らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

カシワ(鶏肉)の由来

2012-08-18 | 雑学

先日、二十数年前に同じ職場だった元同僚7人と久しぶりに堺で酒を酌み交わしました。
その席には女性2名も参加していましたが、酒の当てに鶏の空揚げが出てきた時、突然、その内の1名から「大阪では鶏の事をカシワと言い、鶏肉の空揚げをカシワのから揚げと云うのはなぜか?」と云う質問がありました。
そこで今日はその由来を調べてみました。

鶏肉を「かしわ」と云う言い方は肉食禁止令による隠語として生まれた言葉です。
即ち、仏教の国教化で天武天皇の三年(675)に肉食禁止令(牛馬鶏犬猿猴)が出て、肉食は禁止されましたが、肉を草木に例えた隠語が生まれ、植物と偽って食べ続けたことから生まれたものです。

鶏肉以外にも下記の肉に植物の隠語が当てられています。
本来の肉名   隠語         理由
・鶏肉      柏=かしわ   (地鶏の羽の色が柏の葉の紅色に似ている)
・猪肉      牡丹=ぼたん (肉の色が牡丹の花の色に似ている)
・馬肉      桜=さくら    (肉の色が桜の花の色に似ている)
・鹿肉      紅葉=もみじ  (肉の色がモミジの紅葉の色に似ている)

・鶏肉(カシワ)のから揚げです。(ネットより)


なお、肉食禁止令が解除されたのは約1200年後の明治5年(1872年)であり、牛や豚はその時以降に食べるようになったので隠語はありません。
カシワは、厳密には鶏肉全般ではなく、昔から日本で飼われている茶や黒い羽の鶏の肉です。しかし、最近では、ブロイラー種なども含めて鶏肉全般をかしわということが多くなっているようです。

現在、「かしわ」という言葉を使うのは、愛知県・富山県、近畿地方一帯と愛媛県の一部・福岡県・鹿児島県など西日本に集中しており、東日本では秋田県だけだそうです。
何故、西日本中心なのか?
実は、江戸時代の文献にも『江戸は軍鶏(しゃも)』とあり、どうやら関東では黄鶏より軍鶏(しゃも)が好まれていたこと。
また、名古屋あたりではトリ肉を食べるという言い方は品がないとされ、トリ肉とストレートには言わず、木の葉の色にたとえた「かしわ」が好まれたのではないかと言われています。