代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

加藤紘一の置き土産

2017年10月20日 | 政治経済(日本)
 
 いよいよ選挙戦もあと一日。
 「右でも左でもなく前へ」という枝野さんのメッセージはよかった。立憲民主党の街頭演説にあれだけ多くの方々が参集するのも、みんなの参加によって、みんなでつくっていく民主政治という実感が湧くからだと思う。排除はしない、トップダウンの上位下達では決めない、徹底的な討論によって結論を出していく、これがリベラル政治の原点だ。日本の政治は、右も左もトップダウンの伝統と排除の思想が強すぎたのだ。
 
 亀井静香さん、小林よしのりさん、鈴木邦夫さんといった、保守ないし右派の大物たちが懸命に立憲民主党の応援をする姿も感動的だった。中でも感動したのが、かつては天敵であったはずの辻元清美さんを応援した際の小林よしのりさんが、「加藤紘一さんに言われたことが、本当になっちゃった」と語ったエピソードである。
 昨年亡くなられた元自民党幹事長の故加藤紘一さんが、生前、辻元さんと小林さんを呼んで「2人が手を組まなきゃいけないほど時代が悪くなっている」と和解を求めていたというのだ。
 以下の記事。 
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171015-00000090-dal-ent

 そして加藤さんの予言通りに、二人は手を組んだ。加藤さんは、長州系右翼たちが日本の政治をのっとってしまう今日の事態を予想し、亡くなる前にも布石を打っていたのだ。さすがに長薩と戦った庄内の政治家である。
 まるで真田昌幸が自分の死後の東西手切れを予想し、信繁に戦略を授けたかの如くである。
  
 小林さんの最近の漫画『大東亜論 第三部』を読んだ。福岡の自由民権派・玄洋社の頭山満と土佐の民権派の植木枝盛の友情も描き、彼らの私擬憲法構想を紹介した上で、「明治憲法も薩長の押しつけ」と喝破している。そのうえで、押しつけではない日本独自の憲法というのであれば、自由民権派の私擬憲法にまで立ち返れと主張している。
 
 「明治憲法こそ押し付け」との言葉に、心より拍手を送りたい。
 (欲を言えば、「薩長」のではなく「長州の」と言って欲しいが・・・。また、自由民権運動をさらにさかのぼって慶応年間に芽生えた赤松小三郎らの立憲主義にまで立ち返れと言って欲しいが・・・、まあそこは置いておこう)

 小林さんは、かつて薬害エイズ事件で厚生省と闘い、坂本弁護士の拉致事件でオウム真理教と闘いぬいた、あの頃の輝きを完全に取り戻したようだ。
 


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