熊野古道を歩くシリーズの3回目は「三栖(みす)王子」をご紹介します。
「三栖(みす)王子」跡は「万呂(まろ)王子」から2㎞ほど先、小高い丘の梅林の中に石碑が立っています。
熊野御幸記には「ミス王子」とありますが、すぐ下を流れる谷川に王子社が映って見えることから、江戸時代には影見王子と呼ばれていたようです。
後に熊野街道中辺路は潮見峠越えがメインルートとなってこの王子社は廃れ、現在は、珠簾(みす)神社に合祀されています。
・三栖王子跡の石碑です。
三栖王子跡の石碑の隣には、額田王の万葉歌碑が立っています。
「三栖山の 檀弦(まゆみつら)はけ わが夫子(セコ)が射部(いめ)立たすもな 吾(わ)が 偲ぶばむ」 額田王(万葉集)
なお、射部(いめ)とは、張り番のことだそうです。
・額田王の万葉歌碑です。
「三栖(みす)王子」跡は小高い丘の上にあることから、ここからは見晴らしがよく、道中の疲れをちょっぴり癒してくれます。
・王子跡の周りに広がる梅林の間からの眺望です。
日本一の梅の産地と言われる南紀だけに、このような梅林が古道沿いのあちらこちらに見られます。
・熊野古道沿いの梅林です。