らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

「おとなしい」の語源

2012-08-09 | 雑学

ロンドンオリンピックで、日本の男子柔道は、昭和39年の東京オリンピックで正式種目となって以降続いていた金メダルの獲得が途切れました。
テレビを観ていると、外国の選手に比べて日本の選手は組み手にこだわり、積極的に前に出ていく姿勢が見劣り、全体に「おとなしい」柔道だったように感じました。
この事が、審判の印象にも影響して、「指導」を取られたり、「判定」で不利に働いたのではないでしょうか?
柔道が世界に普及するにつれて、技を競うと言う古来の日本柔道から格闘技のような形態に変貌しつつあるように思います。
柔道の醍醐味は何といっても「柔よく剛を制す」であり、これは体力の劣る日本人が得意とするところの筈であり、襟元を捉えた一瞬の素早い技を磨くなど、指導者の方には次回大会までに是非立て直して欲しいものです。

さて、柔道談義はこのくらいにして、今日はその「おとなしい」の語源について調べました。

「おとなしい」は漢字で「大人しい」と書き、成人を意味する「大人」を形容詞化した語です。
元々、「おとなしい」はその言葉通り、「成熟しているさま」を表しましたが、「思慮分別が備わっていて年長者らしい」と云った意味が含まれるようになったことで「大人びている」「大人っぽい」など、実際の年齢を問わない表現となりました。

その後、「大人のような」と云った意味から、「穏やか」「落ち着いている」「静か」と云う意味が含まれるようになり、「素直なさま」「「柔順なさま」も表すようになりましたが、江戸時代には既に今のような「穏やかなさま」という意味でも使われていたそうです。

なぜ、本来の「大人びている」という意味から変化したのかと云うと、日本には古くから「言わずもがな=言うまでもない」が美徳であるという考え方があり、「以心伝心」や「察し」の精神が人間関係に重んじられてきたことから、ことば巧みな人よりも静かで穏やかな人が“大人”であるとみなされてきたようです。
更に、おとなしいデザインと云うように人間以外のものに対しても落ち着いた性質を「おとなしい」と表現するようになりました。

一般的には思慮分別のある「大人しい」は必要ですが、勝負を競うスポーツの世界では歓迎されません。
国際的なスポーツ大会では勝ちにこだわって、貪欲に前へ前へ出て行き、一瞬の素早い技で相手をなぎ倒して欲しいと思います。