三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

木へのこだわり~日本のわかりやすい高級住宅

2006年06月20日 05時51分18秒 | Weblog

写真は宮崎のイチ押しビルダー・アイホームさんの最新モデルハウス。
高断熱高気密の住宅に取り組んで、性能面でも
地元での信頼を高めてきているビルダーさんですが
社長さんはもともと木への造詣の深い方。
これまでいろいろな住宅提案をモデルハウスには表現してきたけれど
最新のこのモデルでは、思い切って自分が一番作りたい家を
作ってみたのだそうです。
いきなり、玄関へのアプローチには写真左のような銘木が
デザイン的にあしらわれ、「和モダン」をコンセプトとした
内部では、空間的にはシンプルな空間構成ながら
写真右の居間のしつらいなど
随所に無垢の銘木がふんだんに使われ、
素肌に感じる質感のハーモニーに心地よさが広がります。

こうしたモデルハウスを造ってみて
顕著に顧客層が高級化してきているということ。
マーケティングとか、お客様のニーズへの取り込みとか
そういう方向ではなく、むしろ自分の感性をそのまま表現した家が
高級顧客層に強くメッセージした、ということのようなんです。

やっぱりそうか、という思いがありますね。
日本の高級住宅って、なんだろうか、
という興味は尽きないテーマなんですけれど
そのポイントのひとつは、やっぱり木へのこだわりなんでしょう。
空間の構成としてのスケール感などは
インターナショナルなモダニズムを受け入れていると思うのですが
そうして出来上がる空間を決定する素材は
あくまでも、その空気質が凛とする素材としての木の良さを
十二分に引き出したしつらいを求める、
というのが、わかりやすい日本の高級住宅需要なのですね。

まぁ、そういうものへの感性を磨いた人というのが
日本のビルダーとしての資質をもっとも体現した人なのだ、ともいえます。
やっぱ、こういう空間はいいんですよね。
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モデルハウスの見方

2006年06月19日 05時27分43秒 | Weblog

さて、さっぱり勝てそうにないまま、このまま
日本のワールドカップは終わってしまうのでしょうか。
冷静に見て、これが現実的な力量なのかも知れませんね。
きのうの試合は、よく引き分けに持ち込めたなぁ、というところなのでしょうか。
たぶんクロアチアにしてみたら、大失敗のゲームなんでしょう。
あぁぁ、ストレスがたまる試合が続きますね。
最終戦、対ブラジル、全力プレーでの奇跡を祈りましょう。

さて、宮崎での住宅見学その2なんですが
モデルハウスでのこと。
立派な住宅なんですが、ところどころに
メッセージボードが置かれていまして
お客さんへの問いかけになっておりました。
「モデルハウスの見方」って、ときどき人から聞かれることがあります。
そんなもの、特段はないと思うのですが
要するに、現実の住宅から、そのメーカーさんのコンセプトを
感じ取る、理解するというのが目的になりますね。
ただ、この辺りは難しいのでしょうね。
なんか高そうで、自分のイメージするコストでは建ちそうもない、
という現実に打ちのめされる、というのが一般的?
というケースも多いのでしょうが(笑)
このモデルハウスでは、ユーザーさんの目線になって
簡潔に質問ポイントのようなものがまとめられておりました。
建築の意図であったり、メーカーとしてのコンセプトなり、
あ、そうか、というようにまとめられていて
なかなか好感が持てました。
とくに階段の踏み板のバランス感など、
その場で感じるポイントなど、ユーザーさんは確認すべきでしょうね。
ちょっとしたことでも気づいたことは、何でも聞くのが
自分の家づくりでは大切なこと。
「まずとりあえず、しゃべって疑問を残さない」っていうことが
実は一番、後悔を残さない最大ポイントかもしれませんね。
失敗した、という方に限って
確認をきちんとしなかった、ということがらが多いものなんですね。
その意味で、こういうメーカー側からのアドバイスって、いいかも知れませんね。
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宮崎の家-1

2006年06月18日 06時20分51秒 | Weblog

出張中、見た家をご報告いたします。
家の作られ方は、土地土地でいろいろですが
南国宮崎でも、住宅性能にこだわって高気密高断熱住宅を建てているビルダーさん。
この家はツーバイフォーで建てられていますが、平屋建て。
で、室内にはわざわざ、付け柱や付け梁が施されていて
ツーバイフォーの躯体の中に、舞台造作のように木造空間が造作されていました。
建物の見所は、軸線が前面道路側と、主居住部分で違えてあること。
周辺は新興住宅地で住宅が密集しているので、
お互いの視線のバッティングを避けています。
気密の考えはボード気密で、防湿層の施工はややラフです。
やはり、南国4地区や5地区の場合、
(というのは、国土交通省が定める省エネ住宅性能基準の地域分け)
大工さんが、丹念な防湿気密シートの施工になかなか馴染まないことから。
この理由から、グラスウール断熱よりも板状断熱材の「外断熱」大流行り、
ということになるんですね。
ただし、断熱材の値段でいえば、ユーザー利益には逆行します。
しかし、最近では外「張り」断熱の開口部の納まりなど
デザイン的な理由からも、充填断熱施工が見直されてきているとか。

興味を持ったのが、土台や構造材へのシロアリ対策。
やはり九州南部などでは、いろいろ開発が進んでいます。
構造木材の繊維質に対して、加工することで
20年保証を達成している、という技術も導入されています。
若干コストアップはするけれど、そのためのメンテナンスがいらなくなる
と、説明するとこちらのユーザーはすぐに納得してくれるということ。
むしろ、こういう技術を積極的に開発しているということで
信頼を勝ち取りやすいのだとか。
ほぼ、シロアリ被害がほとんど報告されない北海道から来ると
へぇ~っ、というお話です。
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宮崎早朝散歩

2006年06月17日 06時51分36秒 | Weblog

前日は宮崎市内の地元料理の店で舌鼓を打ちました。
で、寄る年並とともに募る、早起きの習慣。
お酒の方は一次会のみで失礼しまして
さっそく、いそいそとカメラ片手に市内散歩を楽しみました。
ホテルは、一番の幹線国道が交差する市中心部にありまして
そこから緑のある場所を目指す、というのが定番。
で、ホテル従業員の方に聞いたら
迷わず、「大淀川周辺」というお答えが返ってきました。
ホテルからはまっすぐで約1.5kmくらい。途中ふらふらして
約4kmというようなちょうど程よい距離。

写真は大淀川縁の緑地の様子です。
この川、昨年秋の台風シーズンにはあと1mほどであふれる寸前まで
いったということですね。
堤防のようになっている場所がちょうど緑地公園になっていますが
市街地はそのレベルよりも下がっているので
もしあふれていたら、被害は甚大なものになっていたことでしょうね。
川幅は長大ですが、ことしは梅雨時期ながら
まだ水量はさほどでもないのだとか。

さて、南国宮崎ということで、見慣れない、樹種は定かではない、
南の国の情緒を感じさせる木々。
針葉樹がメインの北海道からくると
はてさて、日本は南北に長い国という実感、身に迫ってきます。
気温は朝のこの時間6時頃で、18度。
暑からず、涼しからず、
湿気の中に潜んだ「潜熱的あたたかさ」が体をくるんでくれて
少し歩いただけで、心地よい汗が出てきてくれます。
いいですよねぇ、やっぱ南の国。
って、実は翌日は沖縄に到着しております。(笑)
わけあって、一旦東京に向かってから沖縄にUターンという
わけわかんない旅程。
まぁ、若干、飛行機の長旅に閉口しましたが、
こうして元気にブログを更新しています。
またご報告は、明日以降ということで。 ではでは。
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宮崎名物「冷汁~ひやじる」

2006年06月16日 05時38分13秒 | Weblog

きのうは朝7時に家を出て、東京経由で宮崎入りしました。
現地空港には午後1時ころ到着。
梅雨真っ盛りということで、心配しておりましたが
おかげさまで、揺れもほとんどなく、安眠快適空の旅。
ちょうど昼時に到着したわけで
空港のレストランでさっそく地元料理のポピュラーなヤツ、
とリクエストしたら、即座に出てきたのがこの料理。

まったく宮崎の予備知識はなかったもので
「え、なんだろうかな、これ」という新鮮な驚きで向かいました。
まぁ、右側の鉢に入っているごま風味たっぷり、みそ仕立ての「冷汁」を
青しそ・キューリ・豆腐といっしょに
左側の麦ご飯に、たっぷりと注ぎ込んで
「ザッザッ」と(というのが大事なんだそうです)
お茶漬けのように、かき込むように食べるのが本道とか。
で、付け合わせの王道は右上の「さつまあげ」。
宮崎・日向はその昔、薩摩島津の領土であったので
食文化としては繋がっているんですね。
他に付け合わせは、小魚を酢で締めた揚げ物、ごま豆腐。

ということで、夕食でも有名店で同じものが
出て参りました(汗)が、さっぱりしているんで
飽きがくるってことはありませんでしたね。
まぁ、何杯でも食べたくなる、ってものではないけれど
こちらの夏の気候風土の中では、体に馴染んできそうな
メニューだなぁ、と実感した次第です。

さっそく旅に出てのブログとしては、
まずはその地の食文化に敬意を表するスタートですね(笑)
って、はて、わたしは何をしにきたのでしょう?
宮崎でもGW充填の高断熱高気密に取り組んでいる
まじめなビルダーさんがいる、ということで
そのグループの全国大会なんです。
けっして、名物食べ歩きが目的ということではありません、
念のため。って、ま、少しはその目的も(汗)。
ではまたあした。
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内外部一体となった家

2006年06月15日 06時15分52秒 | Weblog

家の作られようは、その住む人、作る人で
注文住宅でいえば、ほぼ千差万別。
とくに戸建て住宅の突き詰めた意味合いでいえば、
庭と、間取り・採光の自由さというのが、
マンションなどの住宅とは決定的に違う特徴といえるでしょう。

写真で紹介した家は、福島市の近郊の家。
都市住宅としてはやや広めの敷地に
外部からの視線を遮った「コートハウス」です。
都市の環境の中で、戸建てに暮らす意味合いを
追求して行くとこういう形になるという事例。
周辺は新興の住宅街ですが、道路側にはむしろ遮蔽的に
閉じられた印象です。それはコンクリート壁で、
道路側からの視線をカットした中庭を実現させているから。

しかも、中庭や本体建物のメイン居住部分を
道路レベルからはややスキップアップさせています。
こうして実現した、言ってみれば、家の内側に近い感覚の外部空間、
たいへん居心地の良い中庭を活かし、
メインの居間やDKに対して一体感のあるデザインとしているのです。
新築後間もない春先でしたので、まだ造園の計画はこれからでしたが、
実に枝振りの見事なシンボルツリーが、いかにも効果的。
さらにこうした中と外の関係を、もっと活かす
中間領域として、ウッドデッキが楽しく演出しています。

まだ子どもさんは小さいけれど、男の子が2人。
この中庭と、ウッドデッキの空間は
やんちゃ坊主を育みたいという、男親共通の願いを感じさせます。
そして、中の居住空間は大きく間仕切りの少ない
大空間が広がっています。
おおらかで、伸びやかな空間に、子育ての夢が
そのまま、表現されているようで、
こちらも楽しくなってくるような家でした。

さて、本日から宮崎ほか各地に、一週間ほど出張いたします。
旅先から、ブログ更新できるかなぁ?
一日も、いまのところ更新を欠かしていないので
なんとか、毎日更新! 目指したいと思います。
ぜひ、お忘れなく、お読みください。
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学生の匠06~既存の施主さん家

2006年06月14日 06時17分04秒 | Weblog

写真はことしのリフォームコンクールの課題住宅です。
この「学生の匠」コンクールは、一般から
リフォームのオーナーさんを募って、その希望条件なども聞いて
学生たちが、自分たちのリフォームプランを創作し、
コンペ形式で競い、そのなかから建築専門家や施主さんの審査を経て
リフォーム工事に活かすプランを選定して、
そのうえ、実際にリフォーム工事も行ってしまおうという企画。
一昨年からスタートして、ことしは第3回目。
毎年多くのサポーター企業から水回りの設備機器の寄贈を受けたり
施主さんの特典も多くなっています。
とはいえ、施主さんも応募していただいた中から選定することになるという
なかなか、複雑な企画事業です。
その意味で、建築業界の多くのバックアップが支えてくれているコンペ。
多くの協賛企業のみなさんに、ほんとうに感謝いたします。

今年の施主さんの住宅の特徴は
築年数40年超というポイントもありますが、
間取り的な特殊性ということ。
写真右上が1階で、右下が2階ですが
画面下が南西に面しているのに、建物配置的には
こちらに「私道」が隣接していて、なんとももったいない使い方。
この私道は親戚同士だけで隣接しながら住んでいる
敷地内でのものなので、
審査委員長の建築家・圓山 彬雄さんからも
移設できないか、という提案もされていたものです。
このあたりの配置計画的なものも、ポイントになるかもしれません。
たしかに、1階南西面に庭を少しでも配置できるかどうかは
建物をプランニングするのに、条件的には大きい部分。

リフォームという、いま、生きて生活している器の再利用って、
日常茶飯で、こういう条件が飛び出してくるのも現実。
ここはひとつ、アカデミックではない、現実に即した
「現場演習」的に柔軟なプランニング提案を期待したいところです。
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建築と植栽、自然

2006年06月13日 06時37分41秒 | Weblog

写真は岩手城公園の様子です。
盛岡に行ったときの散歩の楽しみを感じさせてくれる場所。
まぁ、だいたいが本州の方の古い街というのは
城が街づくりの中心に置かれている、そんな街が多いですね。
歴史的に政治と経済的な富というのは
一体のものだった、ということの自然な教材です。

で、だいたいがこのように、城塞全体が公園になっていますね。
いったん人工の手が入った後に、豊かに植栽されて、
ふたたび、自然の摂理に還されて行くかのように感じます。
こういう外部空間を散歩していると、
人間が作り出す造形感覚や意図というものと、
四季折々の自然の移ろいが、調和を見せていることが感覚される。
写真にあるような石垣なんて、本当は戦争のための装置だけれど、
いまとなってみれば、ロックガーデンの一部になっている。
豊かな森や緑には、すべてを還元する力がありますね。
建築の目的は時間の経過で消えて行くけれど
自然の営みは、まったく新しい価値をもたらせてくれる。

考えてみれば、古くからの高級住宅街というのは
行ってみると、ほとんどが大きな木が生い茂っている豊かな緑の空間。
こういう緑の息づかいが香ってくるような場所が
ひとに豊かな安らぎをもたらせてくれるのだ、
ということをごくわかりやすく知らせているようです。

現代生活では、利便性という要素も高いし、
その利便性が生み出す快適要素につい目を奪われたりもしますが
やっぱり住宅は、そこで休息を取ったり
心地よい安らかな眠りの場所でもあるわけです。
そういうときに、こうした豊かな植栽、自然が
癒しをもたらせてくれるものの最大のものであることは
不変でしょうね。
やっぱり、すこしずつでもいいから、木や緑を植えましょう。
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玄関脇の坪庭

2006年06月12日 05時40分48秒 | Weblog
青森県十和田市内の住宅の写真です。
この家は、南面がほぼ隣家によって遮蔽されています。
したがって、その面には高さを工夫した窓をしつらえています。
ふつうの位置に窓をつければ、隣からの視線が気になるところを
「採光」に徹して、大きな窓を開けています。
この玄関の窓もそうした工夫の一環。
高さがふつうであれば、隣家との視線が一番気になる位置なんですね。
出入りするたびに気を使わなければならなくなる。
じゃぁ、窓をやめるというのも、採光を考えたとき不合理。
ということで、玄関ということもあって、足下を明るくしたのですね。
これは効果抜群。同時にここは吹き抜けにして
高い位置からの採光窓も開けられてているので、伸びやかで
しかも、隣家からの視線はまったく感じない空間。

そのうえ、この低い位置の窓の外側、写真右側にあるように
外部に坪庭をこしらえてあります。
こういう坪庭って、心理的にはちょうど姿見の鏡と似た効果があって
外に出るときの身繕いを美しいものにしたい、
そういう心理的な仕掛けの効果があるようです。

敷地の条件って、実にさまざまだと思いますが
このように、一般的には、マイナスに考えられる要素を
むしろデザイン的にはプラスに転化させる工夫というのが
大変面白いのだと思います。
素晴らしい敷地条件でも、つまらないデザインで良しとしている住宅も多いし
ちょっと工夫して行けば、砂が砂金に変わる例もある。
設計プランニンングって、実に決定的なポイントなんです。
よく練られたプランは、その家を使う人に
とても楽しい暮らし方、生き方を提案できるものなんですね。
こういうこと、多くのユーザーのみなさんも
ぜひ気づきながら、家づくりを考えてほしいものです。
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今年も開催!学生の匠リフォームコンクール

2006年06月11日 05時35分30秒 | Weblog

よさこいの群舞が威勢良く響き渡るなか、
きのう、札幌市中央区の北ガス本社内会議室で
ことしの学生の匠リフォームコンクールのオリエンテーションが行われました。
学生さんへ向けての広報が十分ではないなか、
それでも60名を超える学生さんが集まって、ことしの
施主さんの希望条件のプレゼンテーションに熱心に聞き入っていました。

ことしのリフォーム対象となる建物は、リプランの本社屋にほど近い
建築後40年超という木造の建物。
施主さんは、東京での単身赴任勤務を20年ぶりに終えられ
これからの、第2の人生にふさわしい建物を希望されている方。
仕事がデザイン関係で、趣味を超える域の油絵創作が
これからの大きな目標という豊かな人生観にぴったりな、
若い感性による空間提案に期待されています。

既存の建物は、ご夫人の実家があった広い敷地に
兄弟姉妹の住宅が建っているというなかの、
一番道路側に面した建物。
これまでに何回かの変遷を経てきていて
現在は、一番日当りのいい1階東南の角部屋が使われずに
一日中カーテンで覆われているというもったいない使われ方。
また、建物としては、目視や一部機械による現状調査でも
基礎が鉄筋配筋されていない、とか、
以前のモルタル外壁にサイディングが直接上に張られている、
など、ほぼ全面的な更新変更が必要なもの。
構造的には、内部の床を一度撤去して、既存の基礎の内側に
新たに鉄筋コンクリートの基礎をプラスする方針。
こうすることで、既存の土台や柱の内側にあらたに
柱を立てて行くことになります。
既存の倍、200mmの主要構造ということになりますね(!)。
学生さんのデザインを活かしながら、建物としての構造強化を
同時にしっかり、施工にあたるプロの側で対応することになります。

審査委員長の建築家・圓山彬雄さんから
この建物の概略と、設計プランにあたっての的確なポイントの指摘があり
さながら、学生さんたちに取ってはまさに実地ゼミ。
オリエンテーションでも活発な質問が浴びせられていましたが
終了後、さっそくあちこちから、
「こういうのどうだべか」「俺、こんなふうにやってみたい」
という若々しい学生さんたちの声が、あがっていて
ことしも楽しい応募作品が期待できそうな雰囲気です。
なお、ことしの課題である住宅の内容や、既存写真、実測での図面など
情報は、12日月曜日から
主催のジャパン・リフォーム・ネットワーク(Japan Reform Network:略称JRN)
ホームページ  http://www.jrn.jp/
にて公開される予定で、追加の質問なども
このHPで受付け、随時更新されて行く予定です。
オリエンに参加できなかった学生さんも
このHPから資料などをダウンロードして
参加できますので、ぜひ多くの作品を寄せてください。
期待して、待っております!

<なお、写真は昨年のリフォーム後のもの>
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