「口は虎、舌は剣(つるぎ)」や「舌は槍よりもひどく人を傷つける」など、ものは言い方次第で、人を傷つけたり自分の身を滅ぼしたりすることになるから注意せよという戒めの諺があります。
物騒な表現ですが、「人を殺すのに刃物は要らない」と言われるように、何気ない言葉が相手の生命を脅かすような場合もあるようです。
内視鏡と心療内科が専門の某医師が500人の患者に傷ついた言葉としてアンケートを行ったところ、「大したことない」「気の持ちよう」「年のせいだからしかたないね」など、何気なく言われた言葉に傷ついたという回答があげられたそうです。
これは、真剣に悩んでいる自分の気持ちを軽く扱われて傷ついたということのようですが、その医師によれば、「自分をおとしめるようなことばが入ってくると、人はストレスを感じ、胃潰瘍や胃炎になったり、下痢や便秘を繰り返すといった“過敏性腸症候群”を引き起こし、潰瘍性大腸炎になる人もいる」と話しています。
例えば、「しっかりしてよ」「結婚はまだ?」などと何度も繰り返し言われることがストレスになることもあり、実際に、こうしたことばが原因で病気になる人も少なくないそうです。
正に「舌は槍よりもひどく人を傷つける」です。
普段何気なく使っている言葉。
もしかすると、話し相手の人に槍やナイフを突き刺しているかも知れませんね。
十分気をつけたいものです。