昨日、大学時代の友人の在米ジャーナリストとひさしぶりに会った。で彼と議論になったのがヒラリーの自由貿易批判をどう見るかでした。貿易政策に関するヒラリーとオバマの違いを見ると、ヒラリーはFTAに対するより厳しい批判者で、オバマは自由貿易問題をあいまいにして逃げている感じがします。言えることは、オバマの方が自由貿易に若干好意的です。
友人の話しでは、「高卒の白人ブルーワーカー層の多くはヒラリー支持。彼らはすごい保護主義者で、移民はもちろん、外国製品の排斥も訴える。ヒラリーのFTA批判は、貧困白人労働者層の受けを狙ったもの。しかし、その結果、貧しい途上国が米国市場にアクセスできなくなり、途上国はより貧しくなり、結果、アメリカは信頼も失って米国の国益は損なわれるだろう」というもの。
うーん。「途上国はより貧しくなる」という点でたくさん反論したいことあります。これで論争になってしまい、せっかく久し振りに会ったのに議論ばかりに時間を費やしてしまった・・・・。
私の場合、自由貿易に対する批判的スタンスの点ではヒラリーを支持しています。ヒラリーがエゴむき出しの保護主義に走り、世界が離米して「ドル本位制による自由貿易体制」を終わらせた方が、世界全体にとってはよいと思うからです。
もっとも、ヒラリーの好戦性とオバマの穏健さを比べると、やはりトータルにはオバマが大統領になってくれた方がよいとは、私も思いますが・・・。
オバマ陣営としては、「ヒラリーの「保護主義」が、途上国を貧しくし、さらに途上国の信用を失って米国の国益も損なう」と言いたいのでしょう。この主張は一見すると「国際派リベラル」を装っていますが、じつは米国の金融覇権を維持するための言説でしかないと私は思います。
私の考えは、このブログでもよく書いていますが、「アメリカ市場の旺盛な需要によって途上国が輸出利益で貧困緩和できる」という命題は全くのウソ。国として輸出利益は短期的には上がるように見えるかも知れませんが、個々の労働者の「人間使い捨て」の風潮はさらに増大するでしょう。また長期的には、ドル依存体制を延命させることは途上国の国の利益にも反します。
アメリカは基軸通貨国(=金融覇権国)であることをいいことに、輪転機を回して貿易決済ができるという特別な国でした(少なくとも今までは)。それが本来は存在してはならない異常な消費需要を生みだしてきました。これは言うならば「虚の需要」。
「虚の需要」目当てに、国際社会が必至になって低賃金競争、労働者の使い捨て競争をやってきてしまったのが、現在の世界の悲惨をつくりだした原因。つまり世界中に報われない「プレカリアート」を大量に生みだしてきた根本的な原因なのです。
米国の貿易赤字によるドルのタレ流し政策が、過剰マネーと過剰な債務、そしてバブル経済を生みだした根源的理由だと思います。米国は、赤字によってバラまいた過剰なドルを、また米国に集めてマネーゲームを行い、途上国を債務奴隷のワナにはめて貧しくしながら金融覇権を維持してきたわけです。
途上国が真に国民の幸せと発展を望むのであれば、低賃金を売り物にした対米輸出で経済成長しようなんて考えてはならない。それは「虚の需要」なんだから、結局、ドルが暴落して終わり。現在まさにそうなりつつあるように。
途上国は結束し、お互いに協調しながら国内の賃金を上げ、労働条件を改善しながら内需を高め、輸出主導でなく内需主導型の成長を目指すべき。貿易にしても、地域内(南米内部とかアフリカ内部)での産業連関構造を協調しながら構築し、域内相互の貿易依存度を高めていくことを考えるべき。これはアジアにも言えることです。
それは輸送に伴うCO2排出も大幅に減らすことにつながり、労働条件の改善のみならず、地球温暖化対策の観点でも最良の選択なのです。
友人の話しでは、「高卒の白人ブルーワーカー層の多くはヒラリー支持。彼らはすごい保護主義者で、移民はもちろん、外国製品の排斥も訴える。ヒラリーのFTA批判は、貧困白人労働者層の受けを狙ったもの。しかし、その結果、貧しい途上国が米国市場にアクセスできなくなり、途上国はより貧しくなり、結果、アメリカは信頼も失って米国の国益は損なわれるだろう」というもの。
うーん。「途上国はより貧しくなる」という点でたくさん反論したいことあります。これで論争になってしまい、せっかく久し振りに会ったのに議論ばかりに時間を費やしてしまった・・・・。
私の場合、自由貿易に対する批判的スタンスの点ではヒラリーを支持しています。ヒラリーがエゴむき出しの保護主義に走り、世界が離米して「ドル本位制による自由貿易体制」を終わらせた方が、世界全体にとってはよいと思うからです。
もっとも、ヒラリーの好戦性とオバマの穏健さを比べると、やはりトータルにはオバマが大統領になってくれた方がよいとは、私も思いますが・・・。
オバマ陣営としては、「ヒラリーの「保護主義」が、途上国を貧しくし、さらに途上国の信用を失って米国の国益も損なう」と言いたいのでしょう。この主張は一見すると「国際派リベラル」を装っていますが、じつは米国の金融覇権を維持するための言説でしかないと私は思います。
私の考えは、このブログでもよく書いていますが、「アメリカ市場の旺盛な需要によって途上国が輸出利益で貧困緩和できる」という命題は全くのウソ。国として輸出利益は短期的には上がるように見えるかも知れませんが、個々の労働者の「人間使い捨て」の風潮はさらに増大するでしょう。また長期的には、ドル依存体制を延命させることは途上国の国の利益にも反します。
アメリカは基軸通貨国(=金融覇権国)であることをいいことに、輪転機を回して貿易決済ができるという特別な国でした(少なくとも今までは)。それが本来は存在してはならない異常な消費需要を生みだしてきました。これは言うならば「虚の需要」。
「虚の需要」目当てに、国際社会が必至になって低賃金競争、労働者の使い捨て競争をやってきてしまったのが、現在の世界の悲惨をつくりだした原因。つまり世界中に報われない「プレカリアート」を大量に生みだしてきた根本的な原因なのです。
米国の貿易赤字によるドルのタレ流し政策が、過剰マネーと過剰な債務、そしてバブル経済を生みだした根源的理由だと思います。米国は、赤字によってバラまいた過剰なドルを、また米国に集めてマネーゲームを行い、途上国を債務奴隷のワナにはめて貧しくしながら金融覇権を維持してきたわけです。
途上国が真に国民の幸せと発展を望むのであれば、低賃金を売り物にした対米輸出で経済成長しようなんて考えてはならない。それは「虚の需要」なんだから、結局、ドルが暴落して終わり。現在まさにそうなりつつあるように。
途上国は結束し、お互いに協調しながら国内の賃金を上げ、労働条件を改善しながら内需を高め、輸出主導でなく内需主導型の成長を目指すべき。貿易にしても、地域内(南米内部とかアフリカ内部)での産業連関構造を協調しながら構築し、域内相互の貿易依存度を高めていくことを考えるべき。これはアジアにも言えることです。
それは輸送に伴うCO2排出も大幅に減らすことにつながり、労働条件の改善のみならず、地球温暖化対策の観点でも最良の選択なのです。
勉強になりますです。
しかし、関様。
貧しい人達・及び国家は目先の銭にしか目が行かないのでは?と、思うのですが、どうでしょう。
「衣食足りて礼節を…」ではないですが、関様のような広範な知識を持ち、また色々な人脈をお持ちで勉強している人なら、大国の「罠」みたいなものも気付かれましょうが、文盲率も高い途上国では行った事はもちろん、見たことも聞いた事もない大国が仕掛けている「罠」とか、「トリック」には気付かずに利用されるだけのような気がしますが?
学問も何も圧倒的な迫り来る「飢え」には勝てず、目先の事しか考えられないと思います。
現に今年で20歳になり、ネット環境にあり、先進国に住んでいる私など、つい最近ですよ、米国・等の「実態」を知ったのは。
もちろん、もっと頭のいい人や勉強熱心な人は、もっと早くに御存知かと思いますが。
逆に興味がない人、晩酌さえ出来たらいいやとか思っている人は50.60でもいるかと思います。
もっと民衆の声を盛り上げる事は出来ないのですかね?
私の周りにはネットはもちろん、いまだにビデオの録画予約も出来ない人が大半です。トホホ…
最近揃って反米政権が誕生した南米諸国はそれに当たりますね。
米国が支配層を支援してやりたい放題搾取して来た歴史がありますから。
もう一つは日本で顕著なように稼いでもそれ以上のお金が米国に還流している場合ですね。
米国債買いや低金利維持(日米金利差維持)による国内資金の米国への流出ですね。
一説によると日本が保有してる米国債は民間を併せると米国の対外債務1600兆円の4割近くに当たるとか。
しかもこれは日本の自由にはできません。
売るには米国の許可が必要らしいです。
やくざに金を貸したのはいいが逆に強請られてると言う構図ですね。
更にまずい事には、冷戦後米国は日本の支配層と組んで国民の搾取や奴隷化を進行させております。
これが構造改革と呼ばれるものですね。
かつての南米と同じ事が起きております。
外貨準備金や企業利益が過去最高を更新し続けようとも国民はおろか従業員や下請けにさえ利益還元されずにどんどん貧しくなっている背景にはそれがあります。
儲けてもまず外国人投資家に対する配当金ゆうせんですね。
かつての日米の貿易構造とは大きく違って来てます。
冷戦構造崩壊前のね。
私個人的には米国が保護主義的になるのは賛成ですね。
共和党のように表向き日本に対しては猫撫で声でやってる事は民主党政権よりえぐかったですから。
日本が対米依存一辺倒から抜け出すチャンスでもあり
ますし。
依存度が高すぎると言う事を聞かざるを得なくなりますからね。
これを機会に内需拡大方針に転換すべきでしょう。
円高が進行していますしね。
たぶんドルの崩壊と言うより、米国の嫌がらせでしょう。
とっとと構造改悪しろと言う。
90年代によく見られた光景ですね。
幸い世界は多極化に向かってますから案ずる事はないでしょう。
彼らの手先であるマスコミがどんなに米国や改革を擁護しようともそのうち国民は改革の欺瞞性に気付くでしょう。
南米でさえ(失礼な言い方ですがw)気付いたんですから。
確実に民衆の声は盛り上がってきていると思います。米国民のあいだでも、過去における自分たちの犯罪に気付いている人々が確実に増えています。前向きにがんばりましょう。
>擁護しようともそのうち国民は改革の欺瞞性に気付くでしょう。
頑張りましょう。マスコミはブラウン管の前で数百万人の視聴者に向かって、「自由貿易はすばらしい。保護主義はキケン」というステレオタイプを日々、タレ流し続けています。それに比べて私がここで何を書いても1000人見てくれるかどうか・・・・。あまりにも彼我の力の差は歴然としています。でも未来を信じて頑張るしかありません。
ちなみに、このブログの読者はすでに「改革の欺瞞性」に気付いている人が多いかと思います。ななし様におかれましては、ぜひ2chなどでも積極的に発言して下さるとうれしく存じます。