ちょっと遅れましたが新年あけましておめでとうございます。このブログを読んでくださっている皆様、まことにありがとうございます。今年も更新はそれほど多くならないかとは思いますが、書けるときには書いてまいりたいと存じます。
昨年末もあまり更新するつもりはなかったのですが、八ッ場ダム問題や普天間問題などでマスコミ報道があまりにもひどくて傍観するに耐えられず、いくつか書かせていただきました。マスコミが普通に良識をもって報道していてくれれば、何も私ごときがブログを書く必要もないのですが・・・・・。ため息が出ます。
八ッ場ダム問題といえば、このブログにいくつか書いてきた代替案をコンパクトにまとめて「オルタ」というメールマガジンに投稿し、掲載していただきました。よろしかったらご笑覧ください。下記のページです。森林による緑のダム機能はこのブログの過去記事でも多く書いてまいりましたので、ここでは水田のダム機能を強調いたしました。
http://www.alter-magazine.jp/backno/backno_71.html
****「八ッ場ダム代替案について」記事の一部を引用******
森林以外に、確実に治水容量を計算できる「緑のダム」としては水田がある。ここでは水田で八ッ場ダムを代替する方法を考えてみよう。耕作放棄された棚田や減反した水田を必要量だけ復田すればよいのである。
(中略)
この洪水調整用水田(=遊水池)を、地方の建設業者に造成・管理してもらうのはどうであろうか。畦を高くしながら復田し、それを洪水時の遊水池機能を果たせるように維持管理する作業も立派な公共事業である。そこで生産されたコメは米粉、飼料米、エネルギー米などの用途で用いればよいだろう。地域資源を活用した地場産業が育成され、食料自給率も向上し、治水のみならず、雇用対策、景気対策、温暖化対策として大いに役に立つのである。
民主党政権はすべての農地に所得補償制度を導入するので、米粉や飼料米の市場価格と生産コストの差額分は政府から補填されることになる。しかし条件不利地である山間の棚田に関しては、洪水調整用の機能を鑑みて、個別の所得補償の支払いに加え、国土保全費用として別枠の予算を追加で支払うべきであろう。治水用のダムの維持管理費を支払うのと同じ理屈であるから、その支払いには何の問題もない。そうすればダムという一過性の公共事業ではなく、建設業界により永続的な公益的な業務を提供できよう。
もともと地方の建設業界は、兼業農家の働き先として発展してきたので、農業・林業で再び食べられるようになれば「元のサヤに収まる」ことになる。そのために建設業界が農・林業に参入できるような政策的後押しが必要であろう。
*****引用終わり*********
「オルタ」というメールマガジンは、普天間問題でも精力的に提言活動を行っておりますし、農業問題にも力を入れております。他のバックナンバーも多くの方々に読んでいただきたいので、拙ブログのブックマークに加えておきました。
私の八ッ場の記事の載った「オルタ」71号では、農業分野のFTAがいかに恐るべき結果をもたらすのかについてメキシコを事例に書いた濱田幸夫さんの「NAFTAの近過去、日本の近未来」という記事などイチオシです。
日本のマスコミは、このようなNAFTA加盟後のメキシコ農業がどうなったのかなど全く検証しようともせずに、農業分野も含めたFTAをアジりまくってきたのです・・・・。
さて、八ッ場ダム問題にしても普天間問題にしても、良識ある報道をしていたと思える首都圏で読める新聞は、『日刊ゲンダイ』と『東京新聞』ぐらいでした。ちなみに週刊誌では、この間、『週刊朝日』がすばらしい報道をしていたと思います。
私はこのブログで重ねて、コンクリート・ダムの代替案として森林整備による治水という緑のダム政策を書いてまいりました。八ッ場ダム問題に関しても、緑のダム機能を報道していたのは『東京新聞』くらいでした。日付は覚えていませんが『東京新聞』は「緑のダム機能、明らか」とちゃんと見出しで書いておりました。
過去の洪水データを見れば、利根川上流が乱伐されていた戦後直後に水害が起こり、植林が進むとともに洪水流量が低減しており、国交省の発表する洪水予測の数値が、森林の機能を無視した過大な数値になっているのは明らかなのです。しかしながら東京新聞以外のマスコミはそう書けないというのはどういうことなのでしょう?
東京新聞の強みは、独自の調査報道に力を入れているところでしょう。記者が自分で調査して自分の頭で考えて記事を書いているから、「緑のダム機能、明らか」と書けるわけです。
他の新聞は省庁の垂れ流す大本営発表にドップリ依存して、独自取材を怠っているから「緑のダム機能はない、ない」と繰り返す国交省の言われるがままになってしまい、事実を書けないでいるのです。
普天間問題にしても、新聞各社は思考停止的従米を続けようとする外務省の手のひらの上で完全にコントロールされてしまっています。例の藤崎駐米大使が「クリントン長官に呼びつけられた」というウソをついているかもしれないという問題に関しても、良識あるジャーナリズムであったら藤崎発言を鵜呑みにする前に、米国国務省にも事実関係を確認するのが当たり前でしょう。国務省の見解が、藤崎大使の発言と食い違っているのですから、どちらかがウソをついているのは明らかです。マスコミは徹底的に事実を究明するのが常識です。藤崎大使がウソをついたのでしたら、当然、更迭でしょう。(この問題の事実関係に関しては天木直人さんのブログを参照)
年頭にマスコミに言いたいのは、「少しは独自取材しなさい! あなたたち、恥ずかしくないのですか?」ということに尽きます。
では今年もよろしくお願い申し上げます。
昨年末もあまり更新するつもりはなかったのですが、八ッ場ダム問題や普天間問題などでマスコミ報道があまりにもひどくて傍観するに耐えられず、いくつか書かせていただきました。マスコミが普通に良識をもって報道していてくれれば、何も私ごときがブログを書く必要もないのですが・・・・・。ため息が出ます。
八ッ場ダム問題といえば、このブログにいくつか書いてきた代替案をコンパクトにまとめて「オルタ」というメールマガジンに投稿し、掲載していただきました。よろしかったらご笑覧ください。下記のページです。森林による緑のダム機能はこのブログの過去記事でも多く書いてまいりましたので、ここでは水田のダム機能を強調いたしました。
http://www.alter-magazine.jp/backno/backno_71.html
****「八ッ場ダム代替案について」記事の一部を引用******
森林以外に、確実に治水容量を計算できる「緑のダム」としては水田がある。ここでは水田で八ッ場ダムを代替する方法を考えてみよう。耕作放棄された棚田や減反した水田を必要量だけ復田すればよいのである。
(中略)
この洪水調整用水田(=遊水池)を、地方の建設業者に造成・管理してもらうのはどうであろうか。畦を高くしながら復田し、それを洪水時の遊水池機能を果たせるように維持管理する作業も立派な公共事業である。そこで生産されたコメは米粉、飼料米、エネルギー米などの用途で用いればよいだろう。地域資源を活用した地場産業が育成され、食料自給率も向上し、治水のみならず、雇用対策、景気対策、温暖化対策として大いに役に立つのである。
民主党政権はすべての農地に所得補償制度を導入するので、米粉や飼料米の市場価格と生産コストの差額分は政府から補填されることになる。しかし条件不利地である山間の棚田に関しては、洪水調整用の機能を鑑みて、個別の所得補償の支払いに加え、国土保全費用として別枠の予算を追加で支払うべきであろう。治水用のダムの維持管理費を支払うのと同じ理屈であるから、その支払いには何の問題もない。そうすればダムという一過性の公共事業ではなく、建設業界により永続的な公益的な業務を提供できよう。
もともと地方の建設業界は、兼業農家の働き先として発展してきたので、農業・林業で再び食べられるようになれば「元のサヤに収まる」ことになる。そのために建設業界が農・林業に参入できるような政策的後押しが必要であろう。
*****引用終わり*********
「オルタ」というメールマガジンは、普天間問題でも精力的に提言活動を行っておりますし、農業問題にも力を入れております。他のバックナンバーも多くの方々に読んでいただきたいので、拙ブログのブックマークに加えておきました。
私の八ッ場の記事の載った「オルタ」71号では、農業分野のFTAがいかに恐るべき結果をもたらすのかについてメキシコを事例に書いた濱田幸夫さんの「NAFTAの近過去、日本の近未来」という記事などイチオシです。
日本のマスコミは、このようなNAFTA加盟後のメキシコ農業がどうなったのかなど全く検証しようともせずに、農業分野も含めたFTAをアジりまくってきたのです・・・・。
さて、八ッ場ダム問題にしても普天間問題にしても、良識ある報道をしていたと思える首都圏で読める新聞は、『日刊ゲンダイ』と『東京新聞』ぐらいでした。ちなみに週刊誌では、この間、『週刊朝日』がすばらしい報道をしていたと思います。
私はこのブログで重ねて、コンクリート・ダムの代替案として森林整備による治水という緑のダム政策を書いてまいりました。八ッ場ダム問題に関しても、緑のダム機能を報道していたのは『東京新聞』くらいでした。日付は覚えていませんが『東京新聞』は「緑のダム機能、明らか」とちゃんと見出しで書いておりました。
過去の洪水データを見れば、利根川上流が乱伐されていた戦後直後に水害が起こり、植林が進むとともに洪水流量が低減しており、国交省の発表する洪水予測の数値が、森林の機能を無視した過大な数値になっているのは明らかなのです。しかしながら東京新聞以外のマスコミはそう書けないというのはどういうことなのでしょう?
東京新聞の強みは、独自の調査報道に力を入れているところでしょう。記者が自分で調査して自分の頭で考えて記事を書いているから、「緑のダム機能、明らか」と書けるわけです。
他の新聞は省庁の垂れ流す大本営発表にドップリ依存して、独自取材を怠っているから「緑のダム機能はない、ない」と繰り返す国交省の言われるがままになってしまい、事実を書けないでいるのです。
普天間問題にしても、新聞各社は思考停止的従米を続けようとする外務省の手のひらの上で完全にコントロールされてしまっています。例の藤崎駐米大使が「クリントン長官に呼びつけられた」というウソをついているかもしれないという問題に関しても、良識あるジャーナリズムであったら藤崎発言を鵜呑みにする前に、米国国務省にも事実関係を確認するのが当たり前でしょう。国務省の見解が、藤崎大使の発言と食い違っているのですから、どちらかがウソをついているのは明らかです。マスコミは徹底的に事実を究明するのが常識です。藤崎大使がウソをついたのでしたら、当然、更迭でしょう。(この問題の事実関係に関しては天木直人さんのブログを参照)
年頭にマスコミに言いたいのは、「少しは独自取材しなさい! あなたたち、恥ずかしくないのですか?」ということに尽きます。
では今年もよろしくお願い申し上げます。