代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

鬼怒川でのソーラーパネル建設による溢水問題のその後

2015年11月01日 | 治水と緑のダム
 本日、鬼怒川水害において砂丘の自然堤防が削られてソーラー発電所が建設されたため溢水した場所の近くの公園で泥を除去するボランティア作業をしてきた。写真はその様子。県内のサーカーのクラブチームに所属する中学生など各地から大勢の方々がボランティアに来ていた。





 作業の合間に、ソーラー発電所によって自然堤防が削られて溢水した場所にも行ってみた。写真は水害で破壊されたソーラーパネルの残骸。



 自然堤防が削られて整地されたソーラー発電所の跡。この無堤防地帯から溢水した。ご覧の通り、まだ大型土のうが積まれた応急処置がされているだけで、本格的な復旧はなされていない。




 休憩の合間に、地元の方々に砂丘の自然堤防がなぜ削られたのか、なぜ削られたまま放置されたのかなど質問させていただいた。 

 「これは人災でね」 
 「この砂丘は民有地だったから、削られても文句が言えなかった」
 「砂丘が削られたせいで、本当に残念だ・・・」
 「何回も要望し、堤防をつくることになっていたんだが結局間に合わなくて・・・・」

 といったご意見であった。実際、ここが危ないということは地元の方々がいちばんよく理解し、国交省に重ねて要望していたのだ。その要望に真剣に応えようとしなかったのは国交省である。

 今回の水害から得られる教訓は、地元の川の危険性についていちばん詳しいのは地元の方々であること、地元の声をないがしろにしたまま、治水を国交省任せ、ダム任せにすることがいかに危険であるかということだろう。

 ジャーナリストのまさのあつこさんが、この常総市若宮戸の溢水の真相について、以下のように3回シリーズでYahooニュースに掲載されている。リンクしておくので、ぜひご参照されたい。

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鬼怒川の無堤地帯「若宮戸」の溢水の真相   まさのあつこ

(1)常総市の風野芳之議長が住民の要望を吸い上げ、無堤防地区の危険性を市議会で取り上げる。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20151018-00050580/

(2)国交省は大型土のうを積み上げたが、風野議長は不十分であるとして昨年7月に本格的な築堤を要望。国交省はその要望を放置していた
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20151018-00050583/

(3)鬼怒川の河川整備計画の策定を放置したまま、地元の質問にも答えず、「霞ヶ浦導水事業」のような巨大事業にばかりまい進する国交省
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20151018-00050592/




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