先ほどNHKのクローズアップ現代を観ていた。堤美果氏が「トランプが格差縮小策を実現できるか」とトランプに期待する発言をしていたことに対し、藤原帰一氏は「私は堤さんに反対です」とそれを言下に否定したうえで、「排外主義者が大統領になったことに戦慄する」と発言し、それこそトランプ顔負けで過激にアジッておられた。
私は同じフィリピン研究者として藤原氏も知っているが、最近の藤原氏の、TPPを推進し、サンダースやトランプを批判しながらヒラリーを応援してきた一連の発言は、もう聞くに耐えられない。格差を縮小させる対案など何も出さず、格差を拡大させる現状のシステムを肯定し、TPPを推進するのだ。排外主義を生み出す根源を肯定した上で、排外主義批判するとは、笑止千万である。
以前はもっとまともな学者だと思っていたのだが、一体、いつからあんなアメリカの軍産金融複合体の御用学者のようになってしまったのだろう?
排外主義を生み出したのはグローバル資本主義そのものであり、グローバル資本主義が続く限り、ドゥテルテにしても、トランプにしても、排外主義的指導者の台頭は避けられない。グローバル資本主義を礼賛してきたものこそ、今日の事態を生み出した。自らの思想と行動への反省なくして、グローバル資本主義の鬼子としての排外主義者を、さも正義面して批判するのを見ていると虫唾が走る。
排外主義を抑制できるのは、トランプが国内格差を縮小できるか否かにかかっている。人は、衣食足りて礼節を知る。排外主義者の政策が成功したとき、絶望の淵に沈んだ人々が安定を取り戻したとき、排外主義は止むのである。トランプの排外主義を止めることができるのも、トランプ本人なのだ。
いま知恵を絞るべきは、アメリカの格差をいかに縮小させるか。日本の知識人たちは、偉そうにトランプを批判するヒマがあったら、格差縮小のための政策提案でもすべきであろう。
NHKでは、アナウンサーがしたり顔で「グローバル化の流れは非可逆的ですから」などと言っていた。もちろん可逆可能である。もはや引き返せない、この途しかないと、まったく根拠なく、人々を脅迫するように断定するのは、支配層の常とう手段である。
トランプが志向する関税引き上げ策を世界は許容すべきである。それだけで、絶望感は和らぎ、人々は希望を取り戻して、排外主義も止む。20~30%くらいの関税を許容しても、世界の協調性が失われるようなことは、もちろんない。支配層が排外主義的ととらえる関税政策を実行すれば、逆説的だが、排外主義は止むのだ。国際協調も取り戻され、民族間の憎悪も消えるであろう。
輸出依存度を下げ、内需志向の経済体制に移行しない限り、生活の安定も取り戻せないし、地球環境破壊も止められない。支配層とその御用学者たちは、この事実を受け入れるべきである。
私は同じフィリピン研究者として藤原氏も知っているが、最近の藤原氏の、TPPを推進し、サンダースやトランプを批判しながらヒラリーを応援してきた一連の発言は、もう聞くに耐えられない。格差を縮小させる対案など何も出さず、格差を拡大させる現状のシステムを肯定し、TPPを推進するのだ。排外主義を生み出す根源を肯定した上で、排外主義批判するとは、笑止千万である。
以前はもっとまともな学者だと思っていたのだが、一体、いつからあんなアメリカの軍産金融複合体の御用学者のようになってしまったのだろう?
排外主義を生み出したのはグローバル資本主義そのものであり、グローバル資本主義が続く限り、ドゥテルテにしても、トランプにしても、排外主義的指導者の台頭は避けられない。グローバル資本主義を礼賛してきたものこそ、今日の事態を生み出した。自らの思想と行動への反省なくして、グローバル資本主義の鬼子としての排外主義者を、さも正義面して批判するのを見ていると虫唾が走る。
排外主義を抑制できるのは、トランプが国内格差を縮小できるか否かにかかっている。人は、衣食足りて礼節を知る。排外主義者の政策が成功したとき、絶望の淵に沈んだ人々が安定を取り戻したとき、排外主義は止むのである。トランプの排外主義を止めることができるのも、トランプ本人なのだ。
いま知恵を絞るべきは、アメリカの格差をいかに縮小させるか。日本の知識人たちは、偉そうにトランプを批判するヒマがあったら、格差縮小のための政策提案でもすべきであろう。
NHKでは、アナウンサーがしたり顔で「グローバル化の流れは非可逆的ですから」などと言っていた。もちろん可逆可能である。もはや引き返せない、この途しかないと、まったく根拠なく、人々を脅迫するように断定するのは、支配層の常とう手段である。
トランプが志向する関税引き上げ策を世界は許容すべきである。それだけで、絶望感は和らぎ、人々は希望を取り戻して、排外主義も止む。20~30%くらいの関税を許容しても、世界の協調性が失われるようなことは、もちろんない。支配層が排外主義的ととらえる関税政策を実行すれば、逆説的だが、排外主義は止むのだ。国際協調も取り戻され、民族間の憎悪も消えるであろう。
輸出依存度を下げ、内需志向の経済体制に移行しない限り、生活の安定も取り戻せないし、地球環境破壊も止められない。支配層とその御用学者たちは、この事実を受け入れるべきである。
(うちの首相はあんたらのパシリかよ・・・)
それに議会上院選で共和党が大量当選したので、いったん下がった株価が戻ったそうです。トランプ大統領にとってはもう身内が敵のような状況かと思います。
そもそも「自由貿易」がそれほどいいものではない、という認識がNHKとそればっかり見ている人にはないので、認識を変える必要があるんですね。
番組を見ている限りではトランプ氏が60年代の夢をもう一度と言っている感じもします。
少し前にNHKが「マネー・ワールド」の3回シリーズを放送していますが、メディア王のスタンリー・ハバードが豪華なホテルで開催される富豪ばかりの秘密会合に出席し、その出口で取材に応じてくれて、「我々はトランプ候補を支持しないことに決めた」と語りました。
メディアを支配する富豪たちも勝てなかった、ということですね。
同じ番組では「富裕層にもっと課税すべき」という「パトリオティック・ミリオネアズ」を主宰するモリス・パール氏が民主党議員に働きかけるところも紹介されました。新自由主義を信奉する富豪たちばかりではないのですね。
NHKは特集番組はまともなのに、報道現場はああいうメンバーしかいないの、と思います。
ところで今ちょうどニーアル・ファーガソンの『劣化国家』を読んでおります。この本は1980年代以降世界の景気が悪化したのは新自由主義と自由貿易のせいだ、という立場はとっておりません。しかし秩序ある規制は必要であると述べています。興味深いのは、安倍首相もよく口にする「法の支配」はその力の源が「市民社会」に基づかなくてはならない、と主張する点です。企業ではありません。この本ではアメリカに宗教・非宗教の任意団体がたくさんあって活発に活動していたことを示し、国家にも働きかけていたと述べています。そして福祉国家がその力をそいだのだと言っている。『世界を破綻させた経済学者たち』のジェフ・マドリックは「新自由主義のせいだ」と言っているのですが。
国家も企業も構成員を飼いならしたがる存在ですので一理あると思います。さて、ドナルド・トランプは「待遇向上を求める労働者の任意団体」には寛容かどうか気になるところです。
「市民社会」も18世紀のそれだと東インド会社メンバーとか金融業者が構成していたので経済的覇権の担い手になっていけたのですが、現在は「市民」が国や企業の覇権にブレーキをかける存在になっている気がします。
だから国や企業はなおさら市民社会を飼いならしたいのではないかなと思えてきます。
「聞き分けのないトランプさん」であり続けることを期待しておりますがうまくいきますかどうか。
何のために堤未果さん呼んだんだこのやろう、と思わずにいられませんでした。
その後の日曜討論、解説スタジアムなどでもTPP・自由貿易がなくなったら困るぞという姿勢が一貫して見て取れました。
NHKは「自由貿易←→排外主義」の数直線でものを見るように誘導したいらしい。そしてトランプ氏はそう誘導するのに格好のキャラクターです。
誰でもやっているわけではない「貿易」と誰でも行いうるよそ者排除とを同列にして数直線にのせるなどミスリードもいいところです。
「ちがう!そうじゃない」と叫びたいところですがややこしいのでワンフレーズで伝わらないのがつらいところ。
アメリカでも、今回のヒラリー応援の全力プロパガンダ報道で、完全に視聴者の信用を失いました。日本もその後を追うのは時間の問題ですね。
本来なら、藤原帰一氏なんか自分の予想が全く外れ(私より予測精度が低い)、政治学者としての面目丸つぶれなんだから、自己批判の上、もうテレビになんか出るべきじゃないです。
テレビで偏向した見解を述べまくってきた知識人には、恥という概念もないのでしょうか。