年末・年始に読んだ本の中で、「この本は多くの人々に読んで欲しい」と思った本の紹介をしたいと思います。私がいま特に書評したい本は、孫崎享著『日米同盟の正体』(講談社現代新書、2009年3月刊)とリチャード・クー、村山昇作『世界同時バランスシート不況』(徳間書店、2009年9月刊)の2冊です。本日は、リチャード・クー氏らの『世界同時バランスシート不況』を紹介したいと思います。
私は本ブログで、リチャード・クー氏に関しては一方で評価しながら、他方で批判もするというアンビバレントな対応をとってきました。私は、基本的にクー氏を応援したいので、「ああ、申し訳ないことしたかなあ」と若干自責の念を持っています。というのも、Google で「リチャード・クー」と検索すると、私がずいぶん前の2005年2月にアップした「リチャード・クーと竹中平蔵のアウフヘーベン」という記事が、いまだに上位に出てくるのです。いまでもその記事は多くの人に読まれ続けているようです。リチャード・クー氏の「バランスシート不況」の理論が世界中のエコノミストや政府の財政当局者から評価されるようになり、いまやクー氏は世界的に「時の人」となった観のある現時点でも、なお拙ブログなど批判的な記事が上位にヒットしてくるのです。
これはもしかしたらクー氏の業績を貶めようとする何かの「陰謀」かもしれません。皆さんご注意を(苦笑)。私の記事が日本におけるクー批判の一翼を担ってしまっているのだとしたら、全く私の本意ではありません。
もっとも、私はその記事でエコロジカル・ニューディールの観点からクー氏を批判しつつも、コメント欄では次のようにフォローもしています。
「私は、基本的にはクー氏の業績はすばらしいものだと思っています。ケインズは、ゼロ金利でも貸出しが増加しない理由として「流動性の罠」という表現を使いました。しかし、これはよく分からない概念で、私は、何かごまかされた感じがしておりました。クー氏は、『バランスシート不況』という概念で、ケインズが説明できなかったことを見事に明らかにしていると思います(後略)」
リチャード・クー氏の「バランスシート不況論」はケインズ経済学に新しい地平を切り開く画期的な理論なのだという私の評価は、当時から今にいたるまで不変です。ちなみに、あの記事は、もともとは私が2002年に『発想』第4号(季節社刊)に書いた「経済学者が日本経済を救えないのは何故なのか」という記事の一部をアレンジしてネットに転載したものでした(力石定一・牧衷編著『発想』第4号、季節社、2002年8月)。
当時のクー氏は「穴を掘って穴を埋め戻すような財政でもよい」と真顔で言っておりましたので、その点を批判したのです。しかし、近著の『世界同時バランスシート不況』では、財政で技術革新と新規民間投資を促すといった戦略的な観点も論じられております。従って、現時点では私の上記記事でのクー氏への批判点は解消されております。
さてGoogleで「リチャード・クー」と検索すると私の記事のさらに上位でヒットするのは、かの池田信夫大センセイの書いた「リチャード・クーは地底人か」というすごい記事です。いったい「地底人って何のことだ??」と、私にはその意味が理解できなかったのですが、何でも、いしいひさいちさんが昔書いた4コマ漫画に「地底人」という漫画があったのだそうです。私は浅学にしてその漫画の存在を知りませんでした。全く無知でお恥ずかしいことでした。さすがは池田大センセイのご見識は漫画の分野にまでおよび、高尚であります。
そういえば池田大センセイ、麻生太郎前首相がリチャード・クーさんをブレーンに大型の財政出動を決めたとき、麻生太郎はマンガしか読まないマンガ頭だ、などと罵倒しておられました。「マンガ頭」なのは池田大センセイの方だったのではないでしょうか?
池田大センセイは、この記事で、例のマンデル・フレミングのお笑いモデルを振りかざす以外に論理的にクー氏に反論することはなく、やれリチャード・クーは「両生類」だの「地底人」だのと罵倒しまくっておられます。アカデミズムの世界では、このような批判はあり得ないことなのですが、さすがに池田センセイ、私のような愚かな人間とは異なり、通常の学問の常識からも超越した崇高な世界に入っておられるのでしょう。さすがは「αブロガー」です。
ちなみに池田大センセイは、2008年8月に書かれた前掲記事の中で、麻生やクーのようなバラマキをやったら「物価上昇率は10%を超えるだろう」「金利も20%ぐらいになるだろう」という大予言をしておられました。ノストラダムスもびっくりです。
その後、そのバラマキ補正予算は既に10兆円以上は執行されたかと存じますが、「インフレ率10%」どころか、デフレがいよいよ深刻化しているように見受けられるのは、私の気のせいなのでしょうか?
また、これだけ熱心に政府が財政赤字をバラまいているにも関わらず、「金利20%」どころか、補正予算の執行後に長期金利はむしろ1.5%から1.2~1.3%程度へと下がってしまい、全く上昇の気配はありません(このグラフ参照)。これは一体どうしたことでしょう?
「民間に資金需要が存在しないバランスシート不況下では、政府が財政赤字を出してもインフレも起こらなければ、長期金利も上昇しない」というリチャード・クー氏の議論が正しく、池田信夫大センセイの議論が誤っていることは、私のような凡人の目から見れば明々白々としか思えないわけです。
それにしても、バラマキを実施すれば「インフレ率10%、金利20%」とは、わが目を疑うメチャクチャな数字なのですが、これだけ大間違いなことを述べても池田大センセイは自己批判する気もサラサラないようです。そしてご本人は、ますます意気軒昂にマンデル・フレミング・モデルの「正しさ」をブログで論じておられるようです。やはりお偉い学者さんの高貴なお考えは、およそ愚かな一般人には理解し得ないものなのでしょう。この態度こそ、まさに拙ブログが論じてきた「ピグマリオン症」というビョーキそのものでしょう。
さて、リーマン・ショック以降、世界中でクー氏のバランスシート不況論を正しく理解できる人がようやく増えたようです。例えば、かって市場原理主義のグローバル化を礼賛しまくっていたフィナンシャル・タイムズ紙のマーティン・ウルフ氏なんか、いまではすっかり改心してクー理論の信奉者になり、世界に向けてクー氏の本を読むように紹介しています。例えば以下の記事。
http://news.goo.ne.jp/article/ft/business/ft-20090218-01.html
あのラリー・サマーズすらが、クー氏の英語の近著『The Holy Grail of Macroeconomics』に推薦文を書いて「Agree or disagree, any analyst of the current United States situation must consider Koo's arguments(同意するか否かは別として、現在の米国経済の状況を分析しようとする人々は、クーの議論を熟慮せねばならない)」と述べています。
私がこのブログでも高く評価してきたエコノミストであるリチャード・ダンカン氏も同書への推薦文で「This is an important book. It should be required reading for economic policy makers all around the world. これは重要な本だ。世界中の全ての経済政策担当者が読むべきである」とまで書いています。(amazonのブックレビュー参照)。
何でも、英国の『オブザーバー』氏の論説委員のウィル・ハットン氏は「イギリスの経済運営はリチャード・クーに聞け。彼のバランスシート不況論は、アダム・スミス、ケインズ、ミルトン・フリードマンに続く経済学の重大な発見だ」とまで言いだし、クー氏はBBC放送に呼び出されて出ずっぱりになってしまったそうです(『世界同時バランスシート不況』159頁参照)。
何と、池田信夫大センセイの意図に反して、ずいぶん多くの世界中の人々は地底人のお仲間の最底人になってしまったようなのです!
私のような俗世の凡夫の目からは、池田信夫大センセイこそ「地底人」で、その地底人をマンセーし、やれ「αブロガー」だ何だと祭り上げる追従者たちこそ「最底人」としか思えないわけです。その大センセイの書く記事をありがたく掲載し続ける『ダイ○モンド』なる雑誌は、トイレット・ペーパーにすらならない「サイテー雑誌」にしか見えません。数年前にはもうちょっとまともな雑誌だったように思えますが、近年のあの雑誌の変貌ぶりには、言葉を失う次第です。
アメリカのyahooで「Balance sheet recession, Richard Koo」と検索すると、現時点で20万件以上もヒットし、アメリカでクー氏の理論が論争をまきおこしつつ、実に多くのブロガーが論じております。市場原理主義を信奉してきた米国人もクー氏の理論で目が覚めて改宗しつつある現状がよくわかります。やはり、アメリカ人は論理的な人々です。現在の不況下における経済的処方箋としてマネタリズムが誤っていること、政府主導の財政政策のみが有効であることを論理的に明らかにし、それが現実経済における実験結果とも整合的であるとデータを持って示していけば、ちゃんと市場原理主義の誤謬から脱却できるようです。
ちなみに「バランスシート不況論」が10年以上も前に提起された本家・日本の「ヤフー」で、「バランスシート不況、リチャード・クー」と入力して検索しても現時点で3万7000件しかヒットしません。米国の20万件に比べるとえらい少なさです。最近になってこの理論を知った米英人の間で急速に普及しているのに対し、クー氏が日本でこの概念を発表してから10年以上も経つのに、なかなかこの概念は広まらないし、池田信夫センセイのように罵倒するようなエコノミストやマスコミが多いのです。アメリカでは技術革新が発生しやすく、日本では起きにくい理由もよくわかりますね。やれやれ。ため息です。
池田大センセイは、先ほど紹介した記事で、「この程度のことは(地底人には理解できないようだが)どんな初歩的な教科書にも書いてある」と述べておられます。アメリカでは、財政政策が無効であるということは「コンセンサスだ」とおっしゃるわけです。
大センセイこそ初歩的な教科書しか理解しておられないようです。米国人も英国人も、初歩的教科書の間違いを脱して、一歩先の議論に進んでいるわけです。英米も、ようやくクー氏の議論に追い付いてきたのだといえるでしょう。
米国経済学の「初等教科書」を崇拝しながら、クー氏を「両生類・地底人」呼ばわりした池田大センセイはどうなさるのでしょうか? 池田センセイ、本当に面白いですね。
クー氏の本の書評のつもりが、気が付いたらいつのかにか池田信夫センセイの話題にばかりなってしまいました。クー氏の本の紹介の続編はまた書きます。
私は本ブログで、リチャード・クー氏に関しては一方で評価しながら、他方で批判もするというアンビバレントな対応をとってきました。私は、基本的にクー氏を応援したいので、「ああ、申し訳ないことしたかなあ」と若干自責の念を持っています。というのも、Google で「リチャード・クー」と検索すると、私がずいぶん前の2005年2月にアップした「リチャード・クーと竹中平蔵のアウフヘーベン」という記事が、いまだに上位に出てくるのです。いまでもその記事は多くの人に読まれ続けているようです。リチャード・クー氏の「バランスシート不況」の理論が世界中のエコノミストや政府の財政当局者から評価されるようになり、いまやクー氏は世界的に「時の人」となった観のある現時点でも、なお拙ブログなど批判的な記事が上位にヒットしてくるのです。
これはもしかしたらクー氏の業績を貶めようとする何かの「陰謀」かもしれません。皆さんご注意を(苦笑)。私の記事が日本におけるクー批判の一翼を担ってしまっているのだとしたら、全く私の本意ではありません。
もっとも、私はその記事でエコロジカル・ニューディールの観点からクー氏を批判しつつも、コメント欄では次のようにフォローもしています。
「私は、基本的にはクー氏の業績はすばらしいものだと思っています。ケインズは、ゼロ金利でも貸出しが増加しない理由として「流動性の罠」という表現を使いました。しかし、これはよく分からない概念で、私は、何かごまかされた感じがしておりました。クー氏は、『バランスシート不況』という概念で、ケインズが説明できなかったことを見事に明らかにしていると思います(後略)」
リチャード・クー氏の「バランスシート不況論」はケインズ経済学に新しい地平を切り開く画期的な理論なのだという私の評価は、当時から今にいたるまで不変です。ちなみに、あの記事は、もともとは私が2002年に『発想』第4号(季節社刊)に書いた「経済学者が日本経済を救えないのは何故なのか」という記事の一部をアレンジしてネットに転載したものでした(力石定一・牧衷編著『発想』第4号、季節社、2002年8月)。
当時のクー氏は「穴を掘って穴を埋め戻すような財政でもよい」と真顔で言っておりましたので、その点を批判したのです。しかし、近著の『世界同時バランスシート不況』では、財政で技術革新と新規民間投資を促すといった戦略的な観点も論じられております。従って、現時点では私の上記記事でのクー氏への批判点は解消されております。
さてGoogleで「リチャード・クー」と検索すると私の記事のさらに上位でヒットするのは、かの池田信夫大センセイの書いた「リチャード・クーは地底人か」というすごい記事です。いったい「地底人って何のことだ??」と、私にはその意味が理解できなかったのですが、何でも、いしいひさいちさんが昔書いた4コマ漫画に「地底人」という漫画があったのだそうです。私は浅学にしてその漫画の存在を知りませんでした。全く無知でお恥ずかしいことでした。さすがは池田大センセイのご見識は漫画の分野にまでおよび、高尚であります。
そういえば池田大センセイ、麻生太郎前首相がリチャード・クーさんをブレーンに大型の財政出動を決めたとき、麻生太郎はマンガしか読まないマンガ頭だ、などと罵倒しておられました。「マンガ頭」なのは池田大センセイの方だったのではないでしょうか?
池田大センセイは、この記事で、例のマンデル・フレミングのお笑いモデルを振りかざす以外に論理的にクー氏に反論することはなく、やれリチャード・クーは「両生類」だの「地底人」だのと罵倒しまくっておられます。アカデミズムの世界では、このような批判はあり得ないことなのですが、さすがに池田センセイ、私のような愚かな人間とは異なり、通常の学問の常識からも超越した崇高な世界に入っておられるのでしょう。さすがは「αブロガー」です。
ちなみに池田大センセイは、2008年8月に書かれた前掲記事の中で、麻生やクーのようなバラマキをやったら「物価上昇率は10%を超えるだろう」「金利も20%ぐらいになるだろう」という大予言をしておられました。ノストラダムスもびっくりです。
その後、そのバラマキ補正予算は既に10兆円以上は執行されたかと存じますが、「インフレ率10%」どころか、デフレがいよいよ深刻化しているように見受けられるのは、私の気のせいなのでしょうか?
また、これだけ熱心に政府が財政赤字をバラまいているにも関わらず、「金利20%」どころか、補正予算の執行後に長期金利はむしろ1.5%から1.2~1.3%程度へと下がってしまい、全く上昇の気配はありません(このグラフ参照)。これは一体どうしたことでしょう?
「民間に資金需要が存在しないバランスシート不況下では、政府が財政赤字を出してもインフレも起こらなければ、長期金利も上昇しない」というリチャード・クー氏の議論が正しく、池田信夫大センセイの議論が誤っていることは、私のような凡人の目から見れば明々白々としか思えないわけです。
それにしても、バラマキを実施すれば「インフレ率10%、金利20%」とは、わが目を疑うメチャクチャな数字なのですが、これだけ大間違いなことを述べても池田大センセイは自己批判する気もサラサラないようです。そしてご本人は、ますます意気軒昂にマンデル・フレミング・モデルの「正しさ」をブログで論じておられるようです。やはりお偉い学者さんの高貴なお考えは、およそ愚かな一般人には理解し得ないものなのでしょう。この態度こそ、まさに拙ブログが論じてきた「ピグマリオン症」というビョーキそのものでしょう。
さて、リーマン・ショック以降、世界中でクー氏のバランスシート不況論を正しく理解できる人がようやく増えたようです。例えば、かって市場原理主義のグローバル化を礼賛しまくっていたフィナンシャル・タイムズ紙のマーティン・ウルフ氏なんか、いまではすっかり改心してクー理論の信奉者になり、世界に向けてクー氏の本を読むように紹介しています。例えば以下の記事。
http://news.goo.ne.jp/article/ft/business/ft-20090218-01.html
あのラリー・サマーズすらが、クー氏の英語の近著『The Holy Grail of Macroeconomics』に推薦文を書いて「Agree or disagree, any analyst of the current United States situation must consider Koo's arguments(同意するか否かは別として、現在の米国経済の状況を分析しようとする人々は、クーの議論を熟慮せねばならない)」と述べています。
私がこのブログでも高く評価してきたエコノミストであるリチャード・ダンカン氏も同書への推薦文で「This is an important book. It should be required reading for economic policy makers all around the world. これは重要な本だ。世界中の全ての経済政策担当者が読むべきである」とまで書いています。(amazonのブックレビュー参照)。
何でも、英国の『オブザーバー』氏の論説委員のウィル・ハットン氏は「イギリスの経済運営はリチャード・クーに聞け。彼のバランスシート不況論は、アダム・スミス、ケインズ、ミルトン・フリードマンに続く経済学の重大な発見だ」とまで言いだし、クー氏はBBC放送に呼び出されて出ずっぱりになってしまったそうです(『世界同時バランスシート不況』159頁参照)。
何と、池田信夫大センセイの意図に反して、ずいぶん多くの世界中の人々は地底人のお仲間の最底人になってしまったようなのです!
私のような俗世の凡夫の目からは、池田信夫大センセイこそ「地底人」で、その地底人をマンセーし、やれ「αブロガー」だ何だと祭り上げる追従者たちこそ「最底人」としか思えないわけです。その大センセイの書く記事をありがたく掲載し続ける『ダイ○モンド』なる雑誌は、トイレット・ペーパーにすらならない「サイテー雑誌」にしか見えません。数年前にはもうちょっとまともな雑誌だったように思えますが、近年のあの雑誌の変貌ぶりには、言葉を失う次第です。
アメリカのyahooで「Balance sheet recession, Richard Koo」と検索すると、現時点で20万件以上もヒットし、アメリカでクー氏の理論が論争をまきおこしつつ、実に多くのブロガーが論じております。市場原理主義を信奉してきた米国人もクー氏の理論で目が覚めて改宗しつつある現状がよくわかります。やはり、アメリカ人は論理的な人々です。現在の不況下における経済的処方箋としてマネタリズムが誤っていること、政府主導の財政政策のみが有効であることを論理的に明らかにし、それが現実経済における実験結果とも整合的であるとデータを持って示していけば、ちゃんと市場原理主義の誤謬から脱却できるようです。
ちなみに「バランスシート不況論」が10年以上も前に提起された本家・日本の「ヤフー」で、「バランスシート不況、リチャード・クー」と入力して検索しても現時点で3万7000件しかヒットしません。米国の20万件に比べるとえらい少なさです。最近になってこの理論を知った米英人の間で急速に普及しているのに対し、クー氏が日本でこの概念を発表してから10年以上も経つのに、なかなかこの概念は広まらないし、池田信夫センセイのように罵倒するようなエコノミストやマスコミが多いのです。アメリカでは技術革新が発生しやすく、日本では起きにくい理由もよくわかりますね。やれやれ。ため息です。
池田大センセイは、先ほど紹介した記事で、「この程度のことは(地底人には理解できないようだが)どんな初歩的な教科書にも書いてある」と述べておられます。アメリカでは、財政政策が無効であるということは「コンセンサスだ」とおっしゃるわけです。
大センセイこそ初歩的な教科書しか理解しておられないようです。米国人も英国人も、初歩的教科書の間違いを脱して、一歩先の議論に進んでいるわけです。英米も、ようやくクー氏の議論に追い付いてきたのだといえるでしょう。
米国経済学の「初等教科書」を崇拝しながら、クー氏を「両生類・地底人」呼ばわりした池田大センセイはどうなさるのでしょうか? 池田センセイ、本当に面白いですね。
クー氏の本の書評のつもりが、気が付いたらいつのかにか池田信夫センセイの話題にばかりなってしまいました。クー氏の本の紹介の続編はまた書きます。
Google:
"バランスシート不況" "リチャード クー" の検索結果 約 293,000 件中 651 - 655 件目 (1.53 秒)
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Yahoo.co.jp:
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"Balance sheet recession" "Richard Koo":
これが単語検索だと、
Google:
バランスシート不況 リチャード クー の検索結果 約 209,000 件中 1 - 10 件目 (0.22 秒)
ちょっと、単語を加えるとヒット数が減りそうな気がしますが
バランスシート不況 リチャード クー 経済 財政 の検索結果 約 216,000 件中 1 - 10 件目 (0.59 秒)
・・・増えちゃいました。
なんなんでしょうね。
AND検索のはずなんですが。
久しぶりに書き込みます。
最近では、私は、現在のデフレ不況を解消するのは日銀の国債直接引き受けしかないのかなと思っております。
例えばCPIが+2%になるまでというような制限付き立法措置をとった上で。
日本の現況はほぼ純粋に貨幣的現象ではないかと思っているので。