三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

東松島市浜市の状況報告から

2011年07月22日 06時58分53秒 | Weblog





東日本大震災後、
活発に活動を続けている建築家・丸谷博男さんから
表題地域のレポートが寄せられました。
ちょっと胸が痛くなるような状況が展開していると思います。
以下、主に地域自治体・住民代表からの発言を要旨掲載します。

●3月11日の大震災で、135世帯470名の住民のうち、50名死亡、不明1名。
●5月1日に、住民決議「集団での高地移転」90名の参加。しかし、徐々に住民意識も変化している。浜市の家を住むために清掃し、手を入れ始めている住民もいる。
●市の案は県とは調整ができているが、国の方針が不明である。現行法では、復旧のみなので、高地移転の場合に、所有している既存地を買ってくれるのか、また、事業費に対して自治体負担が1/4という状態では、前に進まないので、特区を希望している。
●高齢化率36%、一人暮らし、老夫婦が多く、集団移転に参加できない可能性が大きい。人口流出がそうとう見込まれる。しかし、一時避難ということで、子供世帯や親戚の家に行っていた方で、うまくいかず戻ってくる方もある。
●農業者30世帯、漁業者10世帯。農業者は高齢化もあり営農は無理だと思う。漁業者(海苔、牡蠣)は協同化が進み始めている。
●避難所になり多くの方が救われた浜市学校の活用/グループホーム、コミュニティセンターなどへの活用
●被災したが建築は再利用できるコミュニティセンターをどうするか。
●浜市に再び住もうとしている方々の、今後の生活とコミュニティの作り方をどのようにしていくか。考えていく必要がある。


やはり、国の方針や施策が決まってこないので
復興計画を進めていいのかどうか、あるいは
前に進んでもハシゴを外されるのではないかという不安な心理も
読み取れてきます。
どうも今回の震災以降の状況は、
現在の日本の政治・行政のシステムの問題点が一気にあぶり出されてきている。
先日、自民党の国会質問で、
1次補正ではがれき処理に3500億円超 計上されているのに、
被災自治体に実際に予算が付けられたのは、 208億円にとどまっている現状が追求されていました。
こういう出口の見えない状況というのは、
本当に何とかして貰いたいものだと思います。

他の業務にかかりきりだったので、更新がままならなかった
「東北の住まい再生」HP
溜まっていた報告を一気に掲載していこうと思っています。
無料マガジンで掲載した記事なども、今後どんどん掲載したいと思いますので
まだご覧になられていない方、ぜひ、ご覧ください。
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ボールが変わって泣き笑い~プロ野球前半戦

2011年07月21日 13時18分14秒 | Weblog





きのうで、プロ野球前半戦が終了しました。
去年までとの違いがいろいろと出てきた前半戦だったと思います。
その要因は、なんといっても使用球の変更でしょう。
飛ばないボールによって、これまでなんとかなっていたものが
なんともならずに、失速するという感じが強まった。
今週月曜日、休日なのに日ハムの試合がなかったので、
久しぶりにというか、他にやっていなかったので仕方なく
巨人戦中継を見ていました。
日ハムでは、投手が攻めている、っていう感覚があるのだけれど、
東京ドーム開催ということもあってなのか、どうも、ヒヤヒヤする試合展開。
平凡な外野フライがフェンス直前まで飛んでいく。
高橋由伸選手が2番打者として1回に出会い頭のような1発を放ちましたが、
その後、見ていると巨人の打者、全員がそのスイングの残像に
イメージ支配されてしまっていた。
どうもこのチームは、全員が同じようなスイングをしている印象。
日ハムで言えば、中田くんの役割の打ち方を全員している。
「これじゃぁ、誰が繋いでチャンスを作っていくんだろう」
と杞憂したとおり、ひたすら1発狙いでそのままゲーム終了。
観客の側でも、条件反射なのか外野フライが打ち上がるとどよめきが沸く。
しかし、その打球はフェンス前で失速して外野手のグラブへ。
「大味だなぁ」というのが印象。
まぁ、そういう戦略の元に集められた選手構成でもあるのでしょうね。
野球に躍動感がない。
見ていると、観客は自チームの攻撃の時だけしか楽しめていないよう。
守りの時に、投手と捕手は相手をどう攻めているか、
それにともなって、守備陣はどういう戦略で守っているか、
っていうような面白みが感じられない。
ひたすら打者目線での野球観戦になっているように思います。

一方、きのうは同じ東京ドームで日ハムー楽天戦。
両チームエース対決であります。
試合時間2時間 20分とかの、力感ある投手戦でした。
試合は楽天田中投手が、四球、牽制暴投でリズムを崩した瞬間に
中田くんタイムリー、稲葉選手HRで、
一瞬にして3点を取って、それがそのままゲームを決めるという
坦々とした、見事な投手戦が展開されておりました。
負けた田中投手、敗れてなお清々しい、気持ちのいい投球でした。
敵チームですが大いに拍手したい好投。
ダルビッシュ投手、たぶん、今シーズンが日本では見納めっぽいので、
後半戦でも、こういう投手戦をもう一回見たいですね。

わが日ハム、東京ドームの使用契約がまだあるので、
ときどき、ホームゲームでやるわけですが、
そのたまたまのときに、こういう素晴らしい「投手戦」を
東京のファンに見せられたのは良かったと思います。
たぶん、巨人ではこういう投手戦が見られないではないかなぁ。
ことしの野球の特徴はいろいろありますが、
前半戦を見ていて、一流投手の活躍ぶりが目に付きます。
わがチームは、先発のダル、武田勝、ケッペル、ウルフが
順調に成績を伸ばし、ブルペン陣も素晴らしくレベルが高い。
チーム防御率がもうすぐ1点台という2.08という見事さ。
投手を中心に、「攻撃的防御」とでもいえるような野球を見せています。
ソフトバンクは表面、攻撃陣の内川・松田とかが目立っていますが、
こちらもチーム防御率が日ハムに続いて2位の2.31という素晴らしさ。
やはりことしの特徴は、防御力の優劣がそのまま出ている感じがします。
イケイケ打線でやってきた西武の沈没ぶりが象徴しているのか、
どうもこの使用球環境の野球は、こういうようになるのでしょう。

ここで前半戦が終わって、
さて仕切り直しの休憩の時に、立て直してくるチームがあるかないか。
またこの環境を打ち破るような戦術を考えてくる攻撃があるのか?
日ハムで言えば、やや苦手にしているのはソフトバンク以外ではロッテで、
ここは走る野球に特徴があるチーム。
攻撃のカギはやはり走力を生かしたものになるのではないかと思われます。
打つと言うよりも、もっと確実な投手への攻撃、
足で攻めるというのがポイントになりそうです。
さてどうなっていくのでしょうか、楽しみワクワクですね。
でも、読売お得意の強奪野球、チームごと日ハムをそっくりまるごと
持っていこうと考えているかも知れませんね、コワい(笑)。
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Replan東北、最新号32号発売!

2011年07月21日 05時07分11秒 | Weblog






3月の大震災から4ヶ月以上が経過して
ようやく、地域住宅雑誌としてのReplan東北が新しい号を発行できました。

東北VOL.32 2011年7月21日発売
2011年7月21日発売・2011年夏秋号・A4版・定価420円(税込)

【巻頭特集】夏も冬も、年中、快適に暮らせる 省エネルギー住宅
住まいが
これから目指すべきは快適な暮らしを守りつつ、

いかに少ないエネルギーで暮らせるかということ。


「資源が少ないから」。「燃料代がかかるから」。確かにそう。

でも、本当にそれだけが理由なら、何か虚しい。

自然からもたらされる恵みをありがたく、

そして無駄にせずに活用することが何より大切なはず。


日本が持つ美徳の1つ、慎み深さ。

家族、周囲の人々、そして自然への敬意を日々思い出せば、

暮らしは自然と省エネに向かっていくのではないだろうか。

Contents
●巻頭特集「夏も冬も、年中、快適に暮らせる 省エネルギー住宅」

●これから家づくりをはじめるなら、大切にしたい4つの要素
 
 住まいの定義〈性能・地産地消・耐震・コンパクト〉

●東北の住まい再生

●リフォーム特集

●パソコンやインターネットでわが家をイメージ
 
 住宅シミュレーションツール

●NPO 住宅 110番

●TOHOKU ARCHITECT
 宮城県「北上川を望む家」佐々木 文彦

本当にようやく、新しい号をお届けできることに
深い感慨を覚えている次第です。
協賛していただいた各社様、こころよく取材にご協力いただいたみなさん。
そして苦しい体験を乗り越えて努力してくれたスタッフのみなさん。
本当にありがとうございます。
東北の住まいは大きな打撃を受けましたが、
再度、スタートラインに立って、再生への方向を探っていきたいと思います。
通常号が休止せざるを得なくなって、
その間、「東北の住まい再生」というフリーマガジンも発行しました。
被災されたみなさんへの住情報のボランティアを志したものですが、
ようやく、本誌発行での情報提供が可能になりました。
誌面では、フリーマガジンを受け継ぐ形で
「東北の住まい再生」の復興情報も掲載しています。
多くのみなさんの家づくりのお役に立ちたいと念願しています。
販売は、WEBでも行っています。どうぞよろしく。

http://www.replan.ne.jp/content/bookcart/b2tou/t32/index.php
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建築と樹木の配置計画

2011年07月20日 05時43分37秒 | Weblog






写真は、東京杉並区桜上水に近い八幡神社。
八幡神社というのは、源氏が氏神とした神社で武を司る神社ですが、
関東は一円、八幡神社が多いのでしょうか、
源氏を出自と称した徳川氏の勢力が長く支配していたので
このような傾向があるのではないかと思っています。

それは別として、
この神社は、先日も触れた神社で、明治神宮の棟梁が建てたもの。
この写真は表参道を歩いていく途中に撮影したもの。
思わず、カメラを手にしたくなるような構図の良さが伝わってくる。
日本の建築って、建物だけではなく、その区画された領域全体が
デザインされているものが社寺など多い。
当たり前のようだけれど、
たまにこうして改めて気付かされるケースがあります。
うっそうとした木立を抜けて、その先に光り輝いている空間があり、
シンプルな形態の屋根が人を呼び寄せるように見えている。
そしてその先にも背景としての森があって
自然と融合した神域を形成している。
建築というのは、神社本体や敷石の参道となりますが、
それよりもはるかに大事な空間として、緑の配置が為されている。
むしろ、緑のほうも建築的に意匠されている。
7月の強い陽射しの中でも、このような空間では
日射は見事に遮蔽され、気温もコントロールされている。
緑を環境デザイン手法として、
完全に生かしきっているというように感じますね。
こういった「建築」の方にこそ、
未来的なデザイン感覚は存在しているのではないか。
あるいは日本的な普遍デザインであるのか?

街の中で、いまでもこういう空間には豊かな森が維持されている。
この神社周辺は、それこそ建て込んだ住宅密集地ですが、
こうした森が、周囲に対してすばらしい環境を形成している。
東京は密集地ですが、よく見てみるとこのような社寺や、
大名庭園なども多くあって、
鳥の目線で見たら、かなり豊かな緑被率なのではないか。
大変清々しく、心に残っています。
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東京で実現する「見晴らしの家」

2011年07月19日 06時50分56秒 | Weblog





写真は、東京で見学した住宅の様子です。
設計者の納谷さんにお話を聞きながら、楽しく見させていただいた次第です。
納谷さんは、以前東北での住宅賞の審査で知り合った方。
さまざまな敷地条件の中で
その解決策に丹念に向き合い、探し出してきた設計者です。
解決策というのは、その条件の中でもっとも楽しく暮らせる住環境を
さまざまに試行錯誤していくプロセス。
結果としてきわめて特異な空間を作ってきていますが、
それは、むしろ、敷地条件の側が特殊すぎるので
そういう解決策しかなかった、ということを表現していると思うのです。

で、今回の施主さんが探し出してきた敷地は
ある地主さんが造成した敷地で、敷地の大部分は通路に取られている
いわゆる「旗地」といわれる土地です。
今回のはそういう条件の奥の敷地、
周辺に高低差があり、その高台にあった角地の30坪ほどの敷地です。
最初は、発見できず周辺をうろちょろ。
で、ようやく設計者が外に出ていたので発見できた次第。
通路の一番奥なので、
外観的な写真は撮影できません。
どこから狙っても、外壁の一部がかろうじて見えるだけ。
その2階にごらんのような居間を実現していました。
わたしは東京で生活していたのは8年間ほどなので、
首都圏空間での生活実感としての欲求にはやや距離感がありますが、
それでも、こういう空間への憧憬感は理解できる。
コスト的にも、敷地の購入に大部分が飛んで行かざるを得ない中、
こういう空間性を手に入れるというのは、
共感できる部分だと思いました。

結局、多くのひとたちが、
首都暮らしの中で、空間的非人間性にイライラしている。
人間は普通、見晴らしのいい場所で、
空の色合いの変化や、空気感の変化を感じながら、
のんびりと、自然のたゆとうようななかで暮らしたいのだと思いますね。
そういう気分が十分に伝わってくる家でした。
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日本の筆絵文化

2011年07月18日 09時56分46秒 | Weblog






日本の古い記録絵に、思い入れがあります。
絵というのは、基本的に見たことを描くわけですが、
その見え方に、同じ人間観を見たりする瞬間があって、
そういった種類のコミュニケーションに出会えると、深く感動します。
特に日本の絵画の場合、
描画素材が筆であって、その線の柔らかさがなんとも言えず、いい。
筆書きというのは下絵を描くとか、
やり直しをするというのが出来ないのではないかと思うのですが、
でもその分、一期一会性が高まって、
筆使いに覚悟のようなものが漂ってくる。
一本の線に、感受性のすべてが込められているような
そういった気概を感じる部分ですね。
西洋絵画は、基本的に油絵で塗り込んで塗り込んで
修正しながら、作り上げていくのに対して
筆絵では必然的に精神性が高まって行くような気がする。
建築でも、石造りが基本の西洋文化に対して、
ほっそりとした木造が基本である日本建築の違いにも似ている。
長谷川等伯の松林図など、まぁあれは墨絵であって
ぼかしなどの手法も使われているのですが、
このような「精神性」が高まっていくことがわかる。
絵師という職業は、日本ではどのように成立し、
そして伝承してきたのか、専門ではないのでわかりませんが、
大衆がこうした文化に金を自分で払えるようになる前には
仏教などの宗教画などが主要なパトロンだったのでしょうね。
ただ、やはり面白みを深く感じるのは、
この絵のような庶民の様子を描いた作品。
実に簡単な線で描画しながら、
たいへん豊かな人情の機微のようなものが伝わってくる。
たぶん、絵師自身もこうした名もない庶民の出であるに違いなく
人間の動作描写も、深い理解がその根底にあるように感じられる。
伝統演劇の体動作表現に感心したりすることが多いのですが、
そういう部分とも繋がっているものを感じます。
こういう絵を飽きずに見ていたい、というのがささやかな夢です。


なでしこジャパン、すごい。
女性が元気がいい社会って、やはりいい。
元気をくれてありがとう。
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電力使用制限令と梅雨空

2011年07月17日 10時01分24秒 | Weblog






「電力使用制限令」の首都圏は、戒厳令のような状況でした。
経済に全般的に活気の要素が感じられない。
経済と言うことで見れば、やはり電力使用制限令は準・戒厳令ですね。
経済界トップたちは、政権交代しか
この状況の転換はありえないと思い始めている。
軽々に「脱原発」ということを国のトップが言って、
この国のエネルギー戦略がまったく不透明になってしまった。
エネルギー戦略を転換するのはいいけれど、
それには、国民的な合意が不可欠。
それで本当に経済が、国民生活がまわっていくのか、
そういう論議をしないでまったく軽はずみに、
政治表現としては、もうすぐやめると言った後から、
少しでも長くやっていたいという個人の妄執だけを目的に、
国民向けに目先の人気取りに走る。
最高権力者が、一番やってはいけないことを率先垂範、やっている。
こういう環境の中でも、企業は経営していかなければならないし、
利益を出し、雇用を守っていかなければならない。一方で
覚悟の感じられないトップが、経済の環境・状況をどんどん悪くしていっている。
いまや、自分の選んだ大臣からさえあきれられている状況。
いま日本は、最悪の夏を迎えている。

東京から帰ってきまして、
その後、札幌での会議、きのうは苫小牧への往復。
っていうような日々を過ごしておりますが、
東北以南は、酷暑だというのに、
北海道は、きのうなど、梅雨末期の空模様さながら。
気温は、涼しいと言うよりも夜間などは寒い。
空模様は、しばらくは雨続きの状況です。
苫小牧往復では一時、土砂降りという感じもありました。
北海道の気象関係者のみなさん、やはりこれは「梅雨」でしょう。
現実をしっかり見つめて、そう宣言すべきだと思います。
すでに北限のブナ林はどんどん北上して、
黒松内から、300kmくらい北の旭川周辺でも繁茂している。
北海道の気候も温暖化から逃れられないのです。
そういう現実を直視しましょう。
けさ、わが家の中もやや湿度が高い感じがして
室内温湿度計をチェック。
それが、写真であります。
気温は1日を通して22~23度を前後しております。
湿度は、本日朝で53%くらい。
酷暑の本州地域のみなさんに、少しお分けしたいくらいの涼しさであります。
天気図では梅雨前線は北海道中央部に張り付いたまま。
もう、もやもやした空気はいりませんので、どうぞよろしく。
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緑被率

2011年07月16日 07時10分27秒 | Weblog






きのう、鎌田紀彦先生にいろいろ聞いていたのですが、
室蘭工業大学には、木を植えることで環境共生に役立てようという
そういった考え方から、「緑被率」について研究している先生もいるそうです。

ここのところ、緑による日射遮蔽や木陰による気温抑制など
基本的な「パッシブデザイン」について
考えたいという思いが強くなっています。
木を植えると言うことは、まことに必要不可欠な要素だと思います。
しかし、現代生活では緑には、その管理に多くの労力が必要になります。
そのうえ、一番大きな問題は、
ダイオキシン問題によって、緑を管理すればたくさん発生してくる
小枝などの処理に「たき火」が使えないという問題が大きい。
その根拠にされたダイオキシンの毒性について
明確な科学的合理性が存在せず、
都市伝説に近い、科学の名をかたった迷信のようなことではないのか、
っていうようなことになっているのですね。
どうも中世ヨーロッパでの魔女狩りのような
そういった考え方が世界に拡散している傾向があるように思われる。
そもそもヨーロッパの考え方には、あのような
一神教的な価値観の、バカげた部分というのがつきまとっていると思う。
そしてそれを広く世界に強制するような考え方が強い。
人類発生以来、ごく当たり前の習慣として存在してきた「たき火」文化が
ほとんど問題にならないような悪性要因で
収束させられていいわけがない。
そのことでの社会的困難が、物言わぬ緑に降りかかっているのが現実。
そしてそれが、緑の管理の社会的放棄に繋がっている部分も大きい。
ぜひ、見直していきたいと思うのですが、
直接的に目に見えるようなダメージではないので
なかなか改善していくことが難しい。
しかし、どうにかしていかなければならない問題だと思います。

<写真は砧公園のケヤキ並木>
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高速道路を下から見る

2011年07月15日 06時39分07秒 | Weblog






東京で用賀インター近くでの住宅見学会を見に行ってきました。
まぁ知り合いの東京の設計者で、いつも案内をいただく。
たまにスケジュールが合うと、顔を出して東京の家の状況について見学する次第。
今回も、楽しい土地を探し出して設計者と二人三脚でのユニーク住宅でした。
ということなのですが、
最寄りの駅が東急田園都市線の「用賀」駅という案内。
例によって、「近隣には駐車場はありませんので、公共交通機関利用で」
という但し書き付き。
まぁ、今回はクルマで来ているわけでもないので、そのまま
言われるとおり、用賀駅で下車。
そこから地図を確認しながら、炎天下、歩いてみた次第。
途中、砧公園の大きな緑ゾーンを羨ましく感じながら、
お日様とたいへん仲良く歩きました。約30分超でしょうか。
まぁ、荷物は持っていなかったので、身軽ではあるのですが、
最後は、道もわからないのもあって、
炎天の東京都内で、遭難寸前でありました(笑)。
で、ようやく到着したら、設計者の納谷さんがいて、目を丸くしながら
「お車ですか?」と聞かれまして、
公共交通機関云々の話をしたら、呆然とされていました。
おいおい、であります。
まぁ、住宅のことはそのうちゆっくりと(笑)。
で、今度は帰りであります。
砧公園は、なんどか来た記憶もあり、
なつかしく、つい寄り道です。
最近はこのあたり、インターチェンジから下りてのクルマから見るばかり。
高速道路をはさんで、反対側から砧公園に抜けようとしたら、
写真のような芸術的な光景に出くわしました。
ううむ、「人のゆく、裏に道あり、花のヤマ」という競馬の格言がありますが、
こういう現代が作り出す影の世界の美しさ、しばし、我を忘れておりました。
この、工業的素材の連続の美しさを見せる天井の上には
エネルギーを大量消費している車社会が展開している。
まことに不条理でありながら、なにか、情緒的なものが迫ってきます。
ということで、行きはゼイゼイ、帰りは極楽・・・ではありませんが、
それなりの発見と楽しさがあった次第です。
でも、用賀駅で若い方が親切に道を教えてくれたのですが、
「イシズ」公園という聞いたことのない公園名を連呼しておりました。
砧(キヌタ)公園のことだなぁとは思いつつ、
その間違いを指摘するのは、ついついためらわれました(笑)。
読めない漢字を、偏と旁に分けて、なんとか読んでいる努力にはある意味感動。
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明治神宮の棟梁による八幡神社

2011年07月14日 06時47分56秒 | Weblog






きのうは午前中、建築家・内田祥哉先生の自宅訪問取材。
この取材については、追って誌面で発表したいと思っています。

で、わたしもこの桜上水から神田川近辺に来たのは初めて。
桜上水駅で降りて、北方面に向かったのですが、
周辺には武蔵野の面影があちこちに残る
落ち着いた住宅街の雰囲気が充満しております。
で、やや時間が早かったので、
周辺にあった、「八幡神社」にて一休み。
と思ったら、この神社の造形が素晴らしくいい。
びっくりして、カメラを向けてみました。
すると、正面のプロポーションもいいのですが、
この写真のように、側面から屋根の連なりを見ていて
驚嘆してしまいました。
屋根の曲面のビーナスラインが連続していて、
得も言われぬ美しい屋根を形作っていました。
いろいろな社寺建築も見てきていますが、
なかなかここまでの美しさのものはよく知らない。
これは密かなコレクションに、と記憶にインプットいたしました。
で、そのあと内田先生を訪問したのですが、
この周辺の景観、歴史的成り立ちに話が至って、
この神社のことにも話が触れたのですが、
先生からこの神社、「明治神宮を建てた棟梁が建てたのです」
という来歴を聞かされた次第です。
なんでもその棟梁さん、明治神宮を建てた後にはほとんど仕事を
受けなかったのだそうですが、
特に請われて、この八幡さまだけは受けたという仕事なのだとか。
先生の事務所の手書き案内地図に、
とくにこの神社がまるくマークされていたのですが、
そういう「強調」マークでもあったようなのです。
帰り道、ふたたび参詣させていただき、
その美しい姿をふたたび見させていただいた次第ですが、
なにやら、二倍に楽しめたような心地がいたしました。
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