冒頭の昌幸と稲のシーンですでにジワリときて、大谷刑部と石田治部のシーンで完全に涙腺崩壊状態でした(T_T)。
三成と信繁の涙は本人のものだったと思います。あのとき時空を超えて山本耕史は石田三成に、堺雅人は完全に真田信繁になっていたとしか思えませんでした。
今回の大河では、先を見通せる神の目をもった登場人物はおらず、皆が先が見えないという中で決断をしていく臨場感が出ているとことがとっても良いですね。
三成の挙兵を知った昌幸の「早すぎるわ」という一喝。思わず同意。タラレバですが、上杉攻めの戦端が開かれてから三成が挙兵していれば、家康は簡単に引き返せなくなるので、徳川軍の方が圧倒的に形成は不利になっていたはず。上杉攻めの途中で側面から徳川を突くというシナリオが狂って悔しがる昌幸の表情が迫真でとっても良かった。
三成挙兵を知った親子三人の、犬伏薬師堂の会談。
長期戦になるから戦国乱世の群雄割拠状態に逆戻りする。徳川にも豊臣にも付かず、独立国として動いて戦乱に乗じて信玄の領国を取り戻す・・・・というのが昌幸の説。実際、関ケ原の前は切り取り自由の群雄割拠状態が一瞬生じたので、もし徳川軍と石田軍が、小牧長久手のような長期の陣地戦になって戦線が膠着すれば、そうなる可能性もあったと思います。
大軍が動けば、数か月以内に決着はつく信繁の反論も理にかなっていました。結局、あのとき、誰も数か月先のことは分からなかったと思います。家康でさえ・・・・。
親子三人の密談は、武田が滅びた後、北条につくか上杉につくかという第二回「決断」のパロディでもありました。第二回のあのシーンは、このときのための伏線でもあったのか・・・・と。あのときは昌幸が「織田につく」と決断しましたが、今回は信幸が「別れる」と決断。
犬伏の別れ、「生き残るために家を分ける」という点では、いちばんオーソドックスな説であった感じもしましたが、その結論に至るまでの話し合いの過程はスリリングでした。
覗いた河原綱家が昌幸からゲタを投げつけられて歯を折ったという話は、後に松代藩家老になる河原家に語り伝えられた話です。
昌幸がゲタではなく、信幸が水筒を投げつけたというエピソードが変更されているのは、信幸の真剣な様子を引き立たせるためなのでしょうか。
さて次週。
信繁が砥石城に入って信幸と対決することになります。ここでも、従来とは違う新解釈が描かれるようです。従来は、寄せ手が信幸だと悟った信繁が、戦う前に城から撤退して戦を避けたと解釈されてきました。ここはどういう解釈になるのでしょうか?
ところで、次回で第二次上田合戦も関ケ原の合戦も両方終わってしまうの?? ちょっと展開が早すぎるような気が・・・。
来週は小山の軍議、沼田城に稲姫籠城、上田に帰った源次郎が久しぶりに娘のすえに再開、徳川軍を迎え撃つ籠城準備・・・で一回くらい使って欲しかった。再来週で第二次上田合戦、その次の週で関ケ原・・・くらいの展開で行って欲しかった気もします。でないと心の準備が・・・・。