トランプが発動する20~25%程度の関税を、国際社会は許容すべだ。このままアメリカが貿易赤字を膨らませていくのを放置したところで、どのみちバブル拡大と崩壊の連鎖が起こるだけである。
19世紀の国際社会では、20%程度の関税はふつうのスタンダードであった。当時は、40~50%程度の関税で、ようやく「高関税」と認識されたのだ。20%程度の関税で「保護主義」などというレッテルを貼られることはなかった。21世紀も20%程度の関税は、一国の財源確保のためにも相互に認め合えるよう、心の余裕を持つべきであろう。エマニュエル・トッドが言うところの、国際協調主義的な保護主義である。
トランプ政権に対する注文があるとすれば、国ごとに関税率を差別化すべきでないということである。鉄鋼に25%、自動車に20%などと関税率を決定したら、すべての国に対して同じ税率を適用せねばならない。国ごとに差別をすることが、国際紛争を生むのだ。
アメリカの関税措置について非難合戦をするよりも、EUも中国も日本も、粛々とWTOのルールに従って対抗関税を課しながら、貿易不均衡の調整に動くべきである。
日本に関して言えば、トランプが自動車への保護関税を実施した場合、農産物に対抗関税を課して、財源を確保しつつ食糧自給率の向上を目指すべきである。そちらの方が未来に向けて希望が持てる。ついでに、アメリカからの圧力で今年廃止された種子法を、新たな新法として、装い新たに復活させるべきであろう。
中国にしても、アメリカの農産物をもっと買いますなどと言うよりも、農産物に対抗関税を課して国内農家を保護し、食糧自給率を高めるべきである。国際的な穀物価格を安定化し、多くの貧困国を救うことにもつながる。
トランプ政権としては、法人税の大幅減税に伴う代替財源確保のためには、関税に頼らざるを得ない。日本も対抗措置として食糧への関税を上げたら、その分、消費税を減税して消費者利益とのバランスを取るべきであろう。
この論点は重要であるにもかかわらず、誰も言わないので言わせていただく。
関税政策は、地球温暖化対策としても効果的なのだ。トランプが「パリ協定から離脱する」と叫んでも、私が批判しようと思わない理由は、トランプの関税政策そのものが、国際運輸部門からのCO2削減につながり、ひいては国内の陸上輸送等にも波及し、地球規模での温室効果ガス削減につながっていくであろうからである。
地球温暖化対策に敵対的態度を取っているように見えるトランプのモンロー主義、保護主義そのものが、逆説的に、実際には温暖化対策にとって福音なのだ。
世界のCO2排出量の23%は交通部門からの排出であり、その交通部門のさらに17%ほどは国際航空・海運から排出されるCO2である。この部分がパリ協定でも、各国の削減目標の中に含まれておらず、まったく野放しになっている。国際海運・航空分野を野放しにしながら、否、逆に排出を増大させようという自由貿易協定を礼賛しながら、今世紀後半でCO2の実質排出ゼロを目指そうというのは、大いなる欺瞞である。
国際運輸部門でのCO2を減らしていく最良の方法は、エネルギーや食糧の地産地消を促進し、貿易そのものを縮小させていくことである。その意味でも、トランプのモンロー主義政策への転換は願ったりかなったりである。
「保護主義」というネガティブな言葉も安易に使うべきではないと思う。「地産地消の促進によるCO2削減戦略」と言い換えれば、未来も明るくなろう。
【参考図】 世界の交通部門から排出されるCO2
出所)国交省のHP www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk1_000025.html#worldCO2
19世紀の国際社会では、20%程度の関税はふつうのスタンダードであった。当時は、40~50%程度の関税で、ようやく「高関税」と認識されたのだ。20%程度の関税で「保護主義」などというレッテルを貼られることはなかった。21世紀も20%程度の関税は、一国の財源確保のためにも相互に認め合えるよう、心の余裕を持つべきであろう。エマニュエル・トッドが言うところの、国際協調主義的な保護主義である。
トランプ政権に対する注文があるとすれば、国ごとに関税率を差別化すべきでないということである。鉄鋼に25%、自動車に20%などと関税率を決定したら、すべての国に対して同じ税率を適用せねばならない。国ごとに差別をすることが、国際紛争を生むのだ。
アメリカの関税措置について非難合戦をするよりも、EUも中国も日本も、粛々とWTOのルールに従って対抗関税を課しながら、貿易不均衡の調整に動くべきである。
日本に関して言えば、トランプが自動車への保護関税を実施した場合、農産物に対抗関税を課して、財源を確保しつつ食糧自給率の向上を目指すべきである。そちらの方が未来に向けて希望が持てる。ついでに、アメリカからの圧力で今年廃止された種子法を、新たな新法として、装い新たに復活させるべきであろう。
中国にしても、アメリカの農産物をもっと買いますなどと言うよりも、農産物に対抗関税を課して国内農家を保護し、食糧自給率を高めるべきである。国際的な穀物価格を安定化し、多くの貧困国を救うことにもつながる。
トランプ政権としては、法人税の大幅減税に伴う代替財源確保のためには、関税に頼らざるを得ない。日本も対抗措置として食糧への関税を上げたら、その分、消費税を減税して消費者利益とのバランスを取るべきであろう。
この論点は重要であるにもかかわらず、誰も言わないので言わせていただく。
関税政策は、地球温暖化対策としても効果的なのだ。トランプが「パリ協定から離脱する」と叫んでも、私が批判しようと思わない理由は、トランプの関税政策そのものが、国際運輸部門からのCO2削減につながり、ひいては国内の陸上輸送等にも波及し、地球規模での温室効果ガス削減につながっていくであろうからである。
地球温暖化対策に敵対的態度を取っているように見えるトランプのモンロー主義、保護主義そのものが、逆説的に、実際には温暖化対策にとって福音なのだ。
世界のCO2排出量の23%は交通部門からの排出であり、その交通部門のさらに17%ほどは国際航空・海運から排出されるCO2である。この部分がパリ協定でも、各国の削減目標の中に含まれておらず、まったく野放しになっている。国際海運・航空分野を野放しにしながら、否、逆に排出を増大させようという自由貿易協定を礼賛しながら、今世紀後半でCO2の実質排出ゼロを目指そうというのは、大いなる欺瞞である。
国際運輸部門でのCO2を減らしていく最良の方法は、エネルギーや食糧の地産地消を促進し、貿易そのものを縮小させていくことである。その意味でも、トランプのモンロー主義政策への転換は願ったりかなったりである。
「保護主義」というネガティブな言葉も安易に使うべきではないと思う。「地産地消の促進によるCO2削減戦略」と言い換えれば、未来も明るくなろう。
【参考図】 世界の交通部門から排出されるCO2
出所)国交省のHP www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk1_000025.html#worldCO2
https://jp.sputniknews.com/business/201807255158342/
米中貿易戦争よろしく欧米の関税問題では自動車以外
関税を原則なくす努力を継続する方向で合意したことで
EUと米国の関税を巡る正面衝突は回避された模様です
外需では他所さまの国の富を奪うことにもなり
WTOの存続の危機なんて言われ出してますが
世界の貿易の共通ルールに「フェア」の概念を
(貿易の黒字・赤字をバランスさせて儲けゼロ)
“Fair Trade”を設定する事は難しいんでしょか?
国際法も守れない世界ですが
関税自主権を行使するにしても
各国が独自勝手にやり出すのは
やはり問題なのでは?と思います