代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

丸山茂徳氏の地球寒冷化論への反論

2008年10月16日 | 温暖化問題
 伝染病のように、地球温暖化懐疑論が広まっています。いまや本屋に行けば、懐疑派の本がIPCC支持派の本を上回る勢いです。
 私も自分の研究で忙しいので、いちいち懐疑派の人々の本を追っかけている精神的余裕などないのですが、教えている学生の中で懐疑派になる学生が多くて、読まざるを得なくなっています。そりゃ調べようと思って本屋の温暖化問題のコーナーに行けば今や懐疑派の本が50%以上なのですから、学生さんもそうなりますわな。
 本当は彼らに印税を払うのもイヤなのですが、私もやむを得ず大量に買い込んでいます(ああ、時間とお金と紙がもったいない・・・)。
 
 武田邦彦氏や池田清彦氏の温暖化懐疑論は、ほとんど「床屋政談」の域を出ないので置いといて、ここでは著名な地質学者の丸山茂徳氏の書いた『「地球温暖化」論に騙されるな』(講談社)を取り上げて批判させていただきます。彼は、地球温暖化論ならぬ地球寒冷化論者で、高名な地質学者なので権威もあって、学生のみならず学者の中でも彼の議論を支持する人々が急増しています。

 どれだけ説得力があるのだろうと思って期待して読んでみたのですが、開いた口が塞がらない部分が多かったです。地球磁場の減少など、丸山氏の専門の地質学の領域では納得できる部分が多かったのですが。

 以前にも書きましたが(この記事参照)、恐るべきは地球温暖化正のフィードバック効果が、暴走して止まらなくなることです。気候という複雑系の変化は線形的ではなく、域値を超えると暴走することがあるからです。

 初期条件のわずかなCO2増加でも、それが原因になって、海洋からのCO2放出、山火事の増大によるCO2排出、凍土の溶解によるメタン放出、海面からの水蒸気の供給などで、温室効果ガスが勝手に噴き出して止まらなくなるのです。槌田氏や丸山氏が言う、「温度上昇が原因でCO2が増えている」というのは、ある意味でその通りです。だって、気温とCO2濃度というのは、どちらかが独立変数でどちらかが従属変数などという単純な線形関係ではなく、相互因果的なフィードバック関係にあるからです。つまり双方が双方を強めあっているのです。しかしながら、最初のひと蹴り、つまり初期条件の「ゆらぎ」は人類の経済活動を抜きにして説明などできません。
 
 丸山氏は、この「正のフィードバック効果」に対して、次のように反論します。

「大気中の二酸化炭素濃度が増えれば、たしかにある程度気温は上がります。しかしその一方で、植物や珊瑚など、それを吸収する生物は喜んで活発に活動するため二酸化炭素を吸収し、大気中の二酸化炭素を小さくする方向に働くのです」(丸山、前掲書、34ページ)

 私はこれを読んだときに思わず、「え゛ェー!」と叫んでしまいました。何の数字もデータの証拠もなく、こんなことを断言するのは、およそ科学者の取るべき態度ではありません。しかも決定的に間違っているのです。
 丸山氏の言わんとすることは、地球というシステムは、ある一方向へ進む変化に対して、その変化を抑制するという負のフィードバック効果が働くので、ある時点まで行けば負のフィードバックが正のフィードバックを逆転して、元に戻るというわけです。

 しかし、その負のフィードバック効果の根拠が「植物と珊瑚」というのには呆れかえりました。丸山氏は、現在の地球の森林と珊瑚の状態をご存知の上でこう述べておられるのでしょうか?
 
 陸上生態系での炭素の最大の貯留源は森林ですが、年々深刻化する熱帯林の農地転用により、森林面積はどんどん縮小しています。ブラジルとインドネシアの二カ国のみを見たって、この15年ほどで日本列島の二倍の面積の熱帯林が消えてなくなっているのです。増大した二酸化炭素を植物に吸収させようにも、森林がどんどん減っているのですから、吸収量など増えるわけありません。しかも当の温暖化により森林火災の発生件数が激増しています。この間のカリフォルニアの森林火災で如実に明らかになったとおりです。米国のロッキー山脈西部では1987年以降、森林火災発生件数は4倍に増加しているそうです。
 つまり、現時点までの証拠を見る限りにおいて、CO2の増加が森林火災を加速させ、その結果、大気中のCO2がさらに増えてしまっているのです。
 つまり地球上の植物に関しては、現在までのところ地球温暖化正のフィードバック効果を加速させる要因にしかなっておらず、負のフィードバック効果が発生する兆候すら見えないのです。

 珊瑚も同様です。地球温暖化による海水温度の上昇により珊瑚の白化現象が深刻化しており、珊瑚礁のCO2吸収能力はどんどん衰えていっているのです。ここでも温暖化は、珊瑚という吸収源の機能を衰退させる正のフィードバックをもたらすのみ。珊瑚が活性化するなんて負のフィードバック効果の兆候すら見えないのです。

 もう一つ、丸山茂徳氏が指摘する負のフィードバックの可能性は、温暖化で雲量が増加し、雲による太陽光の反射効果が高まって、地表に到達する太陽光線の量が減って温度の低下に至るというものです。これは、「これが起こってくれればいいのになぁー」と私もひそかに期待を寄せている負のフィードバック効果です。
 しかし、これが発生してくれれば「超ラッキー」という感じではありますが、これが起こる保障なんてどこにもありません。複雑系のことは分からないからです。「人事を尽くして天命を待つ」こそが正しい態度であって、起こるかどうかも分からない地球の負のフィードバック効果に楽観的な期待を寄せて対策を怠るなんてことは、「どうせ神風が吹いてくれるから」と戦争に突入した旧日本軍みたいなもので、全人類を人質にとった大バクチです。そのような不道徳な人類には、天の神様だって微笑んではくれないでしょう。

 また、森林に関連して、雲量でも正のフィードバックを加速させる要因があります。熱帯林というのは、活発な蒸発散により、大量の雲を形成しています。その熱帯林がどんどん消えているので、雲の形成能力も衰えているのです。これは地表に到達する太陽光線の量を増やすだけです。熱帯林が消えた地域では降雨量も減少しています。農家は雨が少なくなったのは森林が消えたせいだと口ぐちに言います。
 私はかつて熱帯林の減少を食い止めるための社会調査をしていました。熱帯特有の激しいスコールの降った後、大量に雨水を吸いこんだ熱帯林は、活発に蒸発散をして、白い蒸気をモクモクと煙のように大気中に放散します。私がいた北部ルソンでは、イロカノ語で、熱帯林がつくりだす雲を「アゲップ」と呼んでいました。それは美しい光景で、初めて見たとき、我をわすれて見とれていたことを思い出します。私がいた村の友人は、森林の減少により、そうした光景が見られなくなってきたことを悲しがっていました。

 熱帯林が消えれば、大気中の雲量を減らす効果しかもたらしません。ここでも、丸山氏の根拠のない楽観論とは裏腹に、雲量増加による負のフィードバック効果どころか、雲量減少による太陽光線の増加という正のフィードバック効果の発生の方が危惧されるのです。

 丸山氏の楽観的負のフィードバック待望論は、ほとんど無根拠です。皆さん信じてはいけません。もちろん、予期せぬ負のフィードバックが働いて人類を救うという可能性はなきにしもあらずですが、そんなことに期待を寄せて対策を怠ってよいわけはないのです。人類に理性があるのなら、予防原則に基づいて、常に最悪の事態に備えて行動する選択をすべきです。

 負のフィードバックに期待するなら、イチかバチかで、人為的に負のフィードバック機構を作り出すという可能性を模索すべき時期かも知れません。それは長くなりますので、また別稿で論じます。

 丸山氏の指摘する磁場の減少による寒冷化傾向というのは確かにあるのでしょう。60年代から70年代初頭に地球の気温が下がりかけたのを見ても、磁場などの面では寒冷化を促す変化量も存在するのでしょう。
 しかし、今日の人類による大量の温室効果ガスの排出は、その寒冷化への変化の傾向を完全に打ち消して、なおかつ温暖化を正のフィードバックで暴走させるに至っているようにしか見えません。
 太陽黒点が減少して、しばらく少し温度が下がったように見えるかもしれませんが、太陽活動の周期は11年なので、11年後には、昨年のピークをさらに上回る気温ピークがやってくるだけのことでしょう。  
 
 まあ、丸山氏が言うようにあと10年以内でどちらが正しいのかはハッキリします。ならば、それまでは人々の対策への努力の足を引っ張らないようにしていただきたいと思います。正のフィードバックが本格化したらもう取り返しがつかないことを考えれば、その10年の時間が決定的に重要だからです。万が一、10年経って丸山氏が正しいということになったら、IPCCの幹部全員で丸山氏に謝罪させるようにでもすればよいでしょう。しかし、それまでは全く根拠のない空想論で、温暖化対策の足を引っ張らないでいただきたいのです。


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189 コメント

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Unknown (通りすがり)
2008-10-18 23:32:33
逆にIPCC側が「あっていた」場合、丸山さん、どうされるんでしょうね。
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Unknown (綾波シンジ)
2008-10-19 14:18:15
床屋談義……なるほど、言い得て妙ですね。

私のブログではその床屋談義を真面目に検証しています。宜しければ、騙されている学生さん達にご紹介ください。
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温暖化について (ゼミの昨年度卒業生)
2008-10-19 17:33:52
お久しぶりです。お元気ですか?
現在、ド山村で暮らしていて、温暖化へのまなざしが大きく変わってきました。
僕は最近、「地球温暖化」という言葉自体を使うことに少し慎重になっています。代わりに「気温上昇」という言葉はしょっちゅう使いますが。
こっちにきて読書は大してしていませんが、フィールドワークを通して、ムラにある温暖化問題について少し報告したいと思います。
僕は温暖化現象については、基本的に肯定せざるを得ないと思っています。というより、正直な話し、温暖化してようと、懐疑論が正解だろうとどっちでもかまわないのですが。
なぜなら、「気温上昇」はリアルな質感を伴った言葉だと思うのですが、「温暖化」は気温上昇の一面を問題化して、ピンポイントに人の焦りを集中させているように感じるからです。
要するに、気温上昇は実際に生活問題としてムラに確かに存在している現象であり、それは気象的な問題のみならず、山村の生活者の苦痛を指す言葉。気温上昇は総体としての生活問題を表す言葉の一つだと思うのです。これに対し温暖化問題というのは、少なくとも現時点において、エネルギー消費量、CO2排出量、森林荒廃など、さまざまな各論からまとめ上げられた、一つの大きなくくりを示す問題の形。
現に、諸塚の人は温暖化という言葉を使うとき、気温上昇による苦痛を受け入れるための素材として使います。昔の人が大洪水を神の怒りとして受け入れてきた感覚と似ている感じです。
こう考えると、安易に温暖化対策を主張することはことは、決してローカルな生活に理解あるものとは思えません。下手をすると、みんなのため(何がみんなのためかすらすらも分からずに。)、という大義名分で、大規模な政策転換に振り回され、生活破壊をされかねないと思います。
気温上昇に苦しむ農山村の現場を直視した政策が生まれることを祈るばかり。せめて、農家への所得保障くらいは実現して、気温上昇があっても、ムラの暮らしを総体的に維持できる体制を整えて貰いたいものです。それが、結果的に農地や山を持続的なものとしていき、気温上昇への対策となるのだと思います。

結論としては、温暖化は人の生活の中にあるもので、決してそれそのものが宙に浮いた議論の元に独立してはいけないものだと思うんです。
都会で僕が引っ越す原因となったいらない公共事業。諸塚にある生活に根ざした道作り。都市と田舎を一つの論理で捉えること自体に無理があります。
田舎は現在、車に変わる代替案が存在しません。生活への理解がないと、温暖化問題は泥沼化していく気がします。
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本質は温暖化ではないのだよ (Chic Stone)
2008-10-20 20:12:25
 僕もそれらの本を読んでいますが、何度読んでも「では百年後・千年後、人間はどう暮らしていればよいのか」が見えないのです。

 僕個人は温暖化の有無は脇に置くべき、最も重要なことは石油後のエネルギーの選択だと考えています。
 温暖化の有無を脇に置いていい理由は、比較的現実的な温暖化対策として主張されている●エネルギーを化石燃料から転換することと◎省エネルギーは、二酸化炭素による温暖化が真偽いずれであってもするべきことだからです。
 温暖化の真偽を問わず化石燃料の涸渇・化石燃料の使用による大気汚染は問題であり、遅かれ早かれいずれは脱化石燃料が必要になります。
 また省エネルギーはこれからのエネルギーが何であっても、温暖化の真偽を問わず必要であり、経済的にも誰もが長期的には得をする…しない理由はごく短絡的な利益・政治的理由のみです。
 尚、◎最大限温室効果ガス削減の努力をしても温暖化を防げない、という最悪も想定して対策を考えておいたほうがいいでしょう。簡単に言えば、やろうがやるまいが沈むことはある、だから宇宙船地球号に人数分の救命ボートを、ということです。
 ほぼ純粋な温暖化対策として、まだあまり知られていませんが、◎外洋や砂漠などを開発して地球全体の光合成を増やして二酸化炭素固定を増やすこと、「太陽の盾」その他地球工学のスケールとなることも提唱されています。これらの技術は温暖化がない場合にも役に立つでしょうか?リスクが大きいだけでしょうか?

 すなわち、人類全体にとってより本質的な問題は次期エネルギー源の選定である、と言えます。次期エネルギー源を考えなくていい唯一のケース………化石燃料は非生物由来で無限、かつ二酸化炭素による温暖化はない、という可能性はほぼないでしょう。
 さて、では次世代エネルギーは何であるべきか。
 それがはっきりしないかぎり、舵を切ろうにも切れません。
 太陽光・風力発電でしょうか?
 それは物理法則の次元で永久機関が不可能であるのと同様に化石燃料を無駄遣いするだけでしょうか?また軌道エレベーター・自己増殖性ナノマシンを考えに入れた宇宙太陽光発電(参考:『楽園の泉』『太陽の簒奪者』)は?
 高速増殖炉による原発、また将来は核融合?それはどちらも現実的な科学技術では解決不可能な欠陥があり、絶対に実現不能な、研究費を食い物にするための詐欺でしかない?超長期的には高速増殖炉を考えに入れても核分裂燃料資源は枯渇するが、その後は?
 二酸化炭素貯留技術で化石燃料を使い続ける?石炭や非在来石油がいくらあってもいつかはなくなりますが?
 自然エネルギー・(核分裂核融合問わず)原子力のどちらも否定するなら、どうすべきでしょうか?石油は無限にあるし温暖化もない?薪炭で地球は何人を養えるでしょう…人類の九割を殺す?科学技術を否定するならどんな未来?
 またはあくまで穀物バイオエネルギー、または外洋・砂漠の光合成を増やし、それをバイオエネルギーとして二酸化炭素固定との一石二鳥を狙う方策でしょうか?

 特に太陽光・風力が無駄か否かについてのちゃんとした検討が、少なくとも僕が見た範囲のインターネット・本・雑誌には見られません。
 その重要さにもかかわらず、残念ながら国内科学誌・温暖化批判本に対する反論本・サイトにはその議論をきちんとしているものが見られないのです。
 また、反温暖化・反代替エネルギー論者も、石油後の未来ビジョンを具体的に語ることはあまりありません。
 この問題こそ、人類文明・宇宙船地球号という船の舵をどちらに切るかを直接決めるのではないでしょうか。
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綾波シンジ様 ()
2008-10-23 02:30:31
 返信遅れて申し訳ございませんでした。すばらしいサイトの紹介ありがとうございました。学生にも勧めます。
 武田邦彦氏の森林に関する無知にもとづいた暴言・妄言には、間違いだらけでメチャクチャなので目にあまります。
 綾波さんが頑張っておられるので、うれしく思いました。やはり、床屋談義であっても影響力は強いのでちゃんと批判せねばダメですね。ありがとうございました。
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ゼミの昨年度卒業生さま ()
2008-10-23 02:36:59
 元気に頑張っているようでなによりです。

>大義名分で、大規模な政策転換に振り回され、生活破壊をされかねないと思います。

 「排出権取引」なんてことばかりに目を奪われていたらそうなってしまうでしょうね。国際ビジネスエリート層の宙に浮いた議論になんか付き合わなければよいわけです。

 諸塚村においては、しっかし地に足をつけて、間伐材のエネルギー利用を進めるなど、地道に林業を振興する形での温暖化対策を進めていくことでしょう。それが村の生活の安定と地球環境の保全を両立させる道だと思います。
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Chic Stoneさま ()
2008-10-23 02:56:29
 ご無沙汰しておりました。

>最も重要なことは石油後のエネルギーの選択だと考えています。

 私も、温暖化していようがしていまいが、早急にこれをやらねばならないのですから、結局のところ結論は同じだと思います。その点、同じ考えです。
  
 またChic Stoneさんがかねて提起していた「海洋に藻やプランクトンを繁殖させてCO2を吸収させる」という方法ですが、そういう意見がチラホラと多くなってきましたね。私も真剣に検討すべきと考えるようになりました。
 
>特に太陽光・風力が無駄か否かについてのちゃんとした検討が

 ネットではwikipediaの太陽光発電や風力発電の項目をみても、kwhあたりのCO2排出量が現在の日本の電力生産の平均値に比べ1/10程度になることが書かれています。昔は、槌田さんのように「無駄」という人がいましたが、今の技術水準でそんなことを言う人はさすがにいないと思います。
 
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投げている? (Chic Stone)
2008-10-23 19:26:25
レスありがとうございます。

問題なのは、「温暖化の有無」に関する議論は反温暖化本に対する反論本などたくさんあるのですが、反温暖化本の中の「自然エネルギーは石油の無駄遣い」に対する反論は見当たらないことなのです。
このままでは「石油の無駄遣い」論が読者の脳に刷り込まれてしまわないか、それが心配なのです。

最新の本も見てみたのですが、どうやら反温暖化論者はエネルギーと食料と人口の問題はわかっているけれど科学技術で解決できるとは思っていない、文明崩壊を必然と思っているような感じがします。
反科学が前に出てしまっているのでしょうか。
でもそうなればいい年の彼らはそれまでに寿命で逃げ切れるとしても、僕の年代だとかなり高い確率で文明崩壊に巻き込まれ、餓死するか人に食われるかになるのです。
なんとか彼らにも「どうすれば誰も餓死せず石油後の文明に移行できるか」を考えて欲しいのですが。
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Chic Stoneさま ()
2008-10-26 23:19:15
>反温暖化本の中の「自然エネルギーは石油の無駄遣い」に対する反論は見当たらないことなのです。

 アメリカのバイオエタノールみたいなものですと、エネルギー収支的にも石油の投入1に対して、1.2くらいしかエネルギーを産出できないみたいです。トウモロコシ・エタノールに関しては、本当にきわめて不効率で石油の無駄使いといえると思います。

 ただ、太陽光や風力に対してそのように言うのは不可能でしょう。製造の過程での石油を使っても石油投入1に対して20倍、30倍のエネルギーを産出しますので。石油を燃やしてエネルギーを産出するのに比べ、はるかに石油消費量を減らします。
 いずれは製造工程そのものの脱石油も可能になるでしょうから、石油の投入はゼロにできるでしょう。
 
>文明崩壊を必然と思っているような感じがします。

 懐疑論者といってもいろいろな人がいますから、一概には言えませんが・・・・。丸山茂徳さんなんかは、寒冷化論者ではありますが、石油枯渇のピークオイル論の方は支持しています。彼にしても、脱石油で太陽エネルギー振興という点には合意しています。

 温暖化も否定し、ピークオイル論も否定する人というのはあまり見当たりません。どちらか一方を肯定できれば、脱石油しか人類に選択がないことは分かりますので、彼らとの間に大きな政策的矛盾は発生しないのではないかと思えます。

 終末論者は勝手に悲観的になっているだけなので、彼らの中から前向きなアイディアも出てくるとは思えません。とりあえず彼らは、放っておけばよいのではないでしょうか。 
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Unknown (綾波シンジ)
2008-12-14 20:05:30
こちらこそお返事遅れまして申し訳ありません。

武田氏の森林関係の話というと、コレですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/eng_cam_fld_tgs/36330786.html

いや、ほんと、よくこんな学部生のレポートでも通らないものを、教授の名で表に出せるものだと、呆れるばかりです。……もちろんそのほかの所でもいい加減なのは言をまちません。

でも以外と、こんなのに引っかかってしまう人が多いようで、気になります。学生の方が、一人でもそれに引っかからないことを願ってやみません。
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