代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

真田丸 第44回「築城」感想

2016年11月06日 | 真田戦記 その深層
 今週は先週に比べると、ちょっと感動が少なかったかも・・・・・。基本的なストーリーが前回の「軍議」と同じ流れだったので、新鮮味に欠けたのかもしれません。違うところは、前回は茶々に説得されて最後には折れてしまった秀頼が、今回は彼女たちにも逆らって自分の意志を貫き通し幸村の出丸建設を承認したところ。ただし、これは分かりやすすぎるストーリーだったので、前回の大野治長の「転向」のような意外性による感動というのがなかったです。
 いちばんのサプライズは松と出雲の阿国(二代目)の再会でした(笑)。服部半蔵に続き、出雲の阿国も二代目が先代と全く同じ。

 今回の最大の見どころは、ついにその全貌が明らかになった「真田丸」と「赤備え」でした。

 大河ドラマ効果で、本年は史実レベルでも真田関係の新発見が続きました。7月には松江歴史館の所蔵資料の中に、真田丸絵図が見つかったというニュースもありました(下の画像)。


2016年7月に松江歴史観で新しく発見された真田丸の絵図

 大河は、歴史学にもずいぶんと貢献します。研究が手薄な場所と時代を大河にすると、それだけでいろいろと新しい発見があって、その時代の解明も進みそうに思えます。来年の井伊直虎は、それほど深く研究されていない人物なので。これも何か新しい発見ありそうですね。

 今年、松江で発見された新しい真田丸の絵図、以前から知られていた広島中央図書館蔵の真田丸の絵図と似ていますが、さらに細部が詳細に描かれています。

  第44回「築城」の最後に現れた真田丸(CG)が、この絵図にそっくりだったのは感動しました。
 大坂城から突き出た巨大な「丸馬出し」という以前の説ではなく、大坂城から飛び出した位置にある孤立した一個の城郭という千田嘉博先生の最新の学説が反映された映像でした。
 
 「真田丸」というからには一つの曲輪(くるわ)をイメージしますが、曲輪の中にさらに複合的に曲輪があり、虎口や丸馬出のようなものがある。確かに、独立した「城郭」といってよいような構造です。
 真田丸の北側は大坂城なのに、北側に腰曲輪があるというのは興味深いです。北側からも攻められる可能性を想定していたとしか思えず、大坂城からの独立性を表しています。
 
 ただ、真田丸の南側は、実際には寺町街で、徳川軍は市街地を抜けて真田丸に殺到したはずです。しかしCGでは、その寺町街は描かれておらず、更地になっていました。さすがに寺町街をオープンセットで再現するのが金銭的にムリだったので、南側は更地という設定にしたのでしょうか・・・・。まあ、これは仕方がないところでしょうか。
 


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