代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

次期首相は河野太郎にすべきである

2020年06月21日 | 政治経済(日本)
 ポスト安倍問題が取りざたされるようになってきた。私は断然、河野太郎氏を推す。
 河野太郎防衛大臣はイージス・アショアの配備を停止した。経済合理性を最重視する河野大臣らしい英断であった。宗主国の内政の混乱を見越して、その隙を突いた見事な一手であったと思う。ひさびさに晴れやかな気分だ。
 さて、次期首相は河野太郎氏がよいという理由は次の二点である。

(1)次の首相は日本会議以外から選ぶべきであること

 安倍政権が作り上げてきたのは「クローニー資本主義」である。政権を取り巻くお友達や政商たちに、官邸主導でせっせと利権を配分していくことによって、盤石な政権基盤を確立してきたのだ。「クローニー資本主義」と揶揄された、かつてのフィリピンのマルコス独裁政権やインドネシアのスハルト独裁政権などとそっくりなのだ。
 結局、新自由主義の行き着く先はクローニー資本主義である。社会的共通資本として公的管理してきたものを民間に売り渡す。その際、政権を取り巻く縁故者を優遇し、竹中平蔵のような縁故者たちが肥え太っていくのが本質だ。およそ資本主義的でも近代的でもないシステムである。
 そして安倍首相の取り巻きの縁故者集団の中核には日本会議がある。政権取り巻きのウルトラ右翼たちが、新自由主義を利用しながら、国民の血税で営々と築き上げてきた社会的共通資本を解体し、利権の配分にあずかろうというのが安倍政権の本質なのだ。

 この腐りきったクローニー資本主義を終わらせるためには、日本会議のメンバーでない人間を首相にしなければならない。ポスト安倍で名前があがる人物の中で、日本会議に入ってないのは河野太郎氏くらいである。石破茂氏も所詮は日本会議の右翼なのだ。
 溜まった膿を一掃するためには日本会議以外から首相を選ばねばならない。

 「河野太郎も新自由主義者ではないか」と批判する人もいるかも知れない。河野太郎氏は経済合理主義者である。本当の経済合理性を追求する人間は、縁故者に利権をバラまくようなクローニー資本主義をもっとも嫌う。真の経済合理主義者は、新自由主義者の外皮をかぶったクローニー・キャピタリストたちのように腐ってはいないのだ。

(2)脱原発・再生可能エネルギーを推進できる人物であること

 経済合理主義者であることは脱原発を可能にする。原子力発電など、市場経済の下では存続不可能である。国家丸抱えの国家社会主義体制でなければ維持できない。これまで政権を取り巻く新自由主義者たちが、原発問題になると社会主義者のごとく、国家丸抱えの原発推進に回ってきたのは笑止であった。
 河野太郎氏は、経済合理主義者であるからこそ、テレビから干されることになっても、原発事故前から核燃サイクルシステムの不合理を訴え、高速増殖炉の停止を訴えていたのである。今回のイージス・アショアの停止も、経済的に不合理な核燃サイクルシステムに挑んだのと同じ理由であろう。
 
 今後ますますコスト高になっていく原発から脱却し、ますますコスト安になっていく再生可能エネルギーに舵を切るというのが経済合理主義的にも正しい選択である。
 新自由主義者たちが、そう考えずに原発を礼賛するのは、彼らの本質がクローニー・キャピタリストだからである。

 安倍内閣の閣僚であるうちは脱原発を封印せざるを得なかった河野太郎大臣であるが、自分が首班である内閣が実現しさえすれば、脱原発と再生可能エネルギー推進の姿勢を公然化するだろう。
 河野首相であれば、再生可能エネルギーの普及を妨げようとする旧独占電力幹部たちのような腐りきった抵抗勢力と闘うことができる。小泉純一郎氏は、脱原発の一点で河野氏と手を組むべきであろう。

 日本の野党支持のリベラル層は、河野首相をイヤがる空気はあると思う。
 私は別段、経済合理主義者ではない。ゆえに河野氏の政策の中で支持できないものもたくさんある。しかし以上の二点のみの理由で、次期首相候補の中では、河野太郎氏が相対的に最良であると判断する。リベラル層も以上の二点は支持できるはずである。勇気をもって河野太郎氏を首相にしよう。



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3 コメント

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安倍晋三のお友達について (アベノミクス)
2020-06-22 22:40:13
 ブログ更新ありがとうございます。
 さて、本記事の内容であるポスト安倍並びにクローニー資本主義経済とズレてしまいますがお友達を重用するという点で良い記事があったのでご紹介させてください。
記事タイトル
【安倍首相の周囲にいる大臣以上の権力持つ7人の「君側の奸」】
https://www.news-postseven.com/archives/20200622_1571628.html?DETAIL
 上記は、安倍晋三の周りにいる7人の官僚についての記事になります。
 内容は、今回のコロナ禍だけでなく過去の騒動も含め国民でなく安倍晋三個人への忠誠心で行動していたことを明らかにし、結果として国民が蔑ろにされていると主張している記事になります。
 記事を読んだ私の感想といたしまして政権初期には、本田悦郎氏(元内閣官房参与)や齋木 昭隆氏(元外務省事務次官)など国民のためになる仕事をした官僚もいましたが、政権も8年経ち官僚も腐敗してしまったのだと痛感しました。
 こうした現状を変える意味でもポスト安倍にまともな人物が必要であるという関先生の意見に賛成いたします。
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経産・国交腐敗官僚 ()
2020-06-23 00:40:46
 興味深い記事ありがとうございました。経産の原発汚染官僚や国交省の国土強靭利権汚濁官僚たちが安倍の取り巻きだったわけですね。
 経済的不合理主義の巣窟である経産省や国交省にとって、河野首相誕生はまさに悪夢でしかないと思います。彼らが恐怖するからこそ、外務省や防衛省のポストが割り当てられてきたのだと思いますが…。
 彼らの抵抗を跳ねのけて、河野首相を誕生させるのは、相当な困難が伴うと思います。国民世論の力が必要です。やはり小泉元首相の応援が欲しいですね。
 
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Unknown (Kim)
2020-08-03 01:47:29
現状の中国の侵攻に対応できるのは河野さんしかいない。親中石破では絶対ダメ。
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