代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

真田丸 第38回「昌幸」 感想

2016年09月25日 | 真田戦記 その深層
 九度山に流されて一挙に10年が経過。一話で10年の歳月が流れる驚きの展開でした。 
 そして・・・・。信玄公が迎えに来て、昌幸を冥土へ連れて行ってしまいました。(涙)

 昌幸が九度山で著した『兵法奥義』・・・・原書は大坂城といっしょに燃えて灰塵に帰したようですが、もし現代に伝わっていたら、『孫子』や『五輪書』に匹敵する名著として読まれ続けたことでしょう!  
 (信じる信じないは読者に任せます・・・)

 草刈正雄さん、すばらしい演技をありがとうございました。「真田太平記」の真田幸村役も、「真田丸」の真田昌幸役もともに時代劇ファンには末永く語り伝えられることになるでしょう。

 武田信玄は劇中では、第2回において殺陣師の林邦史朗さんが、亡くなる直前に最後の力を振り絞って信玄の幽霊役として登場したのみでしたが、最後まで存在感を見せていました。信玄は、家康には三方ケ原のトラウマを植え付け、真田昌幸には最後まで家康に対抗しようとする力を与えた続けた源泉でした。幽霊で一度登場しただけの人物が、ドラマの中でここまでの存在感を見せたというのもすごいことでした。
 真田昌幸が願いつづけたものが、甲斐・信濃・駿河の信玄の領国を取り戻し、信玄王国を再興するというものでした。この描き方は良かったと思います。現実の昌幸の本心も、おそらく、それに近いものだったと思われますので。

 そして今回のストーリー上のサプライズは、なんと清正暗殺説が採用されたことでした。しかも服部半蔵再登場のサプライズ。前回登場したお笑い服部半蔵とは打って変わって、今度の半蔵(弟)は、大変にシリアスな役でした。

 それにしても、「ああ秀頼、家康の前ではバカなフリしていなければダメじゃない!」と叫びそうになってしまいました。
 三成が最後に清正に言い残した言葉がプレッシャーとなり、清正が秀頼と家康との対面を設定するという行動をとったとしたら、三成も全く浮かばれないじゃない・・・・・と思わざるを得ませんでした。
 三成の打ち首前の最後の笑みの意味は、「虎之助、あとは任せたぞ」という笑みだったとしたら、それが逆の作用を生む結果になってしまい、後味の悪いものでした。
 
 ストーリーのもう一つのサプライズが、九度山で生まれた梅がきりの子ではなかったこと。子供たちも、大助と梅しか出てこなかったこと。きりとの間に子はできない設定?? 史実では、梅はきりとの間の子のはずですが、史実との整合性をとるストーリー上の秘策があるのでしょう。しかし、きりと信繁の関係はいったいどうなるのか、そこが今回のドラマの最大の謎となりつつあります。どれだけ詳しい人でも、こればかりは、全く先が読めないでしょう。

 来週は、ルソン島に渡っていた秀次の娘のたかが無事に帰国して再登場するようです。再登場を願っていたので、これはうれしいです。そして「真田紐」も登場するようです。

 九度山村の村長の長兵衛は、30年前には「真田太平記」で真田幸村とともに安居天神で壮烈な討ち死にを遂げた向井佐平治役の木之元亮さんでした。今回、向井佐平治は、草刈昌幸の死を看取ることはなかった。しかしもしかしたら、長兵衛も信繁と一緒に大坂入城なんてサプライズもあるのだろうか??

  
 さて、ネットには昌幸ロスを嘆く声が溢れかえっています。
 いつの日か、若い頃の昌幸を描いたドラマ・映画などができることを期待します。まだ武田信玄と若き日の真田昌幸の主従の物語というのはドラマや映画等で描かれたことがないです。この二人の主従の絆を描くドラマがつくられると、今作の景勝=兼続主従以上に萌え要素が高くなりそうな気がします。

 また真田丸のスピンオフドラマを期待する声がネットに満ちています。かって大河ドラマ新選組には、「土方歳三最後の一日」というスピンオフドラマがつくられました。晩年の信之(家光時代? それとも家綱時代?)を描くドラマになるという線がいちばんありそうな気がしますが、逆に、時代を遡って、若い時代の信玄=昌幸を描くスピンオフドラマがあってもいいのではないかと・・・・。
 そう、主な舞台は「三方ケ原」。若き日の武藤喜兵衛が泣きわめきながら逃げる家康を追い散らすシーンがぜひとも見てみたいものです。もちろん本多平八郎も登場。これは盛り上がること間違いなしですね。

 
 


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