10月28日の本ブログの記事「北朝鮮問題のブレークスルー」についての続報です。まず「るむもまんく」さん、「メンフィスからの声」さん、反応して下さいまして、まことにありがとうございました。それから大変にうれしいことに、日中友好のために多年にわたって活躍されている経済学者の凌星光先生(元中国社会科学院世界経済政治研究所研究室主任、福井県立大学名誉教授、日中関係研究所所長)が、「逃散政策」についての感想を書いてくださいました。
凌星光先生は日本語での著書も多く、日本の新聞各紙にも日中の懸案事項について精力的に政策提言の論考を書いておられるので、ご存知の方も多いかと存じます。(凌先生について詳しくは、ホームページとブログを参照ください。凌先生のブログの記事は是非多くの日本人に読んで欲しいものです)。
さて私が、凌星光先生に「北朝鮮・逃散政策」についてのご意見を伺ったところ、わざわざ先生ご自身のブログの新しい記事で私への回答を書いてくださいました。先生の許可を得て、私のブログでも全文を掲載させていただきます。
<以下、凌先生のブログより引用>
http://weblog.lingxingguang.net/2006/11/post_27.html#more
関良基様
昨日、事務所で力石先生のFAX「北朝鮮の大量飢餓を救済する方法についてーー金正日引退のシナリオ」を手にし、興味深く読ませていただきました。早速、ネットで調べたところ、関さんのブログが出てきました。力石先生が1960年代に書かれた構造改革論も興味あるものでした。
日中関係研究所訪中団五人が10月22日から28日にかけて北京、天津、上海で交流してきました。その中で北朝鮮問題も話し合ってきました。私は金正日引退のシナリオを念頭に置くべきだと話してきました。この点では力石先生と共通する面がありますが、「逃散政策」はアイデアとしては面白いが、それをやると中朝国境は第二の38度線になります。公にこの政策を打ち出すことは賢明ではないと思います。
但し、中国では大量難民対策を検討しつつあります。韓国も38度線での難民受け入れ対策を考えるべきでしょう。こうした動きには国際協力が不可欠となります。その場合、アメリカ抜きは考えられないと思います。米国の支持も必要です。
今、最も重要なことは、金正日には引退してもらうが、労働党体制は維持するという国際的コンセンサスの確立とその世論作りです。そのために、六カ国の有識者が声を出すべきだと思っています。力石先生に宜しくお伝えください。
<引用終わり>
凌先生は「金正日の引退が必要だ」とはっきりと述べて下さいました。大変にうれしいことです。私も「逃散政策」は、あくまでも金正日を引退に追い込むための手段との考えです。もちろん、それをやらずとも引退が可能であればベストだと思います。
さらにうれしいことに、中国政府は、既に北朝鮮から今後発生するであろう大量難民をどのように受け入れるかという検討を始めているとの情報を下さいました。意図的な逃散誘導はしないが、力づくで追い返すあるいは難民の越境を阻止するという方針ではなく、受け入れのための対策を始めているとのことです。
是非、中国政府には、人道的立場から難民を受け入れ、少しでも餓死者が出ないよう努力していただきたいと思います。そして、そのためには韓国と日本と米国の支持と協力が不可欠とのこと、もちろんです。私たちは難民救済問題について、日本政府が積極的に中国政府に協力するよう訴えていかねばなりません。
私も、労働党政権の存続を条件として金正日の引退を迫るというコンセンサスを六カ国(北朝鮮を含む)の有識者が作り出すという凌先生の提案には大賛成です。
朝鮮労働党内良識派が金正日を引退させ、核開発を放棄し、拉致問題も解決し、軍事費を削減しながら、国家予算を民生部門に転用し、小平型の改革開放政治を行えば、飢餓問題は解決し、経済は再生するでしょう。
小平が改革の始めに先ずやったことは、人民公社を解体して家族単位の農業経営を復活させたことでした。北朝鮮も農家の生産意欲を上げるために、先ずこれをやらねばならないと思います。
また近年の北朝鮮における農業生産の衰退の背景には、洪水災害の頻発化があります。洪水が多発する主要な原因は森林破壊にあります。金正日引退後は、ただちに森林再生プロジェクトを開始し、北朝鮮の水循環を復活させねばなりません。日本と韓国と中国の三カ国が持っている造林技術の知恵は、きっと北朝鮮の森林再生に役立つことでしょう。日中韓の協力による北朝鮮の森林再生は、きっと三カ国の友好関係も深めることと思います。日本は北朝鮮への戦後賠償資金を森林再生や灌漑設備など、北朝鮮の農業再生のために用いることができます。
南北統一問題は、当面の危機が去った後、じっくりと時間をかけて両国が話し合い、連邦制でも一国二制度でも選択していけばよいのではないかと思います。
凌星光先生は日本語での著書も多く、日本の新聞各紙にも日中の懸案事項について精力的に政策提言の論考を書いておられるので、ご存知の方も多いかと存じます。(凌先生について詳しくは、ホームページとブログを参照ください。凌先生のブログの記事は是非多くの日本人に読んで欲しいものです)。
さて私が、凌星光先生に「北朝鮮・逃散政策」についてのご意見を伺ったところ、わざわざ先生ご自身のブログの新しい記事で私への回答を書いてくださいました。先生の許可を得て、私のブログでも全文を掲載させていただきます。
<以下、凌先生のブログより引用>
http://weblog.lingxingguang.net/2006/11/post_27.html#more
関良基様
昨日、事務所で力石先生のFAX「北朝鮮の大量飢餓を救済する方法についてーー金正日引退のシナリオ」を手にし、興味深く読ませていただきました。早速、ネットで調べたところ、関さんのブログが出てきました。力石先生が1960年代に書かれた構造改革論も興味あるものでした。
日中関係研究所訪中団五人が10月22日から28日にかけて北京、天津、上海で交流してきました。その中で北朝鮮問題も話し合ってきました。私は金正日引退のシナリオを念頭に置くべきだと話してきました。この点では力石先生と共通する面がありますが、「逃散政策」はアイデアとしては面白いが、それをやると中朝国境は第二の38度線になります。公にこの政策を打ち出すことは賢明ではないと思います。
但し、中国では大量難民対策を検討しつつあります。韓国も38度線での難民受け入れ対策を考えるべきでしょう。こうした動きには国際協力が不可欠となります。その場合、アメリカ抜きは考えられないと思います。米国の支持も必要です。
今、最も重要なことは、金正日には引退してもらうが、労働党体制は維持するという国際的コンセンサスの確立とその世論作りです。そのために、六カ国の有識者が声を出すべきだと思っています。力石先生に宜しくお伝えください。
<引用終わり>
凌先生は「金正日の引退が必要だ」とはっきりと述べて下さいました。大変にうれしいことです。私も「逃散政策」は、あくまでも金正日を引退に追い込むための手段との考えです。もちろん、それをやらずとも引退が可能であればベストだと思います。
さらにうれしいことに、中国政府は、既に北朝鮮から今後発生するであろう大量難民をどのように受け入れるかという検討を始めているとの情報を下さいました。意図的な逃散誘導はしないが、力づくで追い返すあるいは難民の越境を阻止するという方針ではなく、受け入れのための対策を始めているとのことです。
是非、中国政府には、人道的立場から難民を受け入れ、少しでも餓死者が出ないよう努力していただきたいと思います。そして、そのためには韓国と日本と米国の支持と協力が不可欠とのこと、もちろんです。私たちは難民救済問題について、日本政府が積極的に中国政府に協力するよう訴えていかねばなりません。
私も、労働党政権の存続を条件として金正日の引退を迫るというコンセンサスを六カ国(北朝鮮を含む)の有識者が作り出すという凌先生の提案には大賛成です。
朝鮮労働党内良識派が金正日を引退させ、核開発を放棄し、拉致問題も解決し、軍事費を削減しながら、国家予算を民生部門に転用し、小平型の改革開放政治を行えば、飢餓問題は解決し、経済は再生するでしょう。
小平が改革の始めに先ずやったことは、人民公社を解体して家族単位の農業経営を復活させたことでした。北朝鮮も農家の生産意欲を上げるために、先ずこれをやらねばならないと思います。
また近年の北朝鮮における農業生産の衰退の背景には、洪水災害の頻発化があります。洪水が多発する主要な原因は森林破壊にあります。金正日引退後は、ただちに森林再生プロジェクトを開始し、北朝鮮の水循環を復活させねばなりません。日本と韓国と中国の三カ国が持っている造林技術の知恵は、きっと北朝鮮の森林再生に役立つことでしょう。日中韓の協力による北朝鮮の森林再生は、きっと三カ国の友好関係も深めることと思います。日本は北朝鮮への戦後賠償資金を森林再生や灌漑設備など、北朝鮮の農業再生のために用いることができます。
南北統一問題は、当面の危機が去った後、じっくりと時間をかけて両国が話し合い、連邦制でも一国二制度でも選択していけばよいのではないかと思います。
若輩者なので、御教授願いたいのですが、南北統一すれば、その事についてどんなに協力しても喉元過ぎればなんとやら…で、すぐにまた日本バッシングが始まるのではないのですか?
与えるばっかりで、感謝される事は一切無く、どこまで自虐的になるのですか?
>まで自虐的になるのですか?
私たちは、仏教も儒教も土器製作技術も建築技術も、いろいろなものを朝鮮半島から与えてもらいました。あなたは感謝してますか?
「感謝しろ」なんて傲慢な発言をすること自体、日本の品位を汚すものでしかありません。そういう発言をする恥ずかしい人が増えていること自体が、「日本バッシング」の原因になっているのです(韓国だけじゃなく、欧米からだって)。
私は10代なのですが、最近PCを自力でやっとこ購入し、色んな本も見出したのですが、色んな意見があり何処に真実があるのかわからないのですよ!。
右でも左でもありません!
しかし、単純に、ミサイルをブッぱなすような国はまともな国に思えないのですよ。
また、アメリカも『俺は持つが、お前は持つな!』という考えですよね、核兵器に対しては?
イランとかにしても、原発とかの平和利用にするなら内政干渉ではないのですか?
えっ?!違いますか?(^^)
確かに近隣の国が物騒なことをするのは、心穏かではありませんね。だからこそ、金正日体制を終わらせることは日本に直接メリットがあります。朝鮮半島の問題解決に貢献することは、我々自身のためにもなるわけで、それに比べたら、のちのち相手に感謝されるかされないかというのは大事な事柄ではないのではないでしょうか。
良いことをするときに恩着せがましい態度をするのはカッコ悪いと考えるのが日本人の美徳だと思いますので、他国の人々に感謝されるかどうか気にしない方が素敵だと私は思います。
訂正します!_(._.)_
では、こうではどうですかね?
南北がいつか統一されるとします。
すると連帯意識が高まり、同一の敵を見つけ攻撃しませんか?私はどなたとも仲良くしたいのですが、朝鮮の人達は今も教科書の段階から、日本を敵視していませんか?
ODAで、世界で一番に貢献していませんか?
別の件ですが、つい最近、漁船を撃ちロシアは日本人を殺しましたよね?あれがもし、アメリカや中国の船でも、ロシアンは撃ちましたか?
日本には何をしてもいいという考えが、向こうの政府にはあるのではないですか?
一番にわからないのは、韓国の人達をも北は敵対視しますでしょ?ある時は抱き合い、また一瞬で敵に戻る。
それに、他国の通貨・紙幣を国家レベルで偽造するような国を感謝できません。
戦争行為ですよ。中国も動いた一因は元の偽造ですよね?
日本海にミサイルを打たれ、偽造し、拉致をし、自国民を餓死させるような国とはどんな国なのですか?
中国も難民の流入してくる問題や、資源採掘の為に、すでに膨大な予算をつぎ込んでいるから、強行策はとらないでしょうが…
もちろん、日本で流れている情報が全て正しいとは思っておりません。どこに真実があるのでしょうか?
北朝鮮がまともな国家ではないことは言うまでもありません。でも飢えに苦しむ北朝鮮国民は、むしろ被害者の側に属するのであって、政権の犯した罪と分けて考えねばなりません。
混乱を最小限にしながら、核開発を放棄させ、さらに拉致やら紙幣の偽造やら麻薬の密売やら、一連の国家犯罪行為を一刻も早く止めさせるための提案が、この記事の趣旨です。
>南北がいつか統一されるとします。すると連帯意識
>が高まり、同一の敵を見つけ攻撃しませんか?
将来における統一コリアは、ナショナリズムをむき出しにする国になるかも知れませんし、そうならないかも知れません。日本にできることは、統一コリアがナショナリズムをむき出しにした国にならないよう、あらゆる外交的努力をすることだと思います。
韓国人も世代によって日本に対する見方(若い人ほど変な偏見はないようです)、アメリカに対する見方は大きく異なるようです。まずは日本人の側が、「韓国人とはこうなのだ」というステレオ・タイプな見方を止めることです。こちらが偏見を持つことが、向こうにも日本に対する偏見を生み出し、両者が相乗効果で悪化してしまいます。
日本政府の側がナショナリズムをむき出しにしていれば、朝鮮半島のナショナリズムもそれにつられて高まってしまいます。
ドイツが、フランスやポーランドとの間で進めてきた和解のプログラムを最大限参考にすべきだと思います。
関様は将軍さんを擁護しているのかと思いましたよ(^^)
前後の記事をよく読み、ネットに書き込む時は口調・等が相手方に伝わらない為、細心の注意が必要ですね。
以後、気をつけますです。
私が不安に思うのは
<20年後・30年後に中国の国力が、現在のアメリカのようになっていて、一方、アメリカが衰退していたら…
今、現在のような『アメリカべったり』のような、日本政府のような方針は危険なのでは…?>
と、いうものです。
本当は朝鮮・中国・台湾・タイ・等々の国と仲良くし、アジアに経済ブロックを作り、ヨーロッパにはEU…つまり、アメリカを孤立させ方針を転換させるのがいいなぁ~、と思うのですが、アメリカが許しませんよね?
6歳の甥がいるのですが、いい形でバトンをわたせるのか心配です。
我が身を浅く思い、この国を深く想う
ネットの世界は素晴らしいワンダーランドです。ただし、心から相手を尊重して交流する心が大切だと思います。深い議論もOK!冗談もOK!多くの方と交流してご自分を深く大きくされますように。
もちろん実世界のことも大切ですョ。
関さま、チョッと嬉しくて横レスしました。m(.. ..)m
>アメリカが許しませんよね?
米国は、これまで軍事力で世界を支配することが国益と考えてきましたが、その軍事主義が自国の経済破綻をもたらしつつあります。覇権主義は経済的にも不合理な行動であると気づけば案外早く覇権放棄という選択をするようにも思えます。
そもそも米国は、ハワイやフィリピンを植民地化しようと海外に乗り出す以前は米大陸以外には不干渉という「モンロー主義」を貫いてきた伝統があるのですから、その時代の良さを思い出す日が来るだろうと思います。
こちらこそ、よろしくお願いします。
勉強させて頂きます。_(._.)_
私が潜在的に、常に思っている事はこうなのです。
『アメリカは変だ!しかし、中国・ロシアは、もっと変だっ!』
と思うのです。以下はその根拠です。
1.アメリカは選挙で2年後、民主党が与党になるかも しれない・等…国民やロビー団体の厳しい目があり ますでしょ?赤い国には皆無なのではないのです か?
2.89年の天安門事件の写真集を見る機会があったので すが驚きました。
人民が解放軍の人を縛り、宙吊りにし、火をつけ、 真っ黒コゲにしてました。そのまた逆もしかり…
50年前ではなく、まだ20年経ってません。
第4世代になったとはいえ、あの国がそう簡単に根 っこから変わるとは思えません。
鉄条網も、そのはしりなのでは…トホホ…
3.ロシアは…いうまでも…例の学校占拠事件の時もイ ザとなったら、人質ごと撃ち殺す…
アメリカの第7艦隊が96年に台湾を守った形だと思うのです。
アメリカが変に弱れば、赤い国が更に悪い方向の『覇権主義』に走る可能性が高いのではないのですかね?