代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

月並みではあるが規制強化こそ解決策 ―軽井沢バス転落事故を受けて

2016年01月16日 | 時事問題
 軽井沢のスキーバス転落事故でお亡くなりになった皆さんのご冥福をお祈りします。
 私の教えている大学生たちもよく格安ツアーでスノボになど行っていますので、全く他人事ではありませんでした。
 行き過ぎた格安競争が安全性を犠牲にしているのは明らかなので、月並みですが、解決策は、規制強化でしかないと思います。

 最近の規制の流れを確認すると・・・

 2012年4月に関越自動車道で45人死傷の大事故が発生。
 → この事故の教訓から、国交省は規制強化の動きに乗り出す。
 一人の運転手が運行できる距離を670kmから、夜間は400km、昼間は500kmまで引き下げる。それ以上の長距離運転では交代運転手の配置を義務づける。
 行き過ぎた価格競争を是正するため貸し切りバスの運賃に下限制を導入。

 2014年3月富山県北陸道で、運転手が意識を失い28人が死傷の事故発生。
 → この事故の教訓から、バス運転手の健康管理マニュアルを作成。

 これらの規制の方向性は正しいと思う。
 それにも関わらず事故が発生したのは、規制が徹底されていなかったことだ。今回事故を起こしたバスの運行会社は運転手の健康診断を実施しておらず、行政処分を受けていたという。規制強化の動きと、規制の網の目を逃れてコスト削減に走る事業者とのイタチごっこが発生しているのだろう。
 
 今回の事故でも運転手が高齢者であったことが指摘されていたが、やはり高齢化すると反射神経が衰えて運転技能の低下は避けられない。体力や運転能力が維持されているか否か、休養が十分とれているか、無理な長距離運転をさせていないか、定期的にチェックすることを徹底していくしかないと思う。  


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