「株を守りてウサギを待つ」と云う諺があります。
この意味はいつまでも昔からのやり方や、一度成功した経験を守っていて融通のきかないことを笑って言う諺で、これは、中国戦国時代の法家である韓非の著書【韓非子(かんびし)】に出てくる言葉です。
「兎走りて株に触れ、頸を折りて死す。因(よ)りて其の耒(すき)を釈(す)てて株を守り、兎を復(また)得んことを冀(ねが)う。」
昔、中国宋の国の百姓が畑を耕していると、ウサギが飛び出してきて、田んぼの中の切り株に突き当って死にました。
それに味をしめた百姓は、それから農業を止めて、毎日切り株の番をして暮らしたと言います。
しかし、ウサギがやってくることは二度となく、男は国中の笑い物になったという故事から、古い習慣をいつまでも守っていて、進歩が無い事をこう言うようになりました。
翻って、日本の政治、経済、外交はどうだろうか?
バブル崩壊後の“失われた10年”が20年になり、更に四半世紀になろうとしていますが未だにデフレからの脱却ができていないこと。
外交面では韓国、中国に気を遣いすぎて逆に足元を見られ、領土問題が深刻化し、領海侵犯が多発していること。
政治面では相変わらず政局を優先し、国民のための政治ではなく、自分たちや公務員のための政治に明け暮れていることなど、反省点があるのではないでしょうか?
ある国の首脳が“日本のようにはならない”と言ったように、外国から笑い物になっていることに気づき、一時(いっとき)も早く誇りのある国に立ち直って欲しいものです。