました。

例年、枯れ草の火が山の斜面に燃え広がり、壮大な火の祭典としてテレビに映し出されますが、今年は数日前の雨の影響で枯れ草が湿っていたためか、例年に比べて火の勢いが弱いように感じました。

地球温暖化問題で二酸化炭素の排出が問題視されている現在、農家における田畑の野焼きは厳重に取り締まられます。

しかし伝統行事のこの山焼きは問題ないのでしょうか? 

少し疑問を感じます。


理屈はさておき、若草山の山焼きはいつ頃からそして何を目的に始まったのでしょうか?

一説によると江戸中期に若草山の山頂にある鶯塚古墳から幽霊が出て、人々を怖がらせると言う迷信があったそうです。
そして翌年の1月頃までに山を焼かなければ不幸な事が起きると言い伝えられ、それによって通行人が放火する事件がたびたび起こりました。
奉行所から放火禁止の御触れが出ても、放火は続きました。
それが「鶯陵」に眠る霊魂を鎮める祭礼となって現在に至っているというもの。

また一説には春日大社、東大寺、興福寺の領地争いを仲裁しようとした奈良奉行が境界をあいまいにするために火をつけたと言う説もあります。

領地争い説には神社、お寺が異議を申し立てていると言われております。

どちらの説にしても、今では全国的に知られた奈良県の観光行事の1つです。

以前は京阪神から多勢の観光客がきたそうですが、テレビの全国ニュースで流れる近年はどうなのでしょうね。

各地の祭事などを見るときにその由来や目的を知っておけばまた別の見方ができて、今までと違う認識が持てるのではないでしょうか。

これからも各種行事について簡単に書いていきたいと思います。

 
(一言メモ)

 鶯塚古墳は5世紀ごろ築造された全国でも珍しい山頂にある全長103mの前方後
 円墳だそうです。

 仁徳天皇皇后の墳墓との伝承があるようですが詳細は不明です。

 名前の由来は、清少納言の「枕草子」に記されている「うぐいすの陵(みささぎ)」が
 この古墳と言われており、そこからこの名前がついたようです。